スマホ普及で、写真撮影の機会が増える。
育児中もその影響は大きく、子どもの写真がいつの間にか千枚以上。
新成人向けアンケート結果では、撮影された自分の写真を見る機会は1年間に2回以上が1位。
それが自己肯定感につながっているか微妙ですが、撮影している親側はそんなことは狙っていません。
写真撮影は常態化
スマホ普及や個人所有デバイス増加で、写真撮影は日常風景になりました。
出典:2021年スマートフォンでの写真撮影、プリントに関するユーザー調査(MMD研究所)
上記アンケートの対象は「15歳~69歳の男女2,000人」です。
スマホ普及率が95%を超えていて、フィーチャーフォンは14.4%。
高齢者を除く大人であれば、大半の人がスマホを持っている時代です。
フィルムカメラの7.7%は一部の趣味人であり、フィルム自体がいまは入手困難です。
インスタントカメラの6.8%はパーティ需要なのか。
出典:2021年スマートフォンでの写真撮影、プリントに関するユーザー調査(MMD研究所)
週1回以上、写真撮影するデバイスではスマホが約7割。
インスタントカメラが27.2%、フィルムカメラが20.1%ですが、こんなに使っている人がいるのだと意外な結果です。
一眼レフカメラは本体の重さを考えると日常的に使うのか微妙ですが、17.8%の数字は多い気もします。
出典:2021年スマートフォンでの写真撮影、プリントに関するユーザー調査(MMD研究所)
スマホで撮影した写真をプリントアウトした経験がある人は半数弱。
残りの半数強の人は、プリントアウトしていません。
プリントアウトせず、SNSや共有フォルダでの公開は、若い人ほど身近です。
出典:2021年スマートフォンでの写真撮影、プリントに関するユーザー調査(MMD研究所)
プリントアウトの手段ですが、1位は自宅のプリンターの46.9%。
自宅にプリンターがある人が、そんなにいるのだと感じる結果です。
コンビニ複合機でプリントアウトが2位、コンビニの機能拡張(店員さんの疲弊)を感じます。
僕はネットプリント利用者ですが、すぐに手元に必要でなければ、ネットプリントは納得度が高いサービスです。
印刷物の品質が良く、安価で手に入ります。
子どもの写真は半年で千枚以上
ここからは、子育て世代を対象にしたアンケート結果です。
出典:子育て世代の写真撮影事情(ニンプスラボ)
生後から半年までに、何枚、子どもの写真を撮影したのか。
一番多いのが1,001枚以上の33.3%、1/3が千枚以上撮影しています。
300枚以下の合計が23.2%で、この中では少数派です。
出典:子育て世代の写真撮影事情(ニンプスラボ)
保存方法の1位はフォトブックの61.5%。
フォトブックも近年発達したサービスで、写真印刷同様、安価に簡単に作成できます。
わが家も1年1冊、フォトブックを作っています。
2位がプリントアウトしてアルバム保存の54.5%。
約半数の人が紙に出力、残りの半数が出力していません。
細かな年齢別情報がないので予想ですが、若い人ほどネットで完結しているのではないか。
3位がクラウド保存で50.2%、約半数。
写真共有方法では最強であり、遠方に住む祖父母への共有として最適です。
高齢者がスマホを使うモチベーションとしても、大活躍の理由です。
ママと子どもの写真は少ない
夫と子どものツーショット写真はあるが、奥様と子どもの写真が少ない。
子育てあるあるです。
出典:ママと子どもの写真調査(ピクスタ)
こちらは、ママ向けアンケートの結果です。
ママと子どものツーショット写真が欲しいママさんは94.3%と、違和感のない結果です。
出典:ママと子どもの写真調査(ピクスタ)
こちらは、ママと子どものツーショット写真をどのくらい持っているか。
1位は「多少ある」38.2%で、2位の「たくさんある」20.9%と、あわせて59.1%。
約6割のママは、子どものツーショット写真があり、残りの4割があまり保有していない
9割以上のママが欲しいと思っている1つ目の円グラフと、差があります。
出典:ママと子どもの写真調査(ピクスタ)
僕は男ですが、このグラフ、パパが反省する数字だと感じます。
ママと子どものツーショット写真の入手方法の1位が「自撮り」。
ママ達のため息が聞こえる結果です。
2位が「夫」なのは救いなのか、38.3%。
出典:ママと子どもの写真調査(ピクスタ)
ママは、夫と子どものツーショット写真を74.8%撮っている。
パパは、ママと子どものツーショット写真を50.6%撮っている。
この数字の違いも課題ですが、パパは自分では50.6%撮っていると認識しており、1つ上のグラフのママ評価「夫が写真をママと子どもの写真撮影している」は38.3%と、ここにも乖離がある。
火種がくすぶっています。
新成人は写真を見返している
このブロックは、新成人が対象のデータです。
出典:新成人の男女400人に調査!子どもの頃の写真枚数(株式会社ミクシィ)
全体的にばらけていて、成人になるまで親が写真撮影しているご家庭もあれば、小学校でやめている人もいる。
一番多いのは「小学校高学年」の22.4%で、同率2位が「小学校入学前」と「小学校低学年」の15.6%。
「小学校卒業までの合計」が53.6%なので、約半数のご家庭は小学校卒業とともに子どもの写真を撮影する回数が減っています。
出典:新成人の男女400人に調査!子どもの頃の写真枚数(株式会社ミクシィ)
こちらは、写真データをどこに保管しているかと、保管場所別の見返す頻度です。
「1年に2回以上見返す」人が一番多いのが「撮影端末の中」の71.1%。
撮った端末で、撮影された成人が見返している割合が2/3以上です。
保管場所を「クラウド」に絞った場合、見返す頻度が1位なのが「1年に2回以上」。
「クラウド」保存だと情報アクセスがしやすいので、納得感が高い結果です。
出典:新成人の男女400人に調査!子どもの頃の写真枚数(株式会社ミクシィ)
上記は、いつまで写真撮影してもらっていたかの時期別に、写真を見返して自己肯定感を感じられるかの結果です。
1位は「高校生/高専生」の90.7%で、2位は「大学/短大/専門生」の83.3%。
10代後半まで写真撮影してくれている親がいる成人は、自己肯定感との関連性(相関)が高いと言えます。
最下位が「小学校入学前」で69.8%。
小学校に入って、親が自分に興味を持ってくれないと感じてしまったのが、自己肯定感に影響しているのか。
出典:新成人の男女400人に調査!子どもの頃の写真枚数(株式会社ミクシィ)
最後は、成人自身が自分の子どもの頃の写真を見返す頻度で、自己肯定感を感じるのか。
1位は「1年に2回以上」見返す成人の自己肯定感は91.2%で、見返す頻度が下がる毎に自己肯定感が低くなっています。
最下位の「見返さない」の自己肯定感は43.5%です。
自分の写真を見ないが子どもの写真は見る
僕は大人になってから、自分の子どもの頃の写真を見返したのは数回。
引っ越しの時、荷物を段ボール詰めしていたとき、アルバムをパラパラ見返したのみ。
自分の古い写真アルバムの存在は分かりますが、自分の過去写真に興味を持っていません。
翻って、わが家の子どもが生まれて、写真撮影した枚数は年間数百枚~千枚以上。
子どもの年齢が上がる毎に減りましたが、証拠写真的としても日常風景としても、たくさん撮影しました。
撮影できるスマホがいつも手元にあるのは、最大の要因だと感じています。
携帯電話普及前は、手軽に写真を撮ることはなかったはず。
わが家の撮影データの保存先は、複数のハードディスクがメインです。
ハードディスクは壊れるモノと僕は仕事の経験上知っており、複数HDDでリスク分散化。
すべてクラウド保存が理想的ですが、数千枚の静止画に動画も合わせると、月額利用料がそれなりに必要なため、いまだに手元の物理メディア保存です。
自分の写真には興味がありませんが、子どもの写真はそれなりに見返しています。
1年に1回フォトブックを作る時や、撮影機器から保存メディアにデータを移動するとき。
クラウドにも気に入った一部の写真を保存しており、そこも機会があると見てしまう。
夕食後の家族団らんの時間に、パソコンをテレビにつないで、全員で見返したりもしました。
これは子どもにも好評で、3歳未満の自分の写真を見せて、僕がその説明する。
写真を見て事実の説明をしたり、おちゃらけて「この時は〇〇に襲われた後だったなぁ」とか。
子どもはキャッキャ言いながら、恥ずかしそうに自分の写真を見ていました。
われわれ夫婦にとっては、写真撮影のモチベーションは自己満足です。
撮影で子どもの自己肯定感を高めることを目的にはしていません。
僕はそこに因果関係を感じておらず、自己肯定感を高めるには弱い。
そんな事より、わずかな期間で大きな変化を遂げる子どもの一瞬を、単なる趣味として切り取る。
子どもの写真撮影したあと、少しだけ心の中で後悔が発生するときもある。
いまの撮影の間に、肉眼で見ていれば気づけていた何かを、キャッチし損ねたのかもしれない。子どもの小さな表情の変化や機微。
多分、それは写真では切り取れない、心のシャッターで残すもの。
僕は好きなバンドのライブに、いまでも行きます。
そのバンドの曲をCDやダウンロードデータなどでも聞きますが、ライブはその時にしかないモノがある。
子どもの一瞬もライブです。
さいごに
わが家は、デジタルビデオカメラを買いませんでした。
動画撮影手段として悩みましたが、スマホ・コンデジ・デジイチで代替できると判断。
運動会などでは、デジタルビデオカメラが最良機材ですが、これもデジイチで代用しました。
スマホを常備しているので、日常でもスマホでたいていの用は足りる。
以前も書きましたが、僕が動画より静止画が好きと言う、好き嫌い問題もあります。
一瞬を切り取る静止画の潔さと、受け取る側の考える余白。
とは言え、自分で良いなと思える写真が数%なのは、自分の未熟さの表れです。