この文章のトピックスは以下です。
・授業参観が開催されるのは小中学校95%以上、高校約2/3
・回数は1学期~3学期に1回から複数回程度
・親の出席率は、小学校は9割を超えるが中学以降は下がる
・コロナウィルス禍で中止になった行事の1位は授業参観でその割合は約2/3
授業参観開催率、小中学校は95%以上、高校は約2/3
少し古い2012年の情報ですが、授業参観に関するアンケート結果がベネッセにあります。
出典:授業参観 実施日時や内容に工夫し、多くの保護者の参加を促す(ベネッセ 教育情報サイト)
小中学校では大半が授業参観を開催しており、高校は2/3弱です。
自分の学生時代を思い出してみても近しい数字で、昭和時代から変わっていません。
出典:授業参観 実施日時や内容に工夫し、多くの保護者の参加を促す(ベネッセ 教育情報サイト)
上記は授業参観が行われた月の複数回答結果です。
1学期から3学期の各学期に1回ずつくらい、開催されていると読み取れます。
出典:授業参観 実施日時や内容に工夫し、多くの保護者の参加を促す(ベネッセ 教育情報サイト)
上記は授業参観には出席したかの回答結果です。
小学校は9割以上が参加、中学校は7割強、高校は4割。
子どもの年齢が上がるごとに参加率は下がっています。
コロナ過で減少した学校イベントの1位は授業参観
出典:学校生活と行事に関する調査(スタジオアリス)
上記はスタジオアリスによって、コロナ渦中の2021年に「昨年中止になった学校行事に関するアンケート」結果です。
非開催1位は「授業参観」で68.9%、約2/3が授業参観を取りやめました。
開催するかしないかどちらの判断をしたにしても、校長先生の立場で考えるなら悩ましいと想像できます。
結果、クラスター発生を予想してリスク回避(非開催)する割合が多かったと言えますが、妥当だと感じます。
授業参観の年間開催回数は3回~5回
授業参観は学期ごとに1回ずつ、つまり年3回あるのが一般的で、中には年5回以上行なう学校もあるようです。開催時期は学校により異なります。
出典:小学校の授業参観(東建コーポレーション)
上記記載がいつのどんな情報なのか分かりませんが、コロナ過明けの2024年時点、僕の身の回り観測やネットのいくつかの個人ブログからも一致しています。
わが家の子どもの授業参観(学校公開)の回数も同値。
コロナ過での3密回避ピーク時は、授業参観開催回数は減少しましたが、コロナ慣れした2022年以降は徐々に元の回数に戻りました。
参観する親側はマスク着用となり、当時はマスクマンが日常風景でした。
その後、わが家の子どもが通う学校では、2024年度に授業参観(学校公開)の回数を前年度に比べ減らしました。
理由は不明ですが、世間のニュースなどから想像すると、教師への負担軽減と、働くママさんが増えた点への配慮が思いつきます。
個人的には各学期に1回は妥当で、子どもが小学校低学年の頃は特に、年に1度か2度は授業風景を見られる機会を持つのが、学校側にとっても親側にもプラスになると感じています。
授業参観に出席すると得られるものは多い
授業参観(学校公開)に行くと、いろいろなものが見られます。
・自分の子どもの様子
・クラスメートやクラスの雰囲気
・担任の先生
・授業内容、授業方法
・参加している保護者
・クラス内や学校の様子
・掲示物
・休み時間に子どもたちが何をしているか
先生によっては、来ている保護者の顔を覚えておられる方もおり、クラス全体に質問をしたとき意図的に出席保護者の子に回答させる。
モンスターペアレンツを考えると時代錯誤かもしれませんが、サービス精神があって良い。
今の時代に沿う方法としてなら、全員に発言機会を設けて子どもの様子を親に見せるのが今風かもしれません。
全員発言させると言い淀んでうまく回答できない子がいますが、ベテランの先生だと蹴りやすい絶妙なスルーパスを出します。
他に、騒がしくする子どもがいても冷静に対処、大上段に怒るのではなくそれをやったら周囲にどんな影響になるか、あえて答えさせる。
上記のような行為を含め教師と生徒の関係性で見ると、僕の子ども時代の昭和時代とは違い今はフラット感を感じます。
教師は生徒を一人に人間として見ており、子どもも自分の言いたいことを比較的言えている。
授業中に生徒側から提案や笑いを誘うような脱線があるのは、教師から生徒への一方向圧力が減ったと言えます。
環境面では、今の授業は大型スクリーンの活用しており、見ていてとても理解しやすく、自分の子ども時代にはなかったものです。
大きなスクリーンが常時、表示されている状態で、そこに補助教材などが表示されており、タッチペンで各種の操作ができる。
「ここにこれを置いたらどうなる」とか、説明の一部が動画になっていて動きがある教材で理解がはかどります。
小学校の教材ではありませんが、エンジンの燃焼について紙の教科書で説明すると理解ができない可能性もある。
それをいろいろな種類のエンジンの燃焼方法を、動画で透明のエンジンを使って爆発の動きを見ると一発で理解できます。
小学生の問題として良く出てくる「A地点からB地点に2人が別のタイミングで出発出した時、どちらが早くB地点に到着するか」も同じ。
これも、動きで説明されると「なるほど」とうなずけます。
回答だけを覚える昭和時代の方式はベースとしては必要ですが、令和時代はプラスして自分が考えて発信する力が求められています。
視点としては、全体イメージを持ったうえで、なぜそうなるかを説明(回答)できるか。
マクロ視点とか俯瞰・鳥瞰の言葉もありますが、この辺りは生きていくうえでも強い武器になります。
聞いているだけで理解できたと勘違い(流暢性の罠)も良くありますが、自分で発信してみると、自分の理解不足が顔を出します。
この辺りを認識するのも学びとして重要ですし、そこにフォーカスするようなカリキュラムであったり先生方の配慮を令和時代の授業からは感じます。
満点の制度は存在しませんが、授業参観も少しずつ良い形に変わっていると感じます。
さいごに
僕が初めて授業参観でクラスに入った時、最初に頭に浮かんだのは「1クラスの子どもが少ない」。
以下のYahooニュースでは、2022年度は1クラス平均22.71人です。
2022年度は小学校22.71人・中学校27.00人…小中学校の学級人数推移(2022年度版)
僕が子どもの頃にくらべて少ないと感じるだけですが、以前は30人以上が普通、40人以上も経験したことがあります。
それでも、現代は教師の長時間就業が課題と言うニュースをよく聞くのは微妙です。
何にせよ1クラス当たりの人数が少ないのは、教師にとっては生徒一人一人のことを見たり考えたりする時間が増えるはずで、それは良い傾向だと思っています。