冷凍食品消費は、増加し続けています。
人口減少期にあっても、1人当たりの消費量は増えている。
中でも伸びているのが「調理された食品」です。
有名店監修商品なども含め、いまの冷凍食品はおいしいから売れている面はあります。
冷凍食品利用はずっと伸びている
1968年からの国内での、冷凍食品消費量推移が以下です。
出典:品目別国内生産量推移( 一般社団法人 日本冷凍食品協会)
2000年あたりまで大きく伸長して、その後、増加が緩やかになっています。
分類別にみると、グラフ内濃い青色線「国内生産量」は、2000年からはそれほど増加していません。
対しグラフ内灰色線「冷凍野菜輸入量」は、2022年でも伸び続けていて、これが全体を押し上げています。
出典:品目別国内生産量推移( 一般社団法人 日本冷凍食品協会)
日本人一人当たりの冷凍食品の消費量が上記です。
日本の人口ピークは2008年ですが、一人当たりの消費量は人口減少期に入った後も伸び続けています。
出典:品目別国内生産量推移( 一般社団法人 日本冷凍食品協会)
品目別にみてみると、消費が大きい分類は2つ。
グラフ内黄色線「フライ類」が1990年あたりまで伸びて、それ以降も消費量をキープ。
グラフ内水色線「調理食品その他」はずっと伸び続けており、2022年は冷凍食品全体に占める割合は70.4%です。
コロナ過で冷凍食品利用頻度は増加
このブロックは、冷凍食品を使う頻度です。
出典:“冷凍食品の利用状況”実態調査結果について( 一般社団法人 日本冷凍食品協会)
まずは女性のみの情報です。
コロナウィルス過になって内食が増加しましたが、冷凍食品を利用する頻度はわずかに増加。
上記グラフの中、5年間で一番増加しているのが「週1」の121.4%。
一番減少しているのが「ほとんど使わない」の74.6%。
出典:“冷凍食品の利用状況”実態調査結果について( 一般社団法人 日本冷凍食品協会)
上記は男性の情報ですが、女性と同様、利用頻度は増えています。
女性の結果と同じくグラフ中、一番増加しているのが「週1」の119.8%。
一番減少しているのが「ほとんど使わない」の82.7%。
出典:“冷凍食品の利用状況”実態調査結果について( 一般社団法人 日本冷凍食品協会)
ライフステージ別にみると、冷凍食品利用が少ない層は「女性・同居者なし」と「女性・未婚で有職者」。
しかし、どちらも「ほぼ毎日」の割合が高いので、使う人は使い、使わない人は使わないと大きく分かれています。
男性は女性全体に比べると、利用頻度は高い結果です。
忙しい時代の冷凍食品利用意識
冷凍食品大手のマルハニチロ株式会社に、別視点のアンケートがありました。
出典:冷凍食品に関する調査2021( マルハニチロ株式会社)
感情を問うアンケートですが、自炊疲れしたときの救世主として89.9%の人がYes回答しています。
毎日の献立を考える労力を知っている人なら、肯定意見に投票すると思われる質問です。
出典:冷凍食品に関する調査2021( マルハニチロ株式会社)
一つ上の冷凍食品は救世主か質問での肯定は89.9%でしたが、冷凍食品が手抜きと考える人は古いと考える人は75.1%と少し下がっています。
いまは冷凍食品のレパートリーが豊富なので、冷凍食品のみで夕食の食卓を完成させられる。
冷凍食品の実は極端ですが、電子レンジで一品追加できることに手抜き感を覚えるのは納得です。
出典:冷凍食品に関する調査2021( マルハニチロ株式会社)
仕事で疲れた時や、旅行から帰ってきたときの夕食など、ササっと作れる冷凍食品は家庭料理の強い味方。
2位の「おかずが足りないとき」も納得で、他の料理を作りながら簡単に食卓に1品追加できます。
出典:冷凍食品に関する調査2021( 一般社団法人 日本冷凍食品協会)
https://www.maruha-nichiro.co.jp/corporate/news_center/research/019.html
男女混合の良く購入する冷凍食品のTop10です。
見慣れたラインナップですが、1位「焼き餃子」2位「から揚げ」。
毎日冷凍食品だったなら辟易する人も多そうですが、たまの冷凍食品はいまや一般的だと感じます。
ここまでをまとめます。
・冷凍食品消費量は伸び続けている
・近年は「冷凍野菜輸入量」が伸びている
・直近の品目別1位は「調理食品その他」で70.4%
・冷凍食品利用頻度はコロナウィルス禍以降で少し増加
・現代は冷凍食品を肯定的に捉える人が多い
おいしくない冷凍食品を探す方が難しい
冷凍食品のデメリットと言われているものを上げます。
・食品添加物
・味が落ちる
・栄養バランスに偏りがある
・栄養価が低い、徐々に落ちていく
・外国産原料
・味が濃い
冷凍食品の食品添加物を危険視する話は昔からありますが、そうは行っても食品衛生法があります。
日本以外で禁止されている添加物を日本では使っている、などの指摘もありますが、重箱の隅のお話ではないのか。
以下は冷凍食品のメリットですが、食材を急速冷凍するため保存料は最小限で済みます。
・保存がきく、フードロスにならない
・栄養価がある程度キープされる
・年中、たいていの食材が供給されている
・価格が安定している
・手軽
・日ごろ作らないメニューもある
12月24日と25日にニーズが爆増するクリスマスケーキ。
生のケーキもありますが、冷凍技術の発達でその大量な需要に応えています。
育児を経験すると、ほぼ間違いなく冷凍庫がパンパンになる時期があります
乳児期の赤ちゃん専用の食材を、余力がある時に調理して冷凍しておく。
子どもが園児になると、アイスクリームや甘いもの、子どもが好きなメニューが冷凍庫を占める。
就学後、運動量の多いお腹減っている子どもが「何かない」と聞かれて、冷凍焼きおにぎりをレンジで温める。
子どもがいるご家庭は、それまで使っている冷蔵庫にプラスして、小型冷凍庫の追加を考えたことがあるのではないか。
電気冷蔵庫がなかった時代、冷蔵庫は木製で氷を入れるて中を冷やしていました。
それが1955年頃から電気冷蔵庫が各家庭に普及していきます。
電気冷蔵庫がなかった時代は、食材は腐る前に食べきるが基本。
食品を長持ちさせる工夫として、塩分や発酵食品はあり、塩のみで梅を漬けた「白干梅」は常温保存でも腐らない。
とは言え、塩分過多は、現代では高血圧視点から推奨はされません。
いまの一般的な商品は、ヘルシー面は消費者に必須レベルで求められます。
味も一定以上かつ、わずかかもしれませんがメーカー努力で上昇を続けている気がしますし、中途半端なものは淘汰される。
市販冷凍食品で、おいしくないモノはほぼないのではないか。
われわれは、江戸時代の将軍様でも食べるのが難しかった地方の食材を、ネット取り寄せで食べるられます。
冷凍食品ではありませんが、2021年ザッハトルテで有名なホテルザッハーは、コロナウィルス過キャンペーンとして全世界送料無料発送キャンペーンを実施しました。
個人的には当然だと思っていますが、世界中からオーダーが入り、キャンペーン期間終了を待たずクローズ。
ザッハトルテは冷凍ではないのでこの文章のメイン「冷凍食品」とは関係ありませんが、オーストリアのチョコレートケーキを個人がお取り寄せできるのが現代です。
便利機能の1つとして冷凍食品も活用する。
「効率化」は負の面もありますが、適材適所で使うのは人生を豊かにする知恵です。
冷凍食品は日常使いとしてもハレの日にも活用できる、強い味方です。
さいごに
子どもと両親の家族構成で、料理メニューを決めるとします。
優先順1位は、子どもが食べたいものか食べてくれるもので、栄養価も視野に入れる。
その後、ママとパパの好きなモノや健康面を考えたメニューを土俵に上げる。
上がった候補が、子ども・ママ・パパがとも好きなメニューであれば良いですが、そんなケースは多くはない。
仮に、みんながカレーが好きだったとしても、毎日カレーは「またカレー」の微妙な空気になる。
結果、たいていの場合、子どもの味覚優位ですが、各自の満足度を上げるために冷凍食品で一品追加は一つの解決策です。