小児科が減っていると言う話を耳にします。
しかし考えてみると、年少人口も減っているので当たり前とも思いました。
今回は、年少人口10万人当たりの小児科施設数を調べました。
都道府県別と東京23区の年少人口10万人当たりの小児科施設数も見ています。
日本全国の小児科施設数推移
まずは小児科施設数について、1990年~の推移グラフが以下です。
出典:平成28年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況(厚生労働省)
出典:人口推計の結果の概要(総務省統計局)
一般病院と一般診療所の2つのグラフです。
この2つは規模の大きさの違いです。
一般病院はベッド数20以上、一般診療所は19以下です。
どちらも右肩下がりになっています。
3割程度の減少状況です。
出典:平成28年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況(厚生労働省)
出典:人口推計の結果の概要(総務省統計局)
年少人口10万人あたりに、先ほどの一般病院と一般診療所の合計で割ったものが上記です。
年少人口とは14歳以下です。
結果、2011年が一番低いですが、2014年は増加。
1990年と2014年の増減率は102.5%。
増えています。
小児科施設数は減少しているが、対象人口から考えると横ばいということです。
都道府県別・人口10万人あたりの小児科施設数
出典:地域医療情報システム(日本医師会)
出典:人口推計(平成29年10月1日現在)(総務省統計局)
都道府県別の年少人口10万人あたりの小児科施設数が上記です。
1位=徳島県で312。突出して、小児科施設数が多い県です。
最下位=宮崎県で102。
全国平均が164です。
東京付近で見てみると、東京は平均を少し上回る208。
神奈川=137、千葉=145、埼玉=143は平均以下。
埼玉は大人も医療過疎地域といわれますが、小児科もあてはまるようです。
東京23区・人口10万人あたりの小児科施設数
出典:地域医療情報システム(日本医師会)
出典:住民基本台帳による東京都の世帯と人口(東京都)
東京23区の年少人口10万人あたりの小児科施設数が上記です。
1位=千代田区で426。突出の1位。
最下位=江東区で160。
23区平均が247で、全国平均の164の約1.5倍。
千代田区は年少人口が圧倒的に少ない区といのも大きな要因でしょう。
23区内で唯一、10,000人を割ってい、7964人(2018年時点)。
2位=豊島区の352、3位=新宿区の317。
江戸川区と葛飾区は200以下で、23区の東側は小児科医が少ない地域です。
さいごに
ある知り合いの医者のタマゴと話をしていて、大きな声で言えない現実を知りました。
「医者になる人のうち、一定割合はお金がものを言う。
学費や専用の塾もそうだが、医学部入学時に寄付金制度があるから。」
それでも医者に限らず何でもそうですが、つまるところ個人によります。
これは医者と患者の相性も、大きく関係すると思っています。
厳しく言ってもらいたいのか、薬をなるべく出さないようにしてほしいとか。
小児科医の先生だから、全員が子どもが好きというのも、患者側の勝手な幻想です。
子どもが医者に行きたがることは、基本、ないでしょう。
それでもわが家の子どもは、耳鼻科のみ行きたがる時期がありました。
特に施設が良かったわけでもなく、先生が好きだったようでもなく。
鼻吸いが気持ちよかったようです。
ではでは。
年少人口10万人あたりで考えると施設数は横ばい
徳島県がいちばん小児科環境が良い