家族が自分にとって、どんな存在なのか。
震災の後に流行った「絆」のように、大きな何かが起こると考えるきっかけになれど、日常は放置されやすいものです。
その中でも、パートナーと円満な関係を築けているのかは、最重要項目。
子どもにとっても、両親が笑顔で会話している環境が良いのは自明です。
ここ20年家族に対する想いは高まっている
内閣府が毎年行っている世論調査で、「家庭の役割」というものがあります。
「家庭はあなたにとってどんなものですか」の内容を、複数選択OKで、質問しています。
その中で上位6つのものが以下のグラフです。
出典:国民生活に関する世論調査・家庭の役割(内閣府)
上位6つの選択肢は「家族の関係性を高めるものばかり」です。
そしてこの6つ、ここ20年ですべての数値が増加しています。
一番伸びているのは「家族の絆を強める場」。
2001年は43.6%たったものが、2020年は55.3%で、11.7%増加。
2番目が「子どもを生み、育てる場」。
2001年は18.8%たったものが、2020年は27.1%で、で8.3%増加。
「子どもを生み、育てる場」が増加しているのは、僕が子育てをして体感値として納得感があります。
これだけ、核家族化が進み、子どもや育てる親に求められるハードルが上がってきている世情を考えれば、そこに情熱というか、感情移入するのは分かります。
また、1位の「家族の絆を強める場」。
うがった見方をすると、会社や社会に対する想いが減少している反動。
典型的なお話として、昭和時代の会社依存のサラリーマンや、近所づきあい重視が薄れ、代替としての最小構成単位である家族の重要度が、高まったとも取れます。
実際、いま、会社への帰属意識調査では、会社優先と考える人はすでに10%を切っています。
地域環境では、都市部は外部流入者が多く、流出者も身近にいて、地域への帰属意識は低いです。
僕は東京在住の外部流入者で、僕の住んでいる場所では、町内会は古くからの住人のみで、人数は減少の一途です。
都市部に住んでいる人は家族に対する想いが強い
2020年に絞った[都市規模別][性別][年齢別グラフ]の3つのアンケート結果が以下です。
出典:国民生活に関する世論調査・家庭の役割(内閣府)
住んでいる都市の大きさで4つの分類に分かれています。
グラフは右肩下がり、大都市に住んでいる人ほど、家族に対しての想いが高いです。
2つ、特徴を上げると[休息・やすらぎの場]と[子どもを生み、育てる場]について、大都市と町村の差が大きく、大都市はより多くそう思う人が多い結果です。
出典:国民生活に関する世論調査・家庭の役割(内閣府)
男女別の分類です。
女性の方が男性より、全体的に数値が高く、唯一男性が女性を上回るのは[夫婦の愛情をはぐくむ場
]のみ。
女性は家族を重視し、男性は夫婦を重視となります。
この結果は、僕には違和感があり、現実に沿っていない気もします。
質問が「家族関係についてあてはまるものすべてにチェックしてください」なので、男性にっとて育児は奥様主体なので夫婦重視くらいしか選択できない、消去法と見てしまいました。
出典:国民生活に関する世論調査・家庭の役割(内閣府)
高齢世代が家族に関心がない結果ですが、これは昭和前半~中盤の生まれの時代の風潮だと感じます。
以前は家庭より仕事優先で、家族側も仕事であればしょうがない、と考える人が多かった。
[30~39歳][40~49歳]の数値が高く、この世代が家族に関心が強いです。
子育てのメイン時期であり、この時期、家族の安定感に視点が行くのは、生物の本能かもしれません。
家族に目を向けない夫は間違い
既婚者で子どもがいて、働いている現代男性が、どの程度家族のことを考えるのか。
まずは、これを書いている僕が、この状況に当たります。
そして、この属性に該当する人の大半は「奥様の怒りを買う」経験をしていると思います。
奥様が怒って口をきかないなど、どの程度それが大きなエネルギーなのか、状況はさまざまでしょう。
怒らせた側の男性が「勝手にどうぞ」と突き放せるなら良いです。
ただ、たいていの男性はこの状況が、そうとう厳しい。
仕事をしていても「あー、怒らせちゃったな」とか、「どうやって謝ろうか」など考える。
本業に影響もでます。
帰宅しても針のむしろというか、居心地が悪い。
これが重なると、できるだけ家にいたくない気持ちが勝り、会社終了後に家に直帰しない原因に発展します。
考えると、夫婦喧嘩中は四六時中、心が休まる時がない。
コレが「人生の大きな損失」と、僕はある時気づきました。
時間が人生で最重要項目で、起きている時間のうち、不快な時間が増える。
「活きる時間」とは逆の状況で、楽しくない。
夫婦間マネージ(メンテナンス)は、良い時間を過ごすための最優先項目です。
パートナーをないがしろにして、子どもにとって良い環境になるとは思えず、熟年離婚にリーチしても後の祭り。
夫婦間の関係性維持のために、組織マネージスキルが、一部使えますがズレている部分もあります。
「うん、そうだよね」「大変だね」「いつも、ありがとう」などの奥様の心に寄り添う姿勢が、効果的。
このあたりの共感姿勢は会社組織でも使えそうですが、会社はその先の現実的な果実収穫がなければ意味がありません。
さいごに
女性の怒りはポイントスタンプ形式とどこかで読みました。
小さなことが貯まって、どこかで爆発する。
爆発するのは小さなネタだが、それまでの蓄積で爆風は大きい。
一般論の男性目線でいうと、起爆した内容がたいしたことがないと思い、何でそんなに怒るのといぶかる。
話を聞くと、古い失敗が出てきて、そんな古いことを言われても、となる。
この話、実際、僕の身の回りの女性に、Yesとうなずく人が多かった。
怒りをため込まない環境を作るのか、小さくリカバリを積み重ねるのか、別の何かなのか。
1本数百円の「季節の花」を季節ごとに買って帰るのは、1つの魅力的な方法です。