この文章のトピックスは以下です。
・カレールゥ購入金額はここ四半世紀で-16.3%
・カレールゥ購入量はここ四半世紀で-37.3%
・カレールゥ価格はここ四半世紀で+33.6%
・カレールゥは春に購入量が多く秋が少ない
・世帯年収が高い層および、中年層の家庭で良く消費されている
・好きなカレーの1位はビーフカレー
・国内の地域性として北海道は魚介など各地の特徴がある
・世界各国でもカレーは食べられており各国の特徴がある
カレールゥ消費量は四半世紀で減少し続けている
出典:家計調査(総務省)
上記はカレールゥの購入金額と購入量、2人以上世帯の情報です。
総論、どちらも微減を続けています。
購入金額は2001年1,683円、2023年1,408円、前後比-275円(83.7%)です。
購入量(g)は2001年1,942g、2023年1,217g、前後比-725g(62.7%)です。
出典:家計調査(総務省)
上記はカレールゥの100g当たりの価格、2人以上世帯情報です。
購入金額は2001年86.68円、2023年115.77円、前後比+29.09円(133.6%)です。
緩やかに右肩上がり、直近の2023年は物価上昇率が高いのもあり、価格上昇率が高くなっています。
カレールゥは春によく購入されている
出典:家計調査(総務省)
上記はカレールゥ、月別購入量(g) 2023年の情報です。
一番購入量が高いのは3月、一番低いのは8月。
四季でいうと春がピークで、秋がボトムのなだらかな波の推移です。
出典:家計調査(総務省)
上記はカレールゥ、世帯年収別の購入量(g) 2023年の情報です。
カレールゥを購入する量は、世帯年収が高いほど多い。
333万円以下世帯と864万円以上世帯を比べると、ちょうど1.3倍の差になっています。
出典:家計調査(総務省)
上記はカレールゥ、世帯主年齢別の購入量(g) 2023年の情報です。
1位は40~49歳、この年齢層で子どもがいるなら食べ盛り年齢で、大盛カレーをおかわりしている姿が想像できます。
出典:家計調査(総務省)
上記はカレールゥ、市別の購入量(g) 2023年の情報です。
1位は盛岡市で東北地方は購入量が多い市が並んでいます。
中国地方と四国地方も、平均を超える市が見られます。
関東近郊は平均より大きく下回っている市が多い。
好きなカレーはビーフカレーでトッピングはカツ
出典:みんな大好きカレーランキング!(docomo)
上記はカレーが食べたくなる季節の情報です。
1位は「季節に関係なく食べたくなった時」49.4%で、日本では国民食に当たるカレーは特に季節を問わないといえます。
四季の中では「夏」が3位なので、あえてカレーの季節を上げるなら夏と言えます。
出典:みんな大好きカレーランキング!(docomo)
上記は好きなカレーの種類です。
1位は「ビーフカレー」65.4%で約2/3で、一般的にビーフカレーは関西以西で食べられることが多いメニューです。
3位「カツカレー」51.6%は、どの地方でもトッピング上位になるメニューです。
出典:みんな大好きカレーランキング!(docomo)
上記はカレーを何とあわせて食べるかの情報です。
1位「ライス」94.9%は日本では王道、2位「うどん」29.8%も定番です。
3位「ナン」28.7%ですが、以前はカレー専門店消費が主流でしたが、いまスーパーなどで普通にナンが入手できます。
出典:みんな大好きカレーランキング!(docomo)
上記はカレーのトッピングで好きなものです。
1位「福神漬け」63.8%、3位「らっきょう」34.8%は、薬味的な役割で定番。
2位「とんかつ」41.3%、4位「チキンカツ」27.4%と大物系トッピングとしてカツ系が上位です。
日本も世界も特徴的なカレーがある
地域名 | 特徴 |
北海道エリア | 具材に魚介を使う率No.1 |
東北エリア | 薬味に福神漬けを選ぶ率No.1 |
東京エリア | トッピングにゆで卵を選ぶ率No.1 |
東海・北陸エリア | 具材にぶなしめじを使う率No.1 |
関西エリア | お肉に牛肉を使う率No.1 |
中四国エリア | 同じ銘柄で複数の辛さをブレンドする率No.1 |
九州エリア | トッピングにチーズを選ぶ率No.1 |
出典:地域によってこんなに違う!2020年度版「日本全国カレー白書」(ハウス食品)
上記は日本国内の地域別のカレーの特徴です。
北海道エリアの具材「魚介」は、海鮮が豊富という地域性がでていますし、スープカレーに魚介がマッチします。
東京エリアではトッピングに「ゆで卵」を選ぶ率No.1ですが、僕は地方出身の東京在住者ですが知りませんでした。
関西エリアはやはり「牛肉」を使う率No.1で、東京でカレーがポークカレーで東西の違いが出ます。
東海・北陸エリアの具材「ぶなしめじ」を使う率No.1は信州がキノコ栽培が盛んなためと思いつきますが、九州エリアのトッピングにチーズを選ぶ率No.1がなぜなのか理由は分かりません。
国名 | 特徴 |
インド | カレー発祥の地。 スパイス料理全般をカレーと呼ぶ。 インド伝統医学アーユルヴェーダのスパイスの効能を活かした「病気は台所で治す(医食同源)」という理念がある。 宗教的に牛肉や豚肉は食べない。 |
スリランカ | フレッシュなハーブとココナッツミルクを多用。 沿岸部では「モルディブフィッシュ」というかつお節によく似た魚のだしもポピュラー。 サンバルというスパイスの付け合せと食べる米粉とココナッツミルクのパンケーキ「ホッパー」や、骨付き肉を使った「チキンカレー」、タミル系は魚の頭やエビなどを使ったスリランカ版カレー風味のブイヤベース「クール」、バーガー系はカレー風味の丸いコロッケ「カトレット」など。 |
パキスタン | 食事には肉を多用しますが、イスラム教の教義により豚肉が食材に使われることはなく、鶏肉や羊肉、牛肉が主流。 特に、肉の臭みを消すのにクミンやコリアンダーシードなどのスパイスが一役買っている、こってりとした「カラヒ・ゴシュト(汁気のないマトンカレー)」が美味です。パキスタンはまたインドとともに、ムスリムの食べ物である、肉や野菜、スパイスの炊き込みごはん「ビリヤニ」が人気で、 鶏肉または羊肉などを使った具だくさんなシンディービリヤニ(シンドのビリヤニ)が有名。 |
タイ | ハーブや発酵調味料などを多用したまったく独自のその味わい。 辛さやマイルドさ、コク味が複雑に絡み合う「ゲーン」と呼ばれる汁カレーは、まさにタイ料理の傑作。 ハーブの調合によって「グリーンカレー」「レッドカレー」などとも呼ばれます。 「マッサマンカレー」はアメリカのCNNインターナショナルのCNNGoにより「世界一おいしい料理」に選ばれました。 |
ドイツ | ドイツのカレー料理でもっとも有名なものといえば、ベルリン名物で、2009年には博物館まで建てられた「カリーヴルスト(カレーソーセージ)」。 ブラートヴルストという豚肉や仔牛肉を混ぜたソーセージをゆでて(もしくは焼いて)、スパイスを加えたケチャップ(またはトマトソース)をかけ、さらにターメリック、クミンなどを主原料としたカレー粉をトッピングしたファストフードで、ソーセージが1本そのまま出されることもあれば、食べやすくカットしてからソースをからめて供されることもあるほか、スタイルはいろいろ。付けあわせには、フライドポテトやザワークラウトがポピュラーです。 |
イギリス | 小麦粉でルウを作ったり、ヒンドゥー教徒にとって禁忌である牛肉を使ったりと、インド本国のカレーとはかなりかけ離れています。 しかしながら、手間暇かけてシチューのようによく煮込んだコク味のある味わいは、また別の魅力を放っていました。 イギリスのカレーが、現在の日本のカレーの礎。 |
出典:世界のカレー(S&B)
上記は世界のカレーの特徴です。
カレーとひとくくりにして良いのかそもそも論が出そうなくらい、カレーはバリエーションが豊富です。
宗教上の理由で食べられない食材があったり、その地域でよく採れる食材を使う事で地域性が出る。
日本のカレーはイギリス系の系譜ですが、ココイチがイギリスに出店するなどの逆ルートもある。
料理でナンバー1を決めると言ってもどの程度の納得感があるかは分かりませんが、上表にありますが「マッサマンカレー」は世界1位に選ばれています。
1位「マッサマンカレー」がインドカレーではなく、タイのカレーというのもなかなか興味深い。
僕は上記の記事を知って、ある時、東京のあるお店で「マッサマンカレー」を食べました。
個人的には「あー、これは本当に美味しい。これが世界一の料理と言うなら納得。」と思いました。
さいごに
昭和時代のテレビCMで「おせちもいいけどカレーもね」のキャッチコピーがありました。
テンポの良く、耳ざわりの良いフレーズで、今でも記憶に焼き付いています。
手の込んだ正月料理を食べ、目先を大きく変えるためにカレーを食べませんかの提案。
少なくとも僕にとっては、正月明けに「今晩はカレーもありだな」と人を動かすCMでした。
このフレーズ、名作コピー「そうだ、京都 行こう」に近いものを感じます。