日本が衰退していると考える人は2025年時点で70%、明るい未来が思い描けないムードのまん延

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・2025年に自国は衰退していると考える人は7割
・自国は衰退していると考えるに人はここ10年で3割増加
・衰退していると感じる人が増えたのは2016年から2021の+22%
・2000年以降の日本のGDP成長率はアメリカやOECD平均に比べ低い
・日本の人口は減少期
・日本人のみの人口減少率は日本総人口減少率より高い
・労働人口は2025年が一番多く7001万人

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日本が衰退していると感じる人は年々増えている

自国は衰退しているか
出典:ポピュリズムレポート2025(イプソス)

上記は自国(日本)が衰退しているか、どう感じるかの2025年の回答結果です。
「衰退している(同意する)」は70%で、7割が日本は衰退していると回答しています。
「どちらともいえない」と「衰退している(同意する)」を足すと89%です。

自国は衰退していると考える人の推移
出典:ポピュリズムレポート2025(イプソス)

上記は10年間の日本が「衰退している(同意する)」と感じる人の割合推移です。
2016年40%、2025年70%で、この10年で30%が衰退していると感じる人が増えています。
一番増加率が高かったのは2016年40%から2021年の62%になった部分です。

自国は衰退していると考える割合 世界TOP10
出典:ポピュリズムレポート2025(イプソス)

上記は自国は衰退していると考える割合、世界TOP10です。
日本は3位で上位に位置していると言えます。
日本より上にフランスとトルコがきています。

GDP成長率は日本は他の先進国に比べ低成長

衰退しているかを測る指標の1つとして、GDP成長率を見ます。

GPD成長率 日本のみ
出典:経済に関するデータ(世界銀行)

上記は日本のGDP成長率です。
この期間の中では第2次経済成長の時に当たる1972年8.4%。
一番低成長だったのは2009年-5.7、その次に低成長だったのは2020年-4.1。

GPD成長率 日本、アメリカ、OECD加盟国
出典:経済に関するデータ(世界銀行)

上記は日本とアメリカ、OECD加盟国のGDP成長率です。
バブル経済崩壊以降の1990年以降は、2010年を除いて日本はアメリカとOECD成長率に負けています。
2000年以降のGDP成長率平均は日本0.7%、アメリカ2.2%、OECD平均1.9%です。

 

日本の労働人口は最新年が最も多い

衰退しているかと考えるうえで、総人口がどうなっているかを見ます。

日本の総人口
出典:人口推計(総務省統計局)

上記は日本の総人口推移です。
日本の総人口は2008年128,084千人がピークでそれ以降は下がっています。
2024年123,802千人で、2008年に比べ-4282千人(97%)になっています。

日本人のみの総人口
出典:人口推計(総務省統計局)

上記は日本人のみの総人口です。
日本のみ人口のピークは2007年126,347千人でそれ以降は下がっています。
2025年120,149千人で、2007年に比べ-6,198千人(95.1%)になっています。

日本の労働力人口
出典:労働力調査(総務省統計局)

上記は日本の労働人口推移です。
労働人口のピークは最新年の2025年7001万人です。
近年、夫婦のいる世帯全体の共働き率は約7割(令和4年版 厚生労働白書)で、この割合は年々上がっています。
労働人口は増え続けています。

日本の未来が明るいと感じる要素は少ない

この文章の最小のグラフ「日本が衰退していると感じる人は7割に増えた」というニュースを読み、この文章を書こうと考えました。
このアンケートは主観的なものですが、客観データとしてもGDP成長率では他国に比べ日本は低成長で、経済を見るなら存在感が薄れています。

他にも人口は減少期で高齢化が進んでおり、社会保障費は膨らんでいる。
一般会計税収の推移は増加していますが、支出に追いついておらず、普通国債残高は増え続けています。

日本でこの先大きな歳出として思いつくのは、インフラの老朽化が思いつきます。
道路を取ってみても、東京はきれいな道が多いですが、地方を走るとアスファルトはデコボコ。
橋の劣化や水道管の老朽化ニュースを見ても、莫大なメンテナンス費用が想像できます。

未来投資面として、教育投資支出割合で日本はOECD加盟国中で最低水準です。
その結果と言い切れるわけではありませんが、日本の科学論文数順位は下がっています。

若者心理として、政治への関心度の低さは明るい未来を描けていない裏返しと言えます。
金銭面で、物価は上昇しつづけており、実質賃金の伸びは追いついていない。
賃金が低いため結婚をあきらめる人が増えているニュースが本当であれば、結婚する人たちは一定数出生している事実から、少子化は進行していく。
結果、人口減少となり国が縮退していく。

明るいニュースとしては、2024年の日経平均株価が史上最高値であった点や、一部としても春闘賃上げ率もバブル期以来の水準に達しており、2025年現在はデフレからの脱却が進行中となっている。
他にはインバウンド需要の増加はあり、日本経済へプラス影響は上げられます。

これらを並べてみて、日本経済が衰退しているか・いないかと質問されたら、僕は「衰退している」に一票入れます。
昭和期の人口ボーナス期に比べて、令和の人口オーナス期の現在、さまざまな面で衰退していると感じており、未来に明るい展望が描ける要素が少ない。
身の回り観測でしかなく一般論ではありませんが、将来の不安はいろいろな場所で見聞きします。

ただ、これは日本に限ったお話ではなく、先進国の中でアメリカを除けば、どこも抱えている問題でもある。
それぞれの国で課題は違う点もあり、少子化はどの国も抱えている問題です。

社会全体が暗い未来を描く人が多ければ、その雰囲気に流される人が増える。
人間心理は、プラスのお話よりマイナス話題が心に残りやすく、不安が増幅されていく。
厳しい未来が待っていると仮定して、どうやってサバイブしていくのか。
無力感からは何も生まれることはなく、微力であっても歩き続けていくかどうかだと感じます。

さいごに

僕の知り合いにイギリス人と日本人のご夫婦がおり、そのご家庭のお子さんは二重国籍です。
いまのルールに則ると、そのお子さんは20歳の時にどちらかの国籍を選択することになります。
その時にどちらの国籍を選択するのか。
住み慣れた日本を選択するか、他にも判断軸はたくさんありそうですが、それは日本の将来を測られるタイミングだとも感じます。