いまの子育て時の就業環境、出産後の社会環境が良くなっているか微妙

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統計データ

お金がないので子どもを持つのをあきらめる、というニュースを見ます。
実際に子どもがいない妻の、子どもを持つ意思はどうなのか。
主産後に母親の就業状況はどうなのか。
少しづつ社会が子育て目線になっていると感じますが、まだまだのような気もします。

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第1子と第2子数を持ちたいと思う人は増えている


出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)

子どもを持っていない人の、就業状況別の子どもを持ちたいかというグラフが上記。
[正規の職員]は横ばい、[パート・派遣]は子どもを持ちたい意思の方が増えています。
逆に[無職・学生]が減っています。
子どもを育て上げるにはお金がかかる、というまっとうな考えの裏返し結果とも取れます。


出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)

このグラフでは、子どもの追加予定があるかというもの。
[正規の職員][パート・派遣]は増えています。
第1子を持つ意思の1つ前のグラフの結果と同様、[無職・学生]が減っています。
第2子以降を希望するにあたり、経済的に安定している層が増えています。

出産後の育休利用率が上がっている

第1子、第2子、第3子とそれぞれの、出産後の妻の就業状況の変化が以下です。


出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)

第1子~第3子、すべてのグラフで言えますが、育児休業利用が増えています。
一番、割合減少しているのが、[妊娠前から無職]という分類。

もう1点、第1子グラフで[出産後に退職]という層が、近年になるにつれ増加しています。
日本では女性の就業率が、20代後半~30台中盤まで、下がるバスタブ型。
いったん、職場を離れ、子育てが一段落したら、再度働く人が多い社会。
コレが本人意思であれば良いですが、意思とは反してそうせざるをえないというのあれば社会の問題です。

無職の妻は働きたい人が大半だが正規雇用を望んでいない


出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)

大半の方は、働きたいという意思があるようです。
[すぐに働きたい]が一番伸びています。
やはり昨今の若年層の所得状況や、先を見据えて考える人が増えた、などが理由でしょう。

もう1つ伸びているのが[今後も仕事をするつもりはない]も増えています
しかも相当の伸び率です。
理由や状況がわかりませんが、経済状態が安定している一部の層だけでは説明がつかない増加だと感じます。


出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)

復帰後の希望従業員上の地位ですが、[パート・アルバイト]などが圧倒的で9割弱。
[正規の職員]希望が8%という結果です。
本人意思で[正規の職員]になりたくない、という結果であればよいですが、「多分難しいだろう」というあきらめでないか心配です。


出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)

当たり前ですが、就業理由は経済的理由が半数。
子育てにお金がかかるというのは、現代では一般認識。
男性側の収入増加や、就業安定も不安定な状況も普通の感覚。


出典:第15 回出生動向基本調査(厚生労働省)

子どもから見て祖母から子育ての手助けを受けたか、というグラフが上記。
[夫婦どちらかの祖母手助けアリ]が増加しています。
逆に、夫方・妻方からのサポートは減っています。
都市部への人口集中、核家族化が進行しているのですが、祖父母と近居というのもよく聞く話です。

子育てと仕事の両立が大変という理由で離職


出典:2018年 25~44歳の子育てと仕事の両立(明治安田生活福祉研究所)

第1子出産を機に仕事を辞めた理由Top5が上記です。
1位~3位は状況からの理由なので納得できます。
4位と5位が、制度上・仕組みの問題なので、社会として改善する内容だと感じました。


出典:2018年 25~44歳の子育てと仕事の両立(明治安田生活福祉研究所)

最後に、出産後の復帰後のポストについての情報が上記です。
一番多いのが[全く同じだった]というn=505。
いまの時代、出産で立場が悪くなるというのは、相当たたかれます。
時代の流れの一つと感じます。

さいごに

僕も身の回りで、出産後の同僚ママさんたちが、一定数いました。
彼女達の進路は、少ないサンプル数ですが、復帰と退職が半々ぐらい。

その中でも退職を選んだママさん達の理由は共通したものでした。
「子どもとの時間を大切にしたい」
その言葉が本心なのか、波風を立てたくないというかはわかりません。
ただこの言葉をそのまま受け止めるのであれば、子どもへの想いを感じます。

この「子どもとの時間を大切にしたい」を聞くと、時代の変化を感じます。
昭和時代と平成末期では、子どもへの向き合い方に差があります。
昭和時代は生活することが優先という時代、単純に昭和世代の子育てが間違っているという話ではありません。
現代が少子化環境で、子どもにかける想いが濃密、という言葉が近いのかもしれません。

また「明治安田生活福祉研究所」に、ママさん側の不満点として以下があります。

夫の家事・子育て分担割合に、夫婦間で認識ギャップあり
夫婦ともに正社員の共働き世帯…家事・子育て分担割合は、
夫の言い分=3.4割(家事・子育てをやっているつもり)
妻の認識=2.5割(しか家事・子育てをしていない)

出典:2018年 25~44歳の子育てと仕事の両立(明治安田生活福祉研究所)

各ご家庭で割合は違うと思いますが、かなりのママさんが同意すると想像します。
個人的に、日本の男性陣の家事・育児能力は、身の回り観測でも低いと感じます。

その理由の一つとして、昭和時代の母親の献身があると思っています。
昭和時代の父親は、いま考えても「ごくつぶし」、現代なら一瞬で離婚でしょう。
そのころの母親の献身と父親のダメさを見て育った最後の世代が今のパパ達。

自分の母親がやれていたので、自分の妻もやって当たり前、という甘さ。
ただこういう人は「淘汰」されるでしょうし、家事育児に参加するパパは増えているとも感じています。
いまの子ども達が大人になるころ、男性が家事全般をやっているのは当たり前となっていると予想しています。

僕は独身時代、結構な期間、一人暮らしをしました。
一人暮らし前の実家住まいの時は、家事全般はほぼ親任せのダメ男でした。
その後、一人暮らしをするようになり、必要に迫られ家事をするようになりました。
そして家事炊事をしばらくやったところ「こうした方が良いのでは」という工夫の楽しさに目覚めました。

体感的にも世の中の男性が、一人でたいていの家事や炊事ができると思っていません。
授乳などの特別なことを除いて、奥様のタスクを完全にこなせる人はごく少数でしょう。
それでも家事全般を経験している一部の男性もいますし、未経験でも向いているという男性もいます。

イロイロな状況や相性はありますが、一人暮らし経験男性というのは、育児の時に戦力として数えやすいと、いまは思います。