この文章のトピックスは以下です。
・小学生が長期休みに行きたい場所1位は季節に関わらず「遊園地・テーマパーク」
・春休みに行きたい場所は「アウトドア系」が上位に入る
・夏休みに行きたい場所は「プール」「海水浴」「花火」など夏のイベント
・冬休みに行きたい場所は「スキー・スノボ」「イルミネーション」
・小学生でも「温泉」は行きたい目的地上位に入る
春休みはアウトドアが人気
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生全体について、学校の春休みに行きたいところ上位10位の結果です。
この後のすべての回答で1位は「遊園地・テーマパーク」で、もちろんこの回答でも希望行先1位で60.1%がそう回答しています。
2位「動物園・水族館」30.9%、3位「温泉」15.7%、4位「アスレチック」12.3%、5位「キャンプ・バーベキュー」10.2%。
春休み特徴として、気候が温暖なのが影響しているのか「アスレチック」「キャンプ・バーベキュー」が上位に入っています。
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生男女別、学校の春休みに行きたいところ上位10位の結果です。
1位「遊園地・テーマパーク」をみると、女子64.8%で男子55.3%と女子が10%弱上回っているのを含め、総じて女子が男子を上回っています。
男子が女子を上回っているのは4位「アスレチック」、5位「キャンプ・バーベキュー」、8位「釣り」です。
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生学年別、学校の春休みに行きたいところ上位10位の結果です。
学年が上がる毎に増えているのは3位「温泉」、7位「ショッピングスポット」。
学年が上がる毎に減っているのは2位「動物園・水族館」、4位「アスレチック」。
夏休みは水にまつわるイベントが人気
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生全体について、学校の夏休みに行きたいところ上位10位の結果です。
夏らしく2位「プール」38.2%、4位「海水浴」25.7%、5位「花火」24.9%が入ってきています。
春休みの上位10位に入っていて夏休みに11位以上になったのは「釣り」と「登山・ハイキング」です。
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生男女別、学校の夏休みに行きたいところ上位10位の結果です。
春休みと傾向は大きく変わらっておらず、外遊びは男子、それ以外は女子が優位。
2位「プール」は女子の方が高い結果です。
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生学年別、学校の夏休みに行きたいところ上位10位の結果です。
学年が上がる毎に増えているのは7位「温泉」、10位「ショッピングスポット」。
学年が上がる毎に減っているのは2位「プール」、3位「動物園・水族館」、4位「海水浴」、5位「花火」。
冬休みは雪山が希望目的地に入る
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生全体について、学校の冬休みに行きたいところ上位10位の結果です。
冬らしく4位「スキー・スノボ」12.3%、5位「イルミネーション」11.8%。
「温泉」は春休み同様3位(23.3%)に入っており、冬から春にかけての寒い季節に人気があります。
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生男女別、学校の冬休みに行きたいところ上位10位の結果です。
春休み夏休みと傾向は大きく変わらず、6位「博物館・美術館」、7位「アスレチック」は男子が少し女子を上回っていますが総じて女子の割合が高い。
冬休みですが「プール」は10位に入っています。
出典:小学生白書(学研)
上記は小学生学年別、学校の冬休みに行きたいところ上位10位の結果です。
学年が上がる毎に増えているのは3位「温泉」、8位「ショッピングスポット」。
学年が上がる毎に減っているのは1位「遊園地・テーマパーク」、2位「動物園・水族館」。
体験知の重要性
小学生の子どもがいるご家庭で、長期休暇にどこに行くか決める要素は多数あります。
・いつでも人気のメジャーなテーマパーク
・子どもの興味がある分野、好きなキャラクターや天体観測など
・期間限定イベント、2025年であれば万博、季節なら花火やイルミネーション
・親が子どもに自然体験させる登山やキャンプ
・文科系施設に足を運ぶ
・季節ものの大型プールやスキー・スノボ
・親がゆっくりしたい希望も加味して温泉
家庭の経済状況や、親の休み取得可否によっても行先は絞られます。
以前、このブログで書きましたが、帰省も長期休暇の行き先として有力です。
帰省は祖父母に孫を合わせるとともに、それなりの移動となるなら旅行になる。
費用が抑えられるのも、帰省のメリットの1つです。
ここまでは何を体験するか、選択できる状況にあるご家庭のお話です。
以下の本では体験ができない子の状況や懸念点について記載されています。
・低所得家庭の子どもの約3人に1人が「学校外体験ゼロ」
・高所得者層の子どもはとくに有料イベントの体験率が高い
・都市部の方が地方部より体験金額に多く出費している
・諸外国に比べ日本は体験を重要視していない
・親の体験経験なしが子どもの体験させないにつながる
・シングルマザーのご家庭など費用が出せない、送り迎えができないなど親の状況で子どもが習い事などができない
・子どもが家庭の経済事情をくみ取り本当はやりたいことを言い出さない
・親は子どもに経験させてあげられないと申し訳なく思っている
本文中、シングルマザーで毎日自転車操業のように動き続けている方のお話が出てきます。
その状況下でもできるだけ子どもには体験させたいので、近くの公民館の無料イベントや安い費用で参加できるイベントに参加しようとするが、人気イベントはすぐに募集枠が埋まってしまう。
スマホはあるので情報にアクセスできるが、情報精査する時間やエネルギーが足りない。
これには参加したかったと思っても後の祭りで、子どももだんだんと閉じていってしまう。
この例もそうですが、これまで大規模データ収集をしたことがなく、全国に広げて情報収集したら(やはり)大きな体験格差があったという内容の本です。
僕はいま、東京在住で身の回り観測からそう感じていますが、近所の公園や区民館を除けばたしかに何をするにもお金を出して体験させる時代です。
自分が地方で育ちで習い事はそろばんのみ、あとは野山を駆け巡っていたことを考えると隔世の感があります。
いまの子どもは複数の習い事は普通で、子ども向けのキャンプやスキー合宿は瞬時に予約が埋まります。
やることが増えて子どもたちの自由時間が少ないのも、現代の子どもの象徴している1面です。
他方、この本の中の登場人物たちのように体験できない子が増えているのも、実際のデータが物語っている。
「格差の固定化をなくす」と政治家の口から出てきますが、言葉としては現状を正しく説明しています。
経験できる子はたくさんの有料経験や私立学校を出てそれなりの企業に就職し、平均以上の所得を得て、親になり子どもにお金を使う。
これが繰り返されれば、格差が固定化されるのはオーソドックスルートです。
体験ができない子に対し、税金投入して体験させる対策案がこの本には書かれていました。
効果的な施策ですが、日本では子どもの体験が重要と考える人は少ない、とこの本の中で反論もされている。
思うに「子どもは外で勝手に遊ばせておけば良い」と一昔前のOS(思考)のままの人がいるのが透けて見えます。
わが子になるべく良い環境を作りたいと考えるのは、僕を含む全親が持っているエゴだと僕は考えています。
しかし格差を許容するかは別問題で、許容するなら自分や自分の子どもが抜け出しにくい厳しい側になる覚悟は必要です。
いま、たまたま子どもに一定の環境を与えられているとしても、未来はどんどん読めなくなっている。
本文中に貧困家庭の子どもがサッカーをやりたいと泣きながら親に相談する場面がありますが、子どもを持つ親として胸が詰まります。
この本内の最後の締めの言葉「すべて子どもにとって「体験」は必需品であり、贅沢品ではない」は、自分がそれなりに経験させてもらった側として同意です。
さいごに
僕は子どもを持って知ったことの1つに、長期休暇時には宿の予約争奪戦があります。
いま、長期休みの週末や金曜日、第1希望の宿を確保しようとするなら1か月前では予約が取れません。
その信憑性はともかく、ホテルなど評価が普通に旅行サイトで表示され、人気の宿から順番に予約は埋まっていきます。
結果、僕は最低2か月前、できれば3か月前に、家族で行先を決めるようになりました。