みそ消費量は減少し続けている、味噌汁は代表的なおふくろの味

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・みそ全体の出荷量は四半世紀で-26.7%
・みそ種別で見ると米みそが一番出荷量が多く、減少幅も小さい
・みその価格は上昇を続けている
・みそは夏場が消費量が少なくなる
・みそは高齢者が多く購入している
・みそ容器別出荷量では2019年までは小袋が1位、2020年からカップが1位
・みそ出荷量のうち5.4%が海外向け

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みそ全体の出荷量は四半世紀で3/4

みそ出荷数量
出典:みその統計(全国味噌工業協同組合連合会)

上記は全国味噌工業協同組合連合会の情報、みそ出荷量です。
傾向は減少し続けており2000年504,465トン、2023年369,538トン、前後比-26.7%。
約四半世紀で約3/4になっています。

みそ種類別出荷数量
出典:みその統計(全国味噌工業協同組合連合会)

上記はみそ種類別の出荷数量です。
米みそは2000年394,588トン、2023年303,446トン、前後比-23.1%。
麦みそは2000年32,787トン、2023年13,489トン、前後比-58.9%。
豆みそは2000年25,985トン、2023年16,957トン、前後比-34.7%。
調合みそは2000年51,105トン、2023年35,646トン、前後比-30.2%。
米みそが出荷量が1桁大きく、減少幅が一番小さい結果です。

みそ 100g当たり価格
出典:家計調査(総務省)

上記はみそ100gあたりの価格推移です。
2001年37.75円、2023年47.43円、前後比+25.6%です
流れとして、ゆるやかに価格上昇しています。

みそは年齢別にみると高齢者が購入している

みそ 月別購入量(g) 2023年
出典:家計調査(総務省)

上記はみその月別購入量、2023年の情報です。
夏場が谷になっており12月と春が消費量が多い。

みそ 世帯年収別購入量(g) 2023年
出典:家計調査(総務省)

上記はみその世帯年収別購入量、2023年の情報です。
最もみそを購入しない層はこの情報内の真ん中、470~639万円未満。
真ん中以外の前後を比較すると、高所得世帯側がみそ購入量は少ない。

みそ 世帯主年齢別 購入量(g) 2023年
出典:家計調査(総務省)

上記はみその世帯主年齢別購入量、2023年の情報です。
この情報はかなり特徴が出ていて、高齢世帯ほどみそ購入量は高くなっています。
最下位の29歳以下と、最上位の70歳以上を比べるとその差は2.5倍です。

みそ 都道府県庁所在市別 購入量(g) 2023年
出典:家計調査(総務省)

上記はみその都道府県庁所在市別購入量、2023年の情報です。
1位は長野市6650g、最下位は和歌山市2867gで、その差は2倍以上です。
他に、東北地方や九州地方がみそ購入量が多い。

みそ出荷量のうち5.4%が輸出

みその容器別出荷数量出荷数量
出典:みその統計(全国味噌工業協同組合連合会)

上記は容器別のみそ出荷量推移です。
2019年までは小袋が1位、2020年からカップが1位に入れ替わっています。
他にカップのみ、推移では減少ではなく微増。
米みそは2000年134,938トン、2023年137,277トン、前後比+1.7%。

みそ輸出実績
出典:みその統計(全国味噌工業協同組合連合会)

上記はみその輸出実績です。
数量は2020年と2023年は少し下がっていますが、全体的には右肩上がり。
数量は1977年1,012トン、2023年20,298トン、約20倍。
金額は1977年2.6億円、2023年50.6億円、こちらも約20倍。
2023年のみそ出荷量のうち5.4%が海外向けになっています。

日本人にとってみそは温かい味

少し前にネットで、カップ焼きそばの地方性についての記事がありました。
東日本はペヤングソース焼きそば、西日本はUFO、東北地方はバゴーンなど。
その記事に対し子どものころから食べているカップ焼きそばが一番のような、各地方のカップ焼きそばに対する思い入れコメントが集まっていました。
みそも地方色がたくさんあり、和食で育った人は幼いころからのなじみのみそがあります。

▼麹による分類
米味噌: 原料は大豆に米麹。全国各地で生産されており、甘口から辛口まで幅広い味わい。
麦味噌: 原料は大豆に麦麹。主に九州、四国、中国地方で生産され、独特の甘みが特徴。
豆味噌: 原料は大豆のみを主原料、米麹や麦麹を使わない。東海地方が主な産地で、濃厚なうま味が特徴。
調合味噌: 米味噌、麦味噌、豆味噌を混合したもの。マイルドな味わいが特徴で、料理に応じて味を調整しやすい。

▼味による分類
甘口味噌: 麹割合が多く、塩分が少なく、マイルドな味わい。
辛口味噌: 塩分が多く、力強い味わい。

▼色による分類
白味噌: 熟成期間が短く、色が淡い。甘口が多い。
淡色味噌: 白味噌と赤味噌の中間色、さっぱり味。
赤味噌: 熟成期間が長く色が濃い。濃厚な味わい。

▼地域による分類
信州味噌: 長野県で生産される米味噌。淡色でさっぱりとした味わい。
仙台味噌: 宮城県で生産される米味噌。濃厚な味わいと強い香り。
八丁味噌: 愛知県で生産される豆味噌。濃厚なうま味。
関西白味噌: 近畿地方で生産される白味噌。甘口でマイルドな味わい。

結婚したときどんなみそを使うのか、夫婦のそれぞれの故郷のみその味に大きな差があれば、場合によってはひと悶着ネタです。
例えば、両者のなじみのみそが赤みそと白みそだとするなら、どちらかに寄せるのか交互にするのか合わせみそになるのか。

ただ、ふと思い起こしてみると、僕はいままで食べたみその中で「これは口に合わない」と思ったものはありません。
白みそ・赤みそ・混合、地域特産みそもどれも、僕はおいしいと感じています。
みそは懐の深い調味料で、一汁一菜的思考として豚汁のように具沢山にすれば立派なメインディッシュもはれる。
日本人にとってみそは身近で、温かい思い出もついてくるものです。

僕は地方出身でいまは東京に住んでいます。
たまに実家に帰省したときや、東京で故郷のみそが出てくると、頭の中で「あー、この味だ」と思っています。
ただこれは味噌汁を飲んで育った人であれば誰もが自分の故郷の味があり、刷り込みで優劣はありません。

一般的に「おふくろの味」という物言いがあります。
みそ(味噌汁)はあまりおふくろの味に選ばれない気もしますが、よく考えるとみそは典型的なおふくろの味に当たります。

さいごに

現代の死亡原因は1位「悪性新生物」2位「心疾患」3位「老衰」4位「脳血管疾患」です。
この中で塩分が2位「心疾患」と4位「脳血管疾患」影響しています。

いまは塩分過多に気をつけて生きる時代です。
みそは塩分が多い調味料であり、医者からは大量摂取は控えるよう指導される調味料です。
それでも自分の故郷のみそ(味噌汁)を食べた時の満足感は、健康とのバランスを気を付けつつ食べる楽しみの1つ。
味噌汁は汁物でもあり、特に寒い冬には体も心も温まります。