水泳人口は減少中、泳げる人も減っている可能性

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・子どもの水泳人口は14年で年1回以上は-0.3%、週1回以上-0.9%
・日本の10代から成人の水泳人口は14年で-860万人減
・泳ぐ人は10代が圧倒的に多い
・男女比では青年期は男性、それ以外は女性が多い
・地域別にみると沖縄が圧倒的1位
・泳げる人割合は世界で日本は40位

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子どもの水泳人口は14年でほぼ横ばい

年1回以上・週1回以上の「水泳(スイミング)」子ども人口
出典:水泳(スイミング)人口(子ども)(笹川スポーツ財団)

上記は14歳までの子どもが「年1回以上」と「週1回以上」の水泳(スイミング)をするかのデータです。
この期間「年1回以上」水泳する子どもの平均は46.5%、「週1回以上」水泳する子どもは24.0%。
2021年のコロナウイルスまん延時はどちらも下がっています。
ただし、その後「年1回以上」は上向いていますが、「週1回以上」は横ばいになっています。

 

年1回以上の「水泳(スイミング)」子ども実施率 年代別
出典:水泳(スイミング)人口(子ども)(笹川スポーツ財団)

上記は子どもが「年1回以上」の水泳(スイミング)をする子どもの年齢別データです。
13年間の推移で2、2010年と2023年を比べると「4,5歳」-2.7%、「6,7歳」+0.7%、「8,9歳」+8.3%、「10,11歳」-8.1%です。
「6,7歳」と「8,9歳」プラス、「4,5歳」と「10,11歳」はマイナスとなっており、説明がつきにくい動きになっています。

プール参加人口は14年で6割減

プールでの水泳参加人口
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)

上記は子どもだけではなく大人も含めたプールでの水泳参加人口です。
2010年1400万人、2023年540万人、前後比-860万人(38.6%)です。
14年間でプールで泳ぐ人は6割以上減っています。

プールでの水泳参加率 性別・年代別 2023年
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)

上記は2023年の性別・年代別プールでの水泳参加人口です。
総数としては10代が圧倒的で、20代と30代は女性より男性の参加率が高い。
30代以上は女性が男性を上回っています。

プールでの水泳参加率 居住地域別
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)

上記は2023年の居住地域別プールでの水泳参加人口です。
全国平均は5.5%、頭1つ抜けているのは沖縄11.8%です。
他には比較的人口が多い地域が水泳参加率が高い。

日本は世界でみると泳げる人は40位

世界の泳げる人の割合 2019年
出典:Swimming skills around the world(OECD)

上記は世界各国で泳げる人の割合です。
2019年のデータなので少し古いですが、OECD情報です。
上位に並んでいるのはヨーロッパ系の国々が多い。
日本はこの中で40番目に位置しています。
近隣国の韓国と中国はその下にいます。

国の収入ランク別 泳げる人の割合
出典:Swimming skills around the world(OECD)

上記は国の収入別、泳げる人の割合です。
国の収入が高い(≒先進国)ほど、泳げる人の割合が高い。
1つ上のグラフでも、西ヨーロッパ系諸国が上位にいた説明情報です。

泳げる子は泳げるがその数が減っている可能性

今回、僕が泳げる人がどのくらいいるのか調べようと思ったのは、いまの子どもたちが泳げなくなっているのではないかと思っていたためです。
理由はわが家の子どもの学校でのプール授業について聞いた内容がきっかけで、その頻度の少なさから、泳げない子が多くなっているのではと予想しました。
自分が子どもの頃は夏場、学校の授業でプールは週に1回~2回はあった記憶がありましたが、いまはひと夏で10回あるかないか。

ここには自分が子どもの頃になかった環境要因はあります。
酷暑で熱中症リスク回避のプール中止だったり、頻度が増えている雷が鳴っている時も取りやめたり。
他に昔が異常だっただけですが、昭和時代はスパルタ教育方式で、根性論で泳がされた時代でしたが令和時代には時代錯誤。

「非常に深刻」泳げない子が激増している 老朽化や猛暑でプール授業が減少、水難事故から命を守れるか

あとは上記のニュース通り、施設の老朽化で学校プールを閉鎖して、近隣のスポーツ施設でプール授業になっている要素もあります。
これがプール授業回数減少となっているか分かりませんが、その可能性は感じます。
半面、スポーツクラブ等での授業であれば、泳ぎの専門家レクチャーが受けられそうで、上達は早い気もします。

小学校のプール数減少と機会損失
小学校のプール授業を、民間プールで行う動きが増えている。小学校減少は基本路線として、プール老朽化に対しプール廃止を選択する小学校がいるのがその理由です。たくさんの生徒がいればプール活用頻度も上がりますが、いまの少子化世情ではそれは望めず。採...

わが家の子どもが今年の夏休み明けの始業式の日、友達8人と近隣の公共プールに行っていました。
気になって、泳げない子はいたか聞いたところ「みんな泳げる」と回答が返ってきました。

8人いれば泳げない子がいると予想していたので意外。
追加質問で「参加した友達はスイミングスクールに通っていたか知っている?」と聞きました。
回答はYesで、納得でした。

スイミングスクール経験者は泳げ、そうでない子は泳げない。
学校プール授業の減少で、その差が広がっているのではないか。
今回、いろいろ調べてみて、確証はありませんが泳げない子は増えていると感じました。

泳げなくとも死にはしないので、何ら問題はありません。
それでも泳ぐ行為は、身体的にも精神的にも良いです。

さいごに

クロールや平泳ぎで泳ぎ始める時、開始姿勢が飛び込みなら空中から水中に、開始姿勢がプールの壁際からなら一度潜るような体制をとって壁をけって伸びる。
その時、頭全体が水に入るので、耳が水で閉塞され空気中にいる時とは違った音に変わる。
大げさに言うと異世界に足を踏み入れる感覚で、僕はこの感覚が好きです。

あとは自分の体がスムーズに動いているか、確認しながら何回かストロークする。
その後は身体が自動運転モードになり、たんたんと泳ぎ続ける。
頭もからっぽになり、非日常モードに切り替わります。