この文章のトピックスは以下です。
・ゲーム機とゲームソフトは12月に売上全体の約2割を占める
・ここ数年、日本のゲーム機とゲームソフト市場は下がっている
・ゲーム機所有率は小学生は上昇、中学生は減少
・男性の好きなゲームジャンルはロールプレイング、女性はパズルゲーム
・年齢が上がるとゲームを好きではないと答える人は増えていく
・世界のゲーム市場規模は右肩上がりでこの先も伸びていく
・ゲーム市場を地域別シェアでみるとアジア太平洋が1位
日本では12月がゲームの売上ピーク
出典:家計調査(総務省)
上記は総務省・家計消費支出のうち、ゲーム機・ゲームソフトの2020年から2023年の月別支出金額です。
ゲーム機本体、ゲームソフトともに月別支出1位は12月で19.2%、年間のゲーム関連支出の家約2割が12月です。
12月と言えばクリスマスやサイバーマンデー、社会人ならボーナスがある人もおり冬休み需要も含め、この時期がゲーム売り上げのピークと言われて納得する日本人は多い。
ゲーム会社も12月にタイトルリリースするお話も良く聞きます。
グラフ内灰色線のゲームソフトの他の特徴として、10月が下がっています。
なぜ10月にゲームソフトが買われないのか、ビッグタイトルが発売されないなどの理由があるのか不明です。
グラフ内青色線のゲーム機は11月に12月に次ぐピークとしてあります。
12月に子ども用のクリスマスプレゼントを事前に用意するためか、ブラックフライデーも最近は聞くようになりました。
出典:家計調査(総務省)
上記は1つ上のグラフと同じく家計消費支出データで、月別の金額推移です。
全体傾向として、新しい年に近づくにつれゲーム関連支出は下がっています。
2020年と2023年を比べると、ゲーム機の前後比は55.1%、ゲームソフト等は98.7%で、ゲーム機の支出がより下がっています。
またグラフを眺めると2022年6月に大きな谷があります。
この時期、ゲーム関連が売れない理由があったのか不明で、2022年末に新機種発売などのニュースがあったのかもしれません。
ゲーム機所有率は小学生上昇、中学生減少
出典:教育ネット調査(翔泳社 EdTechZine)
上記は小中学生のゲーム機所有率、2021年から2023年のデータです。
年齢が上がるとゲーム機所有は上昇し、中3で約半数がゲーム機を所有しています。
ただ、2021年と2023年比では、小学生はゲーム機所有率がほぼ同値か上昇していますが、中学生は下がっています。
2021年と2023年を比べると、中1は-5.6%、中2は-8.1%、中3は-10.1%で、直近では中学生のゲーム機所有は減少しています。
出典:教育ネット調査(翔泳社 EdTechZine)
上記は小中学生のスマホ保有率です。
スマホ情報を確認したのは、ゲーム機所有率が下がった理由として、ゲームする時ゲーム専用機ではなくスマホに移った可能性を考えたためです。
現代の子どものスマホ保有の流れは小学生時点から右肩上がりで、中学時点で約8割がスマホ保有しています。
中学1年時点のスマホ保有率の年次推移を見ると、2021年79.2%、2023年82.8%、前後比+3.6%。
ゲーム機保有について中1は2021年56.2%、2023年50.6%、前後比-5.6%。
やはりある程度、子どものゲームする場所がゲーム機ではなくスマホに移った可能性があります。
年齢が高いほどゲームを好きではない人が増える
出典:「好きなゲーム」は?(株式会社日本リサーチセンター)
上記は男性年代別の、好きなゲーム/やってみたいゲーム、複数回答結果です。
男性全年代平均で見てみると、人気1位ロールプレーイングゲーム、2位パズル、3位アクションです。
若年層はまんべんなくどのジャンルもプレーしていますが、高齢層はパズル、ボードゲームあたりが増えているのが年代別特徴です。
出典:「好きなゲーム」は?(株式会社日本リサーチセンター)
上記は女性年代別の、好きなゲーム/やってみたいゲーム、複数回答結果です。
女性の人気ジャンルは男性よりはっきり出ています。
人気1位パズルが圧倒的で、全年代で支持されています。
2位ボードゲーム、3位ロールプレイングゲームです。
男性最下位の音楽ゲームが女性では4位なのも特徴的です。
出典:「好きなゲーム」は?(株式会社日本リサーチセンター)
1つ上のジャンル別人気情報と同じ情報元にあった、年代別のゲームを好きではない割合が上記です。
男女とも年齢が上がる毎にゲームを好きではないと答える人が増え、男女で差はありません。
男女差で唯一あるのは40代で、男性は好きではないと答える人は少なく女性は男性に比べ多い。
若い人にゲーム嫌いな人が少ない点、小さなころからスマホを触っていたデジタル世代がゲームと親和性が高いと言えそうです。
世界的に見るとゲーム市場規模はこの先も増え続ける
出典:米国におけるゲーム市場の動向(日本貿易振興機構(JETRO))
上記は日本貿易振興機構(JETRO)の情報で、世界のゲーム市場規模です。
正直、ここまで伸びるのかと感じる数字ですが、この先もきれいに伸びています。
2019年は1480億$、2030年は5568億$、前後比376.2%と約3.8倍です。
いまゲームは子どもだけではなく大人もプレーします。
お金を持っている大人がゲームするのであれば、市場規模が伸びるのは理解できます。
出典:米国におけるゲーム市場の動向(日本貿易振興機構(JETRO))
上記はゲーム市場の地域別シェアです。
1位はアジア太平洋で46%と全体の約半数を占めています。
2位が北米で、アメリカで大きなゲーム大会が開かれているのは有名です。
国際オリンピック委員会がeスポーツの国際大会を開催する時代です。
この先も、ゲームは年齢性別問わず、全世界で楽しまれるようです。
さいごに
年末が近づくと、子どもを持つ親はクリスマスプレゼントをどうするか検討する時期になります。
子ども側はあれも欲しい、コレも欲しいと物欲全開で、本気で悩んでいる子どもの姿を見ていると自分もそうだったと、人生の振り返りをします。
友達の〇〇君はあのゲームを買ってもらったとか、一緒に遊ぶ子どもたち同士で同じソフトを買って通信で遊ぶのもいまは普通。
ゲームに限らず、人気の商品はクリスマス直前になると売り切れになるものもあります。
これを見越し、親側は12月前後に、子どもの意見を聞いてあらかじめ購入しておく話も身近に聞きます。
それが、クリスマス直前になって「やっぱあれが欲しい」と購入済みの商品変更をオーダーされても変更ができないのは、親側の都合と言えるのか微妙です。