この文章のトピックスは以下です。
・ビデオカメラの普及率ピークは2010年前後
・ビデオカメラ使用(耐用)年数は2024年に伸長
・買い換え理由が「上位品目に買い替え」といういまどき珍しい製品
・男女比では男性、年齢別では中高年層が良くビデオカメラを使っている
・年収が高いほどビデオカメラ普及率は高い
・直近の販売数量は減少、単価は上昇
・いまは掌で包み込む昔からあったタイプのカメラではない製品が上位
ビデオカメラ普及率はピークアウトしている
出典:消費動向調査(内閣府)
上記は100世帯当たりのビデオカメラ保有数です。
1974年7.3台、ピークは2013年45.6台、2024年は34.5台です。
1990年代から大きく増加し、2013年が最大の保有数でそれ以降下がっています。
出典:消費動向調査(内閣府)
上記はビデオカメラ普及率のデータで保有数と同じ流れです。
普及率ピークは2013年で41.5%と、10世帯中約4世帯が保有。
2024年は32.1%で、10世帯中約3世帯が保有しています。
出典:消費動向調査(内閣府)
上記はビデオカメラの平均使用年数です。
2023年までは5年から8年あたりをうろうろしていました。
それが2024年一気に伸び、13.3年となっています。
緩やかに伸びないとおかしいのですが、アンケート結果では2024年に一気に伸びています。
出典:消費動向調査(内閣府)
上記はビデオカメラの買い換え理由推移です。
「故障」による買い換えが上位ですが、2024年は「上位品目」への買い換えが1位になっています。
物価上昇が続いている令和のいま、まだ使えるのに買い換える人が増えています。
中年層で男性がビデオカメラをよく使っている
出典:消費動向調査(内閣府)
上記は男女・年齢別、2024年のビデオカメラ普及率です。
男性27.9%、女性12.0%で、男性がダブルスコア以上。
年齢別では中年から老年前までの年齢層が高い。
出典:消費動向調査(内閣府)
上記は世帯収入別、2024年のビデオカメラ普及率です。
世帯年収が高いほど、ビデオカメラ普及率は高い。
300万円未満10.9%、1200万円以上 45.4%と4倍以上の差になっています。
出典:消費動向調査(内閣府)
上記は地域ブロック別、2024年のビデオカメラ普及率です。
地域ブロックでは大きな差はなく、普及率1位は近畿24.6%、最下位九州・沖縄20.1%ですが両者で5%の差もありません。
ビデオカメラの価格は上昇
出典:単価25%上昇でも回復の兆しが見えてきたビデオカメラ市場(株式会社BCN)
上記はビデオカメラ販売数量と金額の前年比と平均単価です。
販売数量はマイナス、平均単価は増額です。
出典:圧倒的売上のOsmo Pocket 3、1位連続11カ月──ビデオカメラ市場を変えたDJI(株式会社BCN)
上記はビデオカメラのビデオカメラ 製品別販売台数Top10です。
1位はDJIのOsumo Poket3で、シェア24.3%と2位のGoPro9.1%を大きく引き離しています。
3位はパナソニックHC-V495Mで、少し前のビデオカメラといえばこの形という手で包み込むデザインです。
ビデオカメラといえば一昔前は運動会が筆頭に上がる使用用途でしたが、いまは使う人は日常的に使う用途のビデオカメラが売れています。
(物語)ビデオカメラが撮るものは家族の歴史
小学校に通っている子どもを持つ浩一郎と秀樹は、令和時代の子育て世帯に良く見られるパパ友です。
両者とも同学年の子どもを持ち、住んでいる場所は同じブロックで、お互いの子どもは就学前から仲良しでした。
子ども達は地元の小学校に通い、朝の登校班も一緒で幼馴染といえる関係です。
子ども同士がいつも一緒にいるので、必然、親同士も接する機会が多くなる。
ママ同士のLINEでの学校に関する連絡のやり取りはもちろん、パパ同士もお互いのLINE連絡先交換している。
こんな二人がある天気の良い日、浩一郎が家の前でマイカー洗車していたところ、軽い運動をした帰りの秀樹が通りかかって、立ち話となりました。
秀樹「もうすぐ運動会ですね。浩一郎さんは参観されますか。」
浩一郎「はい、僕と妻と両方で見に行こうと思っています。秀樹さんはいかがですか。」
秀樹「うちも二人で行きます。子どもの「いま」は今しかないのでしっかり記録したいと思っています。」
秀樹は子どもが小学生に上がった時、ビデオカメラを購入し、子どもの学校行事や家族旅行のときに撮影に使っていました。
対し、浩一郎は動画撮影自体、見返さないのであまり必要としていない。
仮に自分が動画撮影するならスマホで十分と考えています。
秀樹「今回の運動会も、子どもの成長をしっかり記録したいと思っています。」
浩一郎「なるほどそうなんですね。ちなみに、秀樹さんのお宅では撮影した動画を見返したりしているのですか。」
秀樹「いいえ、撮影した僕がSDカードからパソコンにデータ移し返したとき、ぱらぱら見ているくらいですが、子どもが巣立った後、見返すかもしれないと思っています。」
ビデオカメラで撮影した動画を、いつか見るかもしれないと考える秀樹。
機会損失という言葉に敏感で、自分でも心配性な性格だと思っており、何事も先回りして物事を考える癖があります。
対しコスパ思想優位でもあり、動画に重要性を感じない浩一郎。
見返す機会もあるのかわからない、見返したとしてそこに何かあるとは思っていない浩一郎にとって、ビデオカメラは購入候補リストに上がったことはありません。
とはいえ、お互いのスタンスはお互い尊重しており、相手を否定的に思わない二人でした。
秀樹「最近のビデオカメラの動画撮影能力は本当にすごいんです。手振れ補正や明るさ調整などは当たり前で、素人でも撮り方によってかなりダイナミックな映像もとれるんです。」
浩一郎「なるほど、確かに専用機には特化した能力があるのは間違いないですね。デジタルとアナログの違いはありますが、レコードプレーヤーのように音楽専用機の音が柔らかいのは心地よいですし。」
秀樹「そうなんです。技術もどこかで頭打ちしそうな気もするのですが、新しい機種のスペックを見ると欲しくなってしまう自分がいます。妻の許可は出ないので買えませんが。」
浩一郎「いまあるもので十分でしょ、を打ち返せる理由はどんなものでも難しいですよね。」
浩一郎はコスパアンテナは高いですが、新しいテクノロジーは積極的に取り入れます。
補足として、古いものを否定するわけではなく、アナログは独特の味(良さ)があるとも考えています。
秀樹が楽しそうに新機種の機能説明を話すのを、浩一郎は興味深く聞ける。
秀樹にとっても、オタクとも呼べるくらいの知識を普通に聞いてくれる浩一郎との会話は気楽かつ心地よい。
秀樹「僕は動画を撮りますが、できれば三脚で定点撮影しつつ、自分の目でも実際の対象を見たいと思っています。被写体の位置に合わせてカメラの向きを変えたりズーム変更したりが必要な時は対応しますが、本当は放置しておきたい。自分の五感でその時の子どもの動きも見たいし動画も残したい、欲張り屋さんなんです。」
浩一郎「良いですね。僕も自分が見た記憶が大切だと思っています。それは子どもの成長をしっかりと見守ることだと思います。」
さいごに
わが家ではごくたまに、過去の子どもの写真や動画をテレビに映し家族で見ることがあります。
運動会などの学校行事の後や、年末に写真整理したときなどがそのタイミングです。
子どもは自分が映し出されると照れて、もじもじします。
大人側は運動会の徒競走などの映像を見て、ここで横を見てしまってスピードロスしているなど勝手品評会。
中でも子どもに好評だったのは、赤ちゃんの頃の写真を映して僕が勝手に一言コメントする。
子どものむすっとした写真で「ねぇ、ご飯まだー」とコメントする。
僕自身は写真(静止画)は好きですが、動画はどちらでもよいと思っています。
ですが動画を否定しているのではなく、静止でないと伝わらないモノがあるのも理解しています。
縄跳びの練習方法とか、速く走る走り方など、YouTUBEをたくさん参考にさせていただいた。
何にせよ家族で過去写真・動画をテレビで見るとき、その時間は家族の歴史の時間です。