この文章のトピックスは以下です。
・2023年のスキー・スノーボード人口は最盛期に比べ-73.9%
・2022年は前年比で増加したが2023年は前年比で減少した
・スキー・スノーボードの男女別参加率ではスキー・男性がトップ
・スノーボードは20代男女が最も参加率が高い
・地域別にみると長野、山梨、北海道の参加率が高い
・スキー場は減り続けており、雪国はスキー場減少幅が小さい
2023年スキー・スノボ人口は最盛期比で73.9%減少
このブロックは、毎年発行されるレジャー白書の情報をもとに書いています。
レジャー白書の回答者は日本人限定です。
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産本部)
1990年代から2000年代前半に山ができていて、それ以降右肩下がり。
最高値が1998年でスキー人口が1,400万人、スノーボード人口が400万人、合計1,800万人でした。
最盛期に比べ2023年はスキー人口が-1,090万人、スノーボード人口が-240万人、合計-1,330万人減っています(前後比-73.9%)。
2023年はスキー人口が280万人、スノーボード人口が180万人、合計460万人。
前年の2022年はスキー人口が310万人、2021年はスノーボード人口が200万人で前年比で増加したのですが、2023年は2022年と比べわずかですが前年割れです。
上記グラフ内の下段の「年」のところに2つの吹き出しを付けています。
1つ目は1987年に公開された映画「私をスキーに連れてって」。
これが日本のスキーブームに火つけ役で、1990年代は若者がこぞってスキーに行きました。
2つ目が長野オリンピックが開催された1998年。
この1998年が日本のスキー・スノーボード人口の最盛期です。
個別ではスキー人口最盛期は1993年の1,770万人、スノーボード人口最盛期は2002年の540万人です。
その後はグラフから分かる通り右肩下がりを続けており、日本人でスキー・スノーボードに行く人は減り続けています。
再度の補足ですが、この情報は日本人の情報でインバウンドを含んでおりません。
スキーは高齢男性参加者が多い
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産本部)
上記はスキー・スノーボードの男女別参加率推移です。
2021年にコロナウィルス禍で最低値をつけてその後2022年は回復しましたが2023年は全体で微減。
女性より男性の方がスキー・スノーボード参加率は高く、直近2023年はスノーボード・男性の参加率は2位になっています。
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産本部)
上記は2023年のスキー・スノーボードの性別と年代別参加率です。
かなり凸凹があるグラフで、スキー・男性は50代と70代の参加率が高い。
70歳になってスキーをしている人たちは、強者と言えそうです。
スノーボードは男女とも20代がピークで、特に男性20代は24.6%と約1/4がスノーボードをやっています。
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産本部)
上記は2023年のスキー・スノーボードの地域別参加率です。
1位は長野・山梨、2位は北海道と、雪が多い地域で順当な結果です。
スノーボードに限ると、1位北海道、2位長野・山梨、3位大分・宮崎・鹿児島と3位に九州が入ってきます。
スキー場数は最盛期の-73.9%
出典:体育・スポーツ施設現況調査結果の概要(スポーツ庁)
上記はスキー・スノーボード場の数の推移です。
バブル期をピークにスキー場は減少を続けています。
最高値が1985年の1,669、2021年は449、前後比-1,220で-73.1%です。
この文章の最初のグラフではスキー・スノーボード人口は最盛期から-73.9%で、これと近い数字です。
出典:国際競争力の高いスノーリゾート形成の促進に向けた検討委員会(株式会社 野沢温泉)
上記は地域ブロック別の索道(リフト)のあるスキー場の推移です。
1999年と2022年を比べると、一番減少率が高いのは中部-53.6%、一番減少していないのは北海道-30.7%。
東北-34.0%、北陸信越-34.7%と、降雪地帯の減少は低い(スキー場が減っていない)地域です。
出典:スキー場来場者数 トップ20(株式会社スノーナビ)
上記はスキー場の入場者数、2023年~2024年シーズンのTop20です。
全体では長野のスキー場が一番多く、次いで新潟です。
この地域は首都圏のスキー・スノーボードユーザーが行く機会が多く、長野は中部からの人たちも行くため母数が多い地域に当たります。
近年はインバウンド需要が大きな影響を与えている
最近のスキー場に関するトピックスが以下です。
どこも特色を出して、集客を狙っていると感じます。
・竜王スキーパーク(長野県)は「日本一スノボデビューしやすいスキー場」を宣言
・八海山麓スキー場(新潟県)は春山スノーシュー体験を開催予定、子どもたちがアウトドアアクティビティを体験、YouTubeで動画配信予定
・八ヶ岳周辺のスキー場:「ラーメンバトル」を開催中、特賞として全11スキー場共通の来季シーズン券が提供
それとともに近年、スキー場が狙う層はインバウンド。
野沢温泉スキー場(長野県)は 中華圏スキーヤー向けに「QRSKI」を導入、観光体験のデジタル化を進めています。
野沢温泉と言えば、ニセコがある倶知安の地価高騰に続き、不動産市場が活発化しています。
外国資本が宿泊施設などを購入、あるいは新設する話がここのところのニュースでよく取り上げられています。
一例として、野沢温泉初の外資系ブランドホテル「ホテルインディゴ」の建設が計画されています。
2024年の基準地価でみると野沢温泉村の住宅地は前年比+15.7%、商業地は+20.6%増と、長野県内でそれぞれ首位と2位の上昇率です。
さいごに
日本は安い国になり、その結果、外国人が安価に楽しめる旅先として日本を選ぶ。
円高のバブル期に日本人が海外旅行したのと同じです。
いまスキー場では、外国人の方々がかなりの数、スキー・スノーボードを楽しんでいます。
僕は外国人が増えることについては、良いとも悪いとも思っていません。
経済活動としてお金がある人が、適切なサービスを受けるのは妥当。
それによって、そこに住まう住民の方々の所得が得られるなら、日本国内の人口減少・需要減少未来では1つの対策と捉えています。
上記、野沢温泉についてニセコに続いて地価高騰しています。
野沢温泉スキー場は広大で、雪質も比較的軽く、僕にとってはとても楽しめるスキー場。
僕は野沢温泉スキー場が好きで、何度も足を運んでいます。
そして、スキー場以外の楽しみとして、野沢温泉村内の13か所の外湯めぐりがあります。
外湯めぐりとは、脱衣所と10人程度が入れる湯舟だけの小さな入浴施設が、徒歩圏内に点在しておりそこをめぐります。
こうした場所も、いまは外国人とのふれあいの場になっています。