離婚件数および離婚率は2000年代前半をピークに漸減

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・離婚件数ピークは2000年頃
・2023年はピーク比約3割減
・離婚までの平均同居期間は約半世紀で7.3年伸びている
・離婚申し立て事件件数は2000年以降横ばい
・協議離婚が減って審判離婚が増えている
・割合では離婚理由「性格が合わない」は全期間で圧倒的1位
・離婚申し立て理由、近年は「精神的虐待」回答者が男女とも増加
・離婚申し立て理由、「異性関係」と答える割合はずっと減少

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2023年離婚件数はピーク時に比べ約2/3

離婚件数
出典:日本子ども資料年間 2025(社団福祉法人恩賜財団母子愛協会)

上記は離婚件数推移です。
グラフは山型で、ピークは2000年264,246件、2023年183,814件です。
2000年から緩やかに離婚件数は下がっています。
離婚率(人口1,000対)もこのグラフの流れとほぼ同じで、2023年の離婚率は1.52です。

離婚までの平均同居期間
出典:日本子ども資料年間 2025(社団福祉法人恩賜財団母子愛協会)

上記は離婚までの平均同居期間です。
こちらは離婚件数とは違い、一貫して右肩上がりで、離婚するまで同居する期間は伸び続けています。
このデータ内、最新年の2023年は12.6年で、1950年5.3年と比べると7.3年伸びています。

離婚申立て事件件数は横ばい

離婚 申立て 事件件数
出典:日本子ども資料年間 2025(社団福祉法人恩賜財団母子愛協会)

上記は離婚申し立て時の事件件数です。
妻と夫を比べると、全期間妻の件数が高い。
2023年、夫15,192件、妻41652件で妻和夫の2.74倍です。

 

種類別離婚件数
出典:日本子ども資料年間 2025(社団福祉法人恩賜財団母子愛協会)

上記は離婚する時、夫婦だけで解決したのか裁判等を行ったかなどの種類別件数です。
各分類の説明は以下です。

協議離婚:夫婦の合意により戸籍法に定めるところの届出によって効力を生ずる婚姻の解消。
調停離婚:家庭裁判所で調停が成立した場合の離婚。
審判離婚:家庭裁判所に離婚調停を提起したが,調停委員会の調停が成立せず,家庭裁判所において相当と認める時離婚の審判をした場合。
和解離婚:離婚訴訟において,夫婦が離婚することにより紛争を解決する旨の合意をすることで行う離婚。
認諾離婚:離婚訴訟において,相手方が離婚請求を認める(認諾する)ことで行う離婚。
判決離婚:民法第770条第一項の理由により,離婚の訴えを提起し,離婚の判決が確定した場合。

減っているのはグラフ内青色の「協議離婚」。
増えているのはグラフ内灰色の「審判離婚」。
他に2005年から分類として追加された「和解離婚」も増加した要素です。

離婚申し立て理由の不動の1位は「性格が合わない」

離婚 申立て理由 「性格が合わない」割合
出典:日本子ども資料年間 2025(社団福祉法人恩賜財団母子愛協会)

上記は離婚申立て理由のうち「性格が合わない」と答えた割合です。
この理由が全期間で離婚理由の不動の1位で、一般的にも良く耳にするワードです。
夫は1975年56.1%、2023年59.9%、前後比+3.8%。
妻は1975年36.1%、2023年38.0%、前後比+1.9%。
夫婦とも約半世紀で、わずかに増えています。

離婚 申立て理由 「精神的虐待」割合
出典:日本子ども資料年間 2025(社団福祉法人恩賜財団母子愛協会)

上記は離婚申立て理由のうち「精神的虐待」と答えた割合です。
この理由は約半世紀で一番伸びた理由です。
夫は1975年9.1%、2023年21.4%、前後比+12.3%。
妻は1975年17.0%、2023年26.1%、前後比+9.1%。
「精神的虐待」は夫の理由順位のうち2位、妻の理由順位は4位です。

離婚 申立て理由 「異性関係」
出典:日本子ども資料年間 2025(社団福祉法人恩賜財団母子愛協会)

上記は離婚申立て理由のうち「異性関係」と答えた割合です。
浮気が原因で離婚に至るシナリオは一般的かと思っていたのですが、この理由は右肩下がりです。
夫は1975年22.8%、2023年12.0%、前後比-10.8%。
妻は1975年34.3%、2023年12.9%、前後比-21.4%。
約半世紀で夫の異性関係トラブルは。2割強減っています。

離婚に対する考え方が変化している時代

たまに耳にするワードで「3組に1組が離婚」があります。
僕はこれに違和感をいだいており、実際のデータを調べたのがこの文章です。

データでは離婚件数は減っていました。
補足として、2023年と2024年を比べると増加しているのでこの先は未定です。
近年婚姻件数も減少はしていますが、やはり3組に1組は言葉の綾です。

「3組に1組が離婚」の算出方法は、「その年の離婚件数÷その年の婚姻件数」。
この計算式で2024年数字をあてはめてみると、婚姻=約48.5万組、離婚=約18.6万組、離婚率は約38%になります。
しかし、2024年に離婚した夫婦は、2024年限定ではなくそれ以前に結婚した人たちを含むため、「2024年に結婚した人の38%が将来離婚する」とはなりません。
どこかのだれかがエキセントリックなキャッチを狙って、独り歩きしたワードです。

それとは別に、最近の離婚の特徴と言えるのは熟年離婚の増加。
20年以上連れ添った夫婦の離婚割合は上昇しており、2022年は全離婚の約23.5%で過去最高となっている。
その背景として以下、上げられます。
・女性の経済的自立
・平均寿命の伸び
・退職後の夫婦関係の変化
・モラハラ認識の広まり
・コロナウィルス禍で一緒にいる時間が増えた
違う側面で言うと、女性の自立とも言えます。
昭和時代は我慢して一緒にいる女性が多かったが、女性も一人の人間として尊厳を持って生きる人が増えた。

そして、離婚の要素として外せないのは近年、若年層の「結婚そのもの」が減少している点。
離婚件数が減っている理由の1つは、そもそも結婚数が減っている面は否めません。
少子化の最大の原因でもある2024年の婚姻件数は約48.5万組で、一般認知通り結婚する若者は減少し続けている。
つまり、「離婚しにくくなった」というより、「結婚する人自体が減っている」です。

「コスパ」「タイパ」思想が、若者の思考の標準となり、経済的に厳しい環境が進行している。
冷静に考える(考えざるを得ない)若者が増え、現在の生活が苦しい、あるいは未来を考えた時、結婚が必要かと立ち止まる。
老後不安をあおる「2000万円貯蓄」なども、その要因の1つです。
結婚して自由が減る視点は現実的とも言え、冷静に考えたとき結婚を留保するような。

また、統計では20代後半~30代前半、結婚後5年未満の離婚が比較的多い点があります。
結婚生活に見切りをつける判断は、昔の世代と今の現役世代は違っています。

離婚に対する考え方、受け止め方は変わりました。
「添い遂げる」発想が強制力を持つ画一的時代ではなく、個を尊重する多様化思想。

これは好悪ではなく、文化度や精神性向上の結果と言えます。
そして逆説的に言うなら、結婚継続している夫婦はそれなりに関係維持メンテナンスしていると言えます。

さいごに

日本の離婚率は世界的に見て中位くらいと、各国の離婚率データからは位置付けられます。
離婚率が高いアメリカは人口1000人当たり約2.4%、日本は約1.5%。

しかし、離婚率が低くとも、夫婦関係が良いとはなりません。
特に宗教や経済力・社会圧力によって離婚できるかどうかは変わる。
戦後の日本は経済力がなく、離婚に対する社会の風向きもいまより強く、当時、離婚はいまよりハードルが高かった。

日本も世界も非婚化が進んでいます。
経済的余裕ができ文化度が上がり、個人の幸福追求度が高まれば、非婚であったり離婚につながる。
また、結婚制度ではなくパートナー制を選ぶ人たちも、日本でも少数ながら増えてきている。

これらの状況を総括すると、結婚・家族の形そのものが変化している時代と言えます。