セロトニントランスポーターからみると日本人は産後うつになりやすい

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育児・子供観察

日本人は世界で一番悲観的というセロトニンのお話があります。
また女性は出産前後にセロトニンが増減することがあります。
そしてそのセロトニンを運ぶセロトニントランスポーターのSタイプとLタイプ。
不安を持ちやすいSタイプが、日本人は世界で一番多い民族です。

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オキシトシンとセロトニン

オキシトシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモンで「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」とも呼ばるもの。
ストレスを緩和したり、幸せな気分をもたらす物質です。
出産時に子宮収縮させるたり、乳腺の筋線維を収縮させて乳汁分泌を促すなどの働きを持ちます。

セロトニンは、興奮系神経伝達物質の過剰分泌を抑制する抑制系神経伝達物質。
こころのバランス(平常心)や共感、覚醒に関わる物質。

オキシトシンの中にセロトニンの神経細胞があります。
そのオキシトシンが分泌、オキシトシンのところに届く時にセロトニン神経が活性化されます。

女性は妊娠時に、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増加します。
出産後にこれらの物質が減少。
人によりますが、出産後セロトニンが減少したり、その働きが悪くなることがあります。
その結果、気分が落ち込んだり、ストレスを強く感じるようになります。

 

セロトニントランスポーターとSタイプLタイプ

セロトニンの量を調節しているのが「セロトニントランスポーター」。
セロトニンを再取り込みする役割も担っています。

セロトニントランスポーター遺伝子とは、セロトニントランスポーターの機能を司る遺伝子のこと。
情報の文字数が短いS遺伝子と長いL遺伝子の2種類があります。

Sタイプ=神経質で不安を抱きやすい。
Lタイプ=楽観的で好奇心旺盛。

遺伝子なので、子どもは両親から1つずつ受け継ぎ、2本の遺伝子を持っています。
2種類なので、SSタイプ、SLタイプ、LLタイプの3分類となります。

▼日本人のセロトニントランスポーター遺伝子割合
SSタイプ・・・68.2%
SLタイプ・・・30.1%
LLタイプ・・・1.7%

▼アメリカ人のセロトニントランスポーター遺伝子割合
SSタイプ・・・18.8%
SLタイプ・・・48.9%
LLタイプ・・・32.3%

上記の遺伝子割合のソースは、以下の論文です。
「アメリカン・ジャーナル・オブ・メディカル・ジェネティクス」中村敏昭1997年。
一応ですが、この論文の日本人被験者数は女子学生ばかり173人ということ。

一言で言うと、日本人は不安を抱きやすい遺伝子を持っている人が多い、となります。

Sタイプが悪いわけではなく、そういう遺伝的特質があるという客観的事実です。
Sタイプは慎重で、物事を安定的に進めるのには適しているなど、メリットもあります。
よく言われる弱点としてはストレスに弱い、と言う点です。

たしかにご自身や周りの人々、一般ニュースを見ていても納得感のある内容ではないでしょうか。
ご自身がストレスに弱いと感じるのであれば、それはSSタイプの可能性が高いということ。
ストレスに弱いという性質があることを認識して、個人個人で回避策を考えておくことが肝要です。

 

ポジティブシンキングの功罪

上記の通り日本人はSSタイプが一番多く、SLタイプも含めると98%。
この結果から「ポジティブシンキングは日本人にマッチしていない」と僕は考えています。
言い換えると「ネガティブシンキングを突き詰める道が日本人に一番あっている」ということ。

Sタイプの人が前向きになる必要がないとか、楽観的に振舞うことが良くないと言っているわけではありません。
リーダーシップを発揮しないといけないとき、会社でも子どもに向かってでもいろいろな場面があります。
そんなとき、あまりに暗いリーディングよりは、表面的でも明るい方が効果的な場面も多いでしょう。

しかし日本人の多くがポジティブタイプではなく、ネガティブタイプであるという遺伝子結果がある。
コレを踏まえたうえで、戦略を練り戦術と実行することが重要でしょう。

Sタイプはストレスがたまりやすい。
ポジティブ信仰に縛られて、無理やり頑張って、うつ病になるというのは愚策です。

流行やマスコミのあおりに踊らされず、自分がどういうタイプなのか考える。
SSタイプと思うのであれば、不必要な見得を捨てて「ネガティブ思考」を素直に認めることがスタート地点。
ネガティブを武器と考えることができれば、人生をサバイブする可能性が高くなるのではないでしょうか。

俳優業なども良い例でしょう。
華のあるメインの役者もいる、セリフが少なかったり出演時間は短くとも、しっかり脇を固める俳優もいる。

少し逸れますが、個人的には主役俳優ですがモーガン・フリーマンさんがすごいと思っています。
セリフの多い役も魅力的ですが、陰のある寡黙な役、特にその目にグッと引き込まれます。

日本でも少し前に人気だったドラマ「バイプレイヤーズ」。
コレもひょっとすると、最近の日本人にそうした役割に目を向ける人が増えたからかもしれません。

さいごに

僕が利用している駅では、最後尾車両が通勤時間帯は女性専用車両になります。
そして最後尾の先に階段がある駅のつくり(配置)。

その最後尾車両に、女性専用車両と分かって飛び込む若い男性がいます。
というのも、何度かその光景を目にしている、1回ではないということです。

彼は改札を走りぬけ、階段を駆け下り、ドアが閉まりかけの女性専用車両に走りこむ。
ギリギリまで寝ていて、あわてて電車に乗り込んでいると予想します。

最初にその光景を見たとき、女性専用車両の中の女性側も、飛び乗った男性もイヤな思いをしそう、と思いました。
しかし何度も繰り返している彼を見て、いまは彼には女性専用車両は意味がないのだ、と思っています。

彼はきっとSSタイプではないでしょう。
「ある意味ツワモノだなぁ」という生暖かい目で見ています。