休憩中の脳内処理力が20倍

スポンサーリンク
育児・子供観察

短い休憩が劇的にスキル向上させる。
寝ている時に脳内で情報整理されるのは既知ですが、起床時の休憩中の脳内状態についての研究結果が発表されました。
そういわれると、リラックス時にひらめきが多いのは思い当たる。
目的によって行動は変わりますが、休憩が脳に及ぼす影響を知っておくのは、大人にも子どもにも有用そうです。

スポンサーリンク

睡眠を大切にする

パフォーマンスを上げるために、適切な睡眠をとるのは、いまや普通です。
人によって適切な時間は違いますが、7時間程度の睡眠で、頭をクリアにする。
夜の睡眠以外も、短時間の昼寝も取り入れる人もいます。
寝る行為は、加齢とともに集中力が続かなくなる対策でもあります。

首都圏で大分進んだリモートワーク(在宅業務)は、昼寝がしやすい環境。
オフィスでは、自分の机に突っ伏して寝る人もいますが、やはり周囲の目が気になる。
それが自宅だと、横になれたり、時間もある程度コントロールできます。

僕はいま、リモートワークになり、昼寝をルーティンに取り入れています。
短時間昼寝、数分を捨てて、その後の大きなアウトプットを見込めるのは、自分には合っています。

いま僕は、夜に外出していることがなくなったので、夜の入眠時間も安定しています。
夜の睡眠(レム睡眠)が、脳内で情報整理するのは周知。
レム睡眠中は、記憶の整理や定着、感情の整理、技能の習熟しています。
切羽詰まったテストの一夜漬け(短期記憶のみにしか残らない)のようなものが、一時あったとしても、長期的に見てそれが良くないのは、経験的にも分かっています。

一般的になった夜の睡眠の重要性ではなく、起きている間の休憩がスキル向上するという研究結果が発表されました。

短い休憩が20倍のスキル獲得

アメリカのNIHより、2021年6月8日に以下のレポートが発表されました。

NIHの国立神経障害脳卒中研究所(NINDS)のレオナルドG.コーエンが率いる研究チームが発表したCell report。

5桁の数字入力を10秒間でどれだけ多く入力(タイピング)できるか計測。
その時、脳スキャンし、脳が処理量を計測。
10秒間入力→10秒間休憩→10秒間入力を、35回繰り返し行った。
その結果、入力中の10秒間はスキル上達しなかったが、休憩後に入力回数が上がった。
脳スキャンを見ると、休憩中の脳はタイピング中の脳活動より約20倍速く圧縮再生していた。
上達割合は35回中、最初の11回の休憩中が最も大きく、その後は横ばい。
結論として、休憩中の脳はスキルを圧縮(高速化)した記憶を繰り返し、スキル向上させている。

出典:How short breaks help the brain learn new skills(NIH)

自分の経験に当てはめてみると、集中して資料作成したあと、トイレ休憩する。
トイレの行き返りの歩いている時に、「あの部分、こう修正すると良さそうだ」と思いつく。
僕はこの経験が本当に多く、以前から意識的にトイレ休憩を入れています。

とはいえ、何かを作り上げるときに、集中しないと中身が薄くなるのも事実。
スマホアプリの通知や、メールやチャットアテンションなど、一切の外部からの連絡を絶って一時、そのタスクのみしかやらない。
ダラダラやるのではなく、30分などタイマー設定を活用して、集中時間を確保する。

その後、その場を離れトイレに行ったり、お湯を沸かしてお茶を入れる。
ヤカンに水を入れるとき、あんなこともできそうだ、と離れた視点のアイデアも出てくる。

上記のNIHのレポートを読んでいて、自分の経験と近い(納得感)がありました。

子どもの縄跳びの上達

子どもの縄跳び練習を一緒にやっていた時も、似た事象がありました。
子どもの縄跳び練習に、僕はコーチ役として付き添い、子どもの目覚ましい成長を見ました。

・手が体の横の位置でほぼ固定しているか
・手のひらが上を向いているか
・グリップの握り方は親指がグッドの形になっているか
・飛ぶ前に両足がそろっているか
・着地時に両足がそろっているか
・着地時にかかとが地面についていないか
・膝がうまく使えているか、足全体が直線になっていないか
・不必要に猫背になっていないか
・視線は遠くを見ているか

いまが最低、あとは登るだけ
縄跳びの飛び方を子どもに教える。 やってみると分かりますが、普通に前飛びできる大人なら、最初は何を教えれば良いか悩みます。 できると教えるの間に、大きな差があることを知り、段階をおって1段ずつ階段を上る。 根気よく続けると、子どもにも大人に...

上記が、僕がネットで調査した、縄跳びでの必要な動き(コツ)です。
わが家の子どもは、最初はほとんど飛べなかったので、できそうなトコロからクリアしていく。

ジャンプが不必要に高いけど、そこはいったん放置して、まずは手の返し部分修正にフォーカスする。
掌が下に向いてしまうと、縄が連続で回らないので、ジャンプせずに手の部分だけ僕が子どもの手を持って、一緒に回して動きを知ってもらう。

僕が子どもの手を持って、一緒に回すとスムーズにできる。
子どもが一人で飛びながら回すと、手のひらが下を向いてしまう。
何度かそれを指摘して、ちょっと時間がかかるかもと思いながら、子どもに休憩してもらう。

練習再開すると「あれ、さっきより随分よくなっている」。
数分の短い休憩で、子どもの脳内で、膨大な演算が走ったようです。

目的によっては休憩時間ではなく頑張り時間が必要な時もある

上記のNIHレポートでは「一定回数までの、こまめな休憩はスキル向上に役立つ」でした。
一定回数を超えると、脳内でのスキル向上が見込めないのでやめる、というのも1つですが、目的によっては続ける選択肢が出てきます。

縄跳びは大人になってやってみても分かりますが、全身運動でなかなかヘビー。
単純な前飛び100回は、簡単そうですが日ごろ運動していないと、相当きつい。

体力向上を目指すなら、疲れた後も、一定続けることが有効になってきます。
目的がスキル向上なのか、体力向上なのかで、辞めるか選択が変わる。

継続判断のときに、他のメリットとして経験的に思いつくのが、ヘトヘトに疲れたときほど、体に余計な力が入らない。
特に子どもはそうですが、何をするにしても肩に力が入りすぎたりしています。

リラックス状態の方が、早くうまくたくさん飛べますが、言葉で伝えてもスムーズにはいかない。
脱力の必要性を体感する経験として、あえて疲れた状態でトライさせる意味はあります。

多くを求めすぎてもいけませんが、肉体だけでなく精神も同様に緊張と弛緩を使い分ける。
テンション張りすぎの状態は、一時は大きなパフォーマンスが出ても、長期戦には不向きです。

スキル向上を目指して、休憩をたくさん取り入れる。
体力増強が目的なら、疲れた後も一定まで続ける。

短期的なご褒美として、子ども相手の場合は、練習後に好きなアイスを食べてOKなども、僕は良いと思っています。
長期的なご褒美は、自分が時間をかけてできるようになった成功体験と、やり遂げた達成感です。

さいごに

縄跳びを家の前でやっていると、通りすがりのご近所の大人が、笑顔で声をかけてくれます。
「がんばってるねー」「何回飛べるようになったの」

子どもは、声をかけてくれる大人がいると、嬉しそうにその人の前で飛んで見せる。
そうすると、また「うまいねぇ」と褒めてもらえる。

子どもにとっては、承認欲求を満たしているのかもしれませんが、都会では少なくなった近所の人との、たわいない会話のきっかけになっています。