いま学校への欠席連絡は電話が多いようです。
近年まで主流だった連絡帳に比べるなら、時間節約にはなっています。
それでも、欠席連絡を単なるタスクと考えるなら、電話もコストは大きい。
大切な事に注力するため、欠席連絡は専用サイトやアプリで十分です。
学校への休み連絡方法の1位は電話
株式会社翔泳社が運営しているedtechzineに、学校を休む時のアンケート結果がありました。
アンケートは未就学児から大学生までの子どもをもつ保護者を対象に2019年10月に実施、3万2055名の有効回答結果です。
出典:「園・学校連絡のデジタル化」に関するアンケート調査(株式会社翔泳社 edtechzine)
2019年時点、学校への欠席連絡方法の1位は「電話」63.0%。
2位「連絡帳を兄弟友人が届ける」が28.8%で、1位と2位を足すと91.8%なのでほぼ全体となります。
出典:「園・学校連絡のデジタル化」に関するアンケート調査(株式会社翔泳社 edtechzine)
今後、希望する欠席連絡方法は1位「電話」37.3%で、アナログですが約1/3が希望しています。
2位から4位がデジタルで、2位「スマホ・タブレット(のアプリ)」32.0%、3位「専用のホームページ」14.1%、4位「Eメール」10.5%。
2位から4位を足すと56.6%と約半数強。
2019年であれば、もう少しデジタル優位になるかと思いきや1位はアナログの電話です。
出典:「園・学校連絡のデジタル化」に関するアンケート調査(株式会社翔泳社 edtechzine)
1つ上のグラフと同じアンケート回答者で、1つ上では電話が1位37.3%だったが、スマホ可となったら7割がスマホ連絡を希望しています。
「思わない」が11.4%なので、こう思う人はアナログの連絡帳や電話に思い入れがあるのかもしれません。
行事連絡を受け取る方法の1位はプリント
出典:「園・学校連絡のデジタル化」に関するアンケート調査(株式会社翔泳社 edtechzine)
上記、学校からの連絡の受け取り手段のアンケート結果です。
1位「プリント」37.3%ですが、2位「スマホ・タブレット」32.0%と、ICTがだいぶ浸透してきています。
出典:「園・学校連絡のデジタル化」に関するアンケート調査(株式会社翔泳社 edtechzine)
学校連絡をスマホで確認したいか。
「思う」54.3%と、「思うが現在の方法と併用」38.7%の2つを足すと93.0%。
スマホで連絡してもらいたいが、スマホの画面の小ささから、プリントアウトした紙もあると嬉しい。
印刷物は時代的に減少していますが、来月の予定など家のどこかの壁に張っておくと利便性は高いもの。
デジタル化の状況
文部科学省のサイトに、「明日からできるグループウェア活用法」があります。
2022年のものなので、コロナ過を経験したあとのものです。
出典:欠席連絡をデジタル化(文部科学省)
欠席連絡を電話ではなく、専用サイトで行うと便利という啓蒙です。
電話だと取次の先生がいて、担任に引継ぎ、担任がパソコンなどに入力する。
専用サイトだと、電話での会話時間が不要で、担任の先生以外に養護教諭など必要な人に自動連係される。
専用サイトにアクセスできる必要性(制約)がありますが、スマホ普及率を考えると当たり前のシステムです。
出典:欠席連絡が連絡帳からメールに…「小学校がデジタル化」してよかったこと3つ!小学生ママに聞きました(kufura)
上記は2020年に実施された回答者が少ないアンケート結果ですが、小学生の母親はデジタル化がもっと進んでほしいと考えている。
1位「印刷物の削減」41人、2位「連絡帳」6人。
3位「PTA活動」も含め、小学生の母親たちはアナログを是としていません。
ここまでをまとめます
・2019年時点ので休み連絡方法の1位は電話63.0%
・お休み連絡をスマホにしたい人は70.2%
・園や学校からの連絡はプリントやスマホ・タブレットを希望
・文部科学省では欠席連絡を電話ではなくIT化するメリットを掲載している
単なるタスクは最短工数を目指す
ネットを眺めてみるとネットならではですが、アナログな連絡手段に対してネガティブな意見が見られます。
反論側は、連絡帳はコミュニケーション、兄弟や友達に欠席連絡させるのはつながりになるなどがありました。
その溝は埋まりそうにありませんが、時代はデジタル優勢です。
学校の欠席連絡をスマホの専用サイト・アプリでできるようになった場合のメリットを上げます。
・コスト(入力者、受理者)
・他者への依頼が不要
・即時性
親側も先生側も、時間がないと考えるのが現代の基本です。
欠席連絡を連絡帳に書いてだれかに託して、それを先生が受け取ってパソコンに入力。
これらを専用サイト・アプリでできるなら、場所や時間を選ばない点も含め、このコスト差は大きい。
それでも、電話連絡を望む人もいます。
この辺り、時間に対する重要度の意識の違いが感じられます。
仕事をしている人全員が効率的に動けているわけではなく、ダラダラ仕事をする人はいる。
専業主婦でも、最短時間でタスクをこなし続ける人もいる。
働いているかどうかは無関係で、時間に厳しい人は、事象をタスクとして処理している人が多い。
重要なことに注力したいので、どうでも良いがやらざるを得ないタスクは最短を目指す。
時間の大切さを理解し、相手にコストを強いない配慮をする点もその特徴です。
僕は、圧倒的にITシステム化に1票入れます。
専用のサイトかアプリで、基本は選択形式にする。
全休か半休か、風邪、頭痛、発熱、腹痛、インフルエンザなどの選択肢と自由入力欄。
他に特記連絡事項の欄を作って送信ボタンだけがある、単純な造りで良い。
欠席理由の定型文がネットでかなりヒットしますが、これすら意味が薄く、文章入力は必要な時だけで十分です。
いじめや大病を患った時の欠席連絡は最重要ですが、よくある風邪での欠席はタスクでしかない。
タスクであればできるだけ決断力を消耗させずに、サクッと終わらせる。
僕は学校への欠席連絡は、国が主導して全校にITシステム導入すれば良いと思っています。
さいごに
「GIGAスクール構想の実現に向けたICT環境整備」の一例として、以下「電子連絡板」があります。
[電子連絡板]の活用で、朝の時間にゆとり
https://www.sky-school-ict.net/class/front/220513/
先生も子ども達も、掲示板を使ってさまざまな連絡事項のやり取りをする。
他にもWeb会議システムで「オンライン朝会」でも活用していると記載があります。
コロナウィルス禍がオンライン化を後押しをしました。
いまの学校教育に変化がないとは言えず、文部科学省からあれこれオーダーが現場に落ちてきて大変なのはわかりますが、それゆえ時間短縮できるものは活用する。
導入当初の慣れるまでのコストは発生しますが、明らかにプラスが見込めるものに躊躇は悪手です。
子どもはあっという間にITツールを使いこなします。
先生に限らず、大人側も様子見して手を出さないのではなく、まずは使ってみるスタンスが大事です。