親の働く姿を見て跡を継ごうかな

スポンサーリンク
育児・子供観察

子どもが親の働く姿を見て、家業を継ぐ。
自営業だと親の働く姿が身近なので、子どもの頃から仕事が身近に感じらます。
実際のところ、事業承継希望者は約半数。
承継を子どもが望んでいるのであれば、それは1つの道です。

スポンサーリンク

中小企業の数では99.7%、人数なら68.8%

日本は中小企業の数が多いというお話、数だけならその通りです。
まずは中小企業基本法上の中小企業の定義が以下です。

中小企業 うち小規模事業者
業種 資本金 または 従業員 従業員
製造業その他 3億円以下 300人以下 20人以下
卸売業 1億円以下 100人以下 5人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下 5人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下 5人以下

出典:中小企業白書 小規模企業白書(中小企業庁)

上記分類で、実際の企業数は以下です。


出典:中小企業白書 小規模企業白書(中小企業庁)

大企業が0.3%、中規模企業が14.8%、小規模事業者が84.9%。
この数字だけみると、日本は圧倒的に小規模事業者が多い。

次に従業員数でみると、その割合が3分割になります。
企業数では0.3%の大企業が、従業員数では31.2%と、比率が大きく変わります。


出典:中小企業白書 小規模企業白書(中小企業庁)

最後に、規模別の付加価値額です。
一番、付加価値を出しているのが大企業の47.1%。


出典:中小企業白書 小規模企業白書(中小企業庁)

大企業の利益が高いのは、世界の潮流としてはさらに追い風です。
GAFAMが年間数兆円以上の利益を上げているのを見ると、一強他弱というか富の集中化の時代です。

大中小企業の話ではなく税金の話として、日本全体でみるなら納めた税金を意味の薄い用途に使われるのであれば、大企業が将来性のある分野に投資する方が、子ども達の未来が明るくなると感じます。

親の事業継承希望者は55.5%

事業承継とは、父母や祖父母の事業を子どもが引き継ぐ。
現在のトヨタの社長は、日本のTop企業の親族承継ではありますが、大企業の承継は数で言うなら少ない。
上記の事業規模別グラフにある通り、大半は小規模企業の跡継ぎです。

下のグラフは、子どもの承継意向の結果です。
調査時期は2021年8月で、約20,000件の事業承継の可能性がある人です。


出典:「子どもの事業承継意欲に関する調査」結果(日本政策金融公庫)

承継者は、親の事業を承継した人。
承継決定者は、親の事業を承継することが決まっている人。
後継予備軍は、親の事業を承継したい、承継してもよいと思っている人。

上記3つは、事業承継している、または意欲がある人になります。
全体平均が55.5%と、半数強。
特徴としては、父母、祖父母のどちらも、母や義母の女性経営事業の方が高い数値。


出典:「子どもの事業承継意欲に関する調査」結果(日本政策金融公庫)

承継者と対象として、承継したい理由の高い数値の項目が上記です。
自分がやりたいというポジティブなものから、廃業させたくないための理由も上がっています。

上から3つ目に「自分は経営者に向いていると思ったから」があります。
大人になっても人を引っ張っていく覚悟がある人ともとれ、なかなかに頼もしい回答です。


出典:「子どもの事業承継意欲に関する調査」結果(日本政策金融公庫)

最後に、事業承継しない人が対象の、承継しない理由です。
どれもありそうな理由ですが、最後の「事業の先行きが不安だから」は時代に即しています。
仮にいま親の職業が軌道に乗っていたとして、30年後に残っているか、より難しくなっています。

親の働く姿を見た方が子どもは働くのが楽しみ

子ども達が働くことを楽しみにしているか。
小学5年と6年生1,000名を対象にした、2021年に実施したアンケート結果が以下です。


出典:子供のキャリア観と親の働く姿に関する調査(株式会社アイデム)

「楽しみ」と「どちらかと言えば楽しみ」を足すと69.7%。
最近の小学生の7割は、働くことを楽しみと考えています。

身近な経験でいうと、就学前の子ども達はほぼ全員、希望にあふれています。
サッカー選手も良いし電車の運転士にもなりたい男の子。
パティシエかアイドルかな、とキラキラ希望を話す女の子。
大人目線で聞いていて、そのまま突き進んでほしいと勝手な想像もしつつ、まぶしくもあり。


出典:子供のキャリア観と親の働く姿に関する調査(株式会社アイデム)

父母の働く姿を見たかどうかで、働くことが楽しみかの結果が上記です。
総論、父母の働く姿を見たことがある子どもの方が、自分が将来働くことを楽しみにしています。

楽しみと捉えている人たち中で、一番増加率が高いのが「父親を働く姿を見た子ども」が「楽しみ」と考えている。
「父親の働く姿を見たことがない」子どもが「楽しみ」と考える数値に比べ、1.5倍(153%)です。

仕事は楽しいかね

働くことに楽しみを求めるか。

極振りするなら、楽しくなければ働く意味がないが、楽しみを求める派。
逆は、仕事に楽しみを求めるのは間違っている派。

両極端に属する人は少なく、たいていは上の2つのグラデーションの中のどこかで仕事に従事します。
これは「楽しみ」のみを評価軸にしているだけで、仕事に楽しみ以外を求め回答もあります。

「楽しみ」以外に現実的な回答としていちばん多いと思われるのが「お金のため」。
生活にお金が必要で、子どもに「なんで仕事に行っちゃうの、一緒に遊ぼうよ」と言われたときに諭すために頻出する物言い。

ただ、この言葉を発したとき、自分の中でどこか「あれ、そうだっけ」が顔を出すときがある。
お金のために自分の人生を切り売りして、嫌な事であっても割り切って仕事をしている自分に、飲み込むのに少し躊躇する食べ物を食べたときのような。
たいていの場合、会社が始まる時間があったりお客様との約束などで現実に引き戻され、仕事は仕事と切り替えて家を出ます。

僕は、仕事は第1がお金で、楽しみはあまり意識していません。
楽しみで仕事を選ぶのではなく、興味がありそうな仕事をやってみて自分の心地よい時間を探すが近い。

いまやっている仕事が楽しいですか、と言われて100%Yesと答える人もあまり想像できません。
良い面も嫌な部分も仕事には存在し、仕事は一言で言い表せるようなシンプルなモノではなく。

仕事の中でもこの部分は自分が好き、やっていて時間を忘れるタスクを脳内メモにストックしておく。
そして、できる限りそれができる環境づくりを目指すのが、処世術と言われても現実解です。

それでもできるだけ楽しめる職業には就きたいのは、大半の人の希望です。
「今日も会社行くの、嫌だな」とサザエさん症候群にならないように。

楽しそうに仕事をしている、自分の仕事の説明し出すと止まらない。
それは子どもに伝わります。

大抵の人は、人生の大半の時間は、仕事に割り当てられます。
仕事が人生のすべてではなくとも、悪くない時間を過ごしたいと考えるのは普通です。

さいごに

身の回り観測なので一般化ではありませんが、資金が潤沢で先進企業に勤めている人たちは、仕事がハードであっても嫌そうにしていない。
僕はGoogle社やAmazon社に属する人たちを見ていますが、みなさん楽観的。
もともと楽観的な人かつ能力がある人が集まっているので、いきいきしているのか分かりません。

僕はわが家の子どもに、楽しそうに働いている人が多い会社に、インターンに行ってほしい。
インターン年齢であれば、子どもが自分で決めることなので口出しはできませんが、世の中にはブラック企業とは対極の組織の存在があることを知っておいてほしい、とこっそり考えています。