主に子どもの遊び場の1つ、フィールドアスレチック。
そのフィールドアスレチック参加人口は微減ですが、15歳未満人口減少率より減っています。
それでも、屋外アスレチックに行ったときは、数時間以上の長い時間、滞在しています。
子どもが泥だらけになったり水没したりと親は大変ですが、走り回ったあとにぐっすり寝ている姿は子どもらしさの極致です。
余暇市場・観光・行楽部門の推移とフィールドアスレチックの推移
最初に、フィールドアスレチックの参加人口の推移です。
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)
2014年に増加、2020年のコロナ過で減少、2021年に戻しています。
全体の傾向は、右肩下がりです。
この情報元は『レジャー白書』で、その中でフィールドアスレチックは「観光・行楽部門」に属しています。
その「観光・行楽部門」のここ数年の消費支出推移が以下です。
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)
「観光・行楽部門」の中では、「観光」が最大のボリュームゾーンで、2020年と2021年は半減しています。
また、2019年以前までは右肩上がりなので、フィールドアスレチックの2021年の増加はこの流れと逆行しています。
2021年の状態を分かりやすくするため、2つの情報を折れ線グラフにしたものが以下です。
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)
こうしてみるとグラフ内青色線の「観光・行楽部門」が2019年までは上昇傾向で、灰色線のフィールドアスレチック人口が横ばいから下がっています。
2021年は、両者で違う動きになっており、フィールドアスレチックは復活していますが、観光・行楽部門は停滞中です。
出典:人口推計の結果の概要(総務省統計局)
出典:レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)
最後に、15歳未満人口とフィールドアスレチック参加人口の情報です。
どちらも下落傾向ですが、下落率が違います。
15歳未満人口は、2012年と2021年を比較すると89.3%。
フィールドアスレチック参加人口は、2012年と2021年を比較すると78.6%。
フィールドアスレチックの人気に陰りが出ています。
未就学児が約半数、小学生が約3/4
フィールドアスレチックで遊ぶのは主に子どもです。
未就学児と小学生のアスレチック利用経験情報が以下です。
この情報は、2021月11月のアンケート結果です。
出典:【屋外アスレチック施設への来園意向・要望に関する調査】8割の小学生が来訪経験あり!遊具の種類が重視ポイント!(いこーよ総研)
未就学児が半数弱、小学生が約3/4。
フィールドアスレチック経験の一番の要因は、自宅から行ける距離に施設があるかだと思っています。
出典:【屋外アスレチック施設への来園意向・要望に関する調査】8割の小学生が来訪経験あり!遊具の種類が重視ポイント!(いこーよ総研)
上記、フィールドアスレチック施設を選ぶ際のポイント、複数回答結果です。
「家からの距離・立地」は3位で、1位は「遊具の種類」、2位が「入場料金」です。
グラフ内一番下の「コロナ対策 26.0%」は、いまならではの項目です。
2022年現在、(有料)屋外アスレチック施設に行くと、出入り口には消毒液が設置されています。
屋外だから大丈夫とは言えない時代です。
半年から数年に1回の頻度
以下、フィールドアスレチックに行く頻度の情報です。
出典:【屋外アスレチック施設への来園意向・要望に関する調査】8割の小学生が来訪経験あり!遊具の種類が重視ポイント!(いこーよ総研)
1位が「半年~1年に1回程度」の31.0%、2位が「数年に1回程度」の23.0%。
なぜ、この頻度なのかそれぞれの理由がありそうですが、その1つに、遊具の中で今回はできなかったものが、1年経過するとできるようになる、は思いつきます。
それに、同じアスレチック施設に頻繁に通うニーズは低く、アスレチック施設で年パス(1年間有効の無料パス)を僕は知りません。
出典:【屋外アスレチック施設への来園意向・要望に関する調査】8割の小学生が来訪経験あり!遊具の種類が重視ポイント!(いこーよ総研)
1位が「2~3時間」の31.5%、2位が「3~4時間」の25.5%。
お昼ご飯を持参して、ピクニック気分を満喫する家族連れがイメージできます。
あるいは、昼ご飯を食べた後におやつを持って夕方まで子ども達を遊ばせておく親。
出典:【屋外アスレチック施設への来園意向・要望に関する調査】8割の小学生が来訪経験あり!遊具の種類が重視ポイント!(いこーよ総研)
最後に入場料金の情報です。
1位が「501~1,000円」の43.0%、2位が「1,001~2,000円」の24.5%。
東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオジャパンのように、大型レジャー施設の料金が上がっており、それに比べればお財布にやさしい金額です。
stand and fight
アスレチックに行くと、子どもも大人も性格が出ます。
人気アスレチックには順番待ちが発生しますが、その待ち行列での待つ行為もその1つ。
きれいに並ぶ子、よそ見をして前の子と空間が空きがちな子、それを指摘するか悩んでいる後ろの子。
大人もうまく誘導する言葉をかける人や、厳しい言葉を投げる人、放置する人がいます。
人が社会で生きていく中で、たくさんの違う考えの人がいるのと同じ縮図です。
こういう点も社会性を身に着けられる場面で、できる限り子どもに判断してもらいたい。
どういう振る舞いをしたら良いのか、人に声がけするならどんな言葉を選ぶのか。
自分の思い通りにならなかったとき、それを消化するのも含め大切な経験です。
アスレチック難易度が高くなると、子どもの不安も良く見えます。
前の子がやっているのを見て、うまくできるかなとソワソワしている。
親や友達に声をかけて、サポートしてもらったり、頑張る宣言をしたり。
それぞれの子どもの性格が出ており、親側としては子どもの特質が分かる場面です。
少し難易度が高いものをクリアする。
一歩一歩人生を進める究極のコツでもあり、歩みを止めないことが遠くにたどり着く最適解です。
子どもの1年は、身長や運動神経の差として大きくなります。
自分より何歳か年上のお兄ちゃんがらくらくクリアしていく姿を見て、自分もそうなりたいと思う。
自分が余裕をもってクリアできるアトラクションを、自分より年齢の若い子がゆっくりクリアしているのを見守る。
子どもはアスレチック施設に行くと、すべての種目を制覇しようとします。
大人でも難しい、たとえばウンテイ的なものは、小学校低学年等ではクリアできないものもある。
ごまかしごまかしクリアできたものは、「いまのはできたにカウントする」のも微笑ましい。
自分が子どもの頃、全制覇したいお猿さんだった記憶があり、人間に備わった基本機能かもしれません。
水場アトラクションのあるアスレチックでは、靴が水に浸かるのは軽傷、全身水没もあり得ます。
それゆえ、持ち物として着替えは必携です。
屋外アスレチック施設で子どもが泥だらけになって、帰りの車で熟睡している姿は、良い1日だった結果です。
アスレチックは、一時親がサポートしてクリアするものがあっても、最後は自分一人でやり遂げるもの。
stand and fight.
親はボクシングのセコンド役であり、子ども本人の成功と失敗を見届ける存在です。
さいごに
僕は、わが家の子どもが簡単なアスレチックができるようになってから、1年に数回、屋外・屋内問わずアスレチックに出かけるようになりました。
他の地域を知らないのでその充実度は分かりませんが、東京近郊にアスレチック施設は複数あり、休日レジャースポットとして活用しています。
東京都大田区にある「平和の森公園フィールドアスレチック」は、その充実度と料金の安さ(小中学生100円)から、最高のアスレチック施設です。
横には無料施設「大森 海苔のふるさと館」があり、さらにその奥に白い砂浜がある「大森ふるさとの浜辺公園」もある。
砂浜からは羽田空港発着の飛行機も見えますが、海水浴ができない場所で、海のにおいが少し臭いのは東京湾らしい。
週末は駐車場入場待ちが発生する場所ですが、家族連れが1日、ゆっくり遊べる場所です。