子どもが、友達の家に遊びに行く。
いまは昔に比べ、他家へ訪れるのに、ハードルが上がっています。
ママの気苦労は多いですが、行ったら一息つける環境にもなりえます。
子どもは単に遊びたい気持ち全開ですが、その行き来も子どもにとって大事な人生経験になります。
だんだんと仲の良い友達ができる
子どもの成長とともに、仲の良い友達ができ、一緒に遊びたい欲求が高まってくる。
保育園や幼稚園、いきつけの児童館など、友達ができるきっかけはいろいろあります。
特定の友達と一緒にいる時間が増え、決まった遊びをするのがルーティン化していく。
自分のやりたいこと、相手が望む遊びを交互にやったり、おもちゃの貸し借りなど、社会性をはぐくむ良い機会です。
幼児時代に仲が良かった友達が大人になっても交流が続く可能性は低いですが、子どもたち同士、その時一緒にいたい気持ちは見ていてよく分かります。
一緒に遊びたいという直接的な言葉を発するのは分かりやすく、否定的な発言でもよく聞いてみると仲良くしたいのに思い通りにならない裏返しであったり。
人間関係の試行錯誤、生きていくうちにずっと続くトライアンドエラーの始まりです。
昔も今も、一人で遊ぶ子はいます。
いつも一人で絵を描いていたり、本を読んでいる子は、記憶を探れば思い当たる人がいるのではないか。
一人遊びしている子を「いまは単にそういう時ではない」と僕は割り切れますが、母親の立場なら心配になるのも理解できます。
わが家の子どもの友達の一人にそういう子がいて、ママはそれを深刻ではなく、わずかな心配として見ていたそうです。
あわてず騒がず親がどっしり構える姿勢は、子ども側が過度に反応せずに済む、自分はそのままで良いと思える良い環境です。
ちなみにその一人遊びをしている子は、運動会でわが家の子どもとペアになってから急速に距離を縮め、いつも一緒にいるようになりました。
働きだすと、大半の仕事がチームタスクになり、大人になるころまでには一定の社会性は生きていくうえで必要です。
ただ、それを幼少期に無理強いするものでもなく、仲の良い子がいても良いし一人でいるのも無問題。
うまく仲の良い友達ができたのなら、外で一緒に遊んだりどこかに親子同伴で出かけたり。
相手の家に訪問したり、自宅に来てもらう機会も出てきます。
大きなマンションのような集合住宅であれば、よりその可能性は高くなる。
いまの子ども達は、どの程度、そうした行き来をしているのか。
そうした情報が、どこかにないかネットを探したのですが見つけられませんでした。
僕の周囲のお話として、子どもの年齢が上がるにつれ、家を訪問する機会が増えました。
迷惑をかけないのがいまの標準
お互いの家に行き来するようになると、子どもは楽しさ120%ですが、母親は気を遣います。
子どもは感情コントロールが未熟で相手さまに極端な迷惑をかけないために、訪問時の基本ルールあたりは親子で話しておくのはいまの時代の標準かもしれません。
ここで「相手に迷惑をかけない」発想している自分が、現代らしい考えだと気づきます。
昭和中期までは子どもは地域で育てる発想があったらしく、隣の家に普通に出入りしていたり、悪いことをすると近所で有名なカミナリ親父の怒声が聞こえる。
いまの時代、友達の家に入り浸る子どもがどのくらいいるのか。
僕は東京在住ですが、つかず離れずの距離感が東京在住ルールだと考えています。
よって、他家へ行くとき、親として心理的ハードルもあります。
そのために、事前に子どもとルールを話し合っておく。
訪問時に挨拶をする
家に上がる時靴をそろえる
勝手にモノを触らない
おやつや飲み物も持参して、相手の物を欲しがらない
大声を出したり暴れまわらない
友達の家のオモチャは大切にする
遊んだものは片付ける
帰宅時間を考える
窮屈感はありますが、こうした取り決め自体、子どもの社会性の基準になります。
他人宅へお邪魔してあまりにわがままを言う場合は、切り上げて帰るのも僕は良い経験だと思っています。
居心地の良い距離感
子どもは自分の欲求を直球で母親に依頼します。
受け取った母親は、事前準備からアフターケアまで、気を配ることは出てくる。
まずは、いまの時代は子どもの習い事の合間を縫っての、ママ同士のアポ調整が入ります。
LINEがいまの標準連絡手段として普及しているのは、重苦しくならない点でプラスです。
子どもを受け入れる側も、事前準備は最低限やっておきたいと考える。
子どもがいる家で片付けが完ぺきにできていることはないと頭で理解しつつも、自宅にだれかを招くときはできるだけ準備をしておきたい。
片付けはもちろん、相手のママや子どもの飲み物や食べ物など。
相手の心の負担になりすぎないレベルのものを準備する。
訪問する側は、お土産を持っていくのか。
持っていくのであれば、どんなものにするのか。
この文章を書くにあたり、ネットで友達宅へ来訪時のお土産を検索しましたが、僕にはフィットしない情報が多かったように感じます。
曰く、高価すぎないがそれなりに有名なスイーツ、菓子折りが無難、手作りのも食べ物は避ける。
言わんとしていることも分かりますが、それは平均年収1,000万以上の東京都港区在住の方向けといぶかってしまう。
マウンティング目的ならば高価なモノや手の込んだものは有効でしょうが、長く良い関係を築く目的ならマイナスにならないのか
高い緊張感の関係性なのであれば、僕はそっと距離を置きたい。
相手の子どもが好きなキャラクターのスーパーに普通に売っているお菓子でも良いし、少しだけ背伸びするならヨックモックの焼き菓子など、これ嫌いな人いる?という選択も相手を慮っている姿勢。
僕が良いと思っているのは、お客さん側が自分のおやつや飲み物持参するプラン。
そうすればお互い気を遣う必要が低くなり、かつアレルギーや好き嫌いの心配がなくなります。
「いまから行って大丈夫」
「何もおもてなしできないけどOK」
こうしたできるだけ軽いやり取りできる関係性は、子どもにとっても居心地が良いものです。
何時間か、子ども達が勝手に遊んでいる。
訪問側の親は友達の家に子どもを預けて、自分の時間にする。
イタズラしたなら、預かった側の親がその場で叱って、親に伝達するのも今の時代は難しいが故、そうした人がいるとありがたい。
そうしてもらったら嬉しいことが、自分ではリスクとして回避してしまっているのは、自分の弱さです。
他人の親から叱られるのは効果が高いもの。
僕は子ども時代、友達の親や近所の大人に叱られ、それがいまでも記憶に残っています。
ただ、すべての子どもの友達(家庭)と、そうした関係ができるとも思っていません。
ありがたいことに、わが家と行き来があるお宅は細かな配慮ができる方が多く、かつザックリ対応してくれます。
ちょっとぐらいのことは「いーよいーよ、あっはっは」と笑ってくれます。
そういう関係性に感謝しつつ、そういう方へのお土産として渡して評判だったものが「ゆず」。
僕の奥様の実家に「ゆず」がなっており、そこで取ってきた「ゆず」をお土産とする。
自己満足ですが、その時期にしかない旬の物をもらったなら、僕なら嬉しいと思います。
さいごに
子どもの友達がわが家に訪問して、帰宅時、玄関でバイバイする。
そこで相手の子どもが「また、来たい」と自分の母親に話し、ママさんは「また、今度ね」と、妥当な回答をする。
相手の子どもがわが家で楽しめたのであれば、こちらとしてはうれしい評価。
わが家の子どももそれに引きずられ「今度、〇〇の家に行くからね」と、子ども同士で約束している。
子どもが純粋に、一緒にいたい友達がいる。
それだけで親として相手の子どももママさんにも、心の中でアリガトウと感謝しています。