毎年、中高一貫校が増えているのをご存知でしょうか。
そして高校募集をやめる学校(高校募集停止高)も増えています。
また最近は、公立の中高一貫校も人気が高まっています。
この先、私立高校も所得制限付きですが無償化予定などルールもどんどん変わっていきます。
中高一貫校の種類
中高一貫校とは、いくつかの分類があります。
法制面での分類
種類 | 特徴 | 高校で他校進学 | 他校からの高校入学 |
中等教育学校 | 中学校に相当する3年間を前期課程 高等学校に相当する3年間を後期課程 前期課程を修了すれば中学校卒業と同等資格 |
OK | 基本ナシ |
併設型 | 同一設置者が中学と高等を併設、連続して教育 中学校の卒業者は無試験で高等学校に進学可能 |
OK | アリ |
連携型 | 異なる設置者間での設置も可能 1対nで、中高のどちらかが複数になることもある |
OK | アリ |
高校入学者の扱い分類
種類 | 特徴 |
完全中高一貫 | 高等学校での生徒募集がない |
併設型中高一貫校(別クラス型) | 高等学校から入学者(外部生)と中学校から入学者(内部生)が別クラス |
併設型中高一貫校(混合型) | 高1~高3のどこかで、外部生と内部生を混合させる |
公立と私立の中高一貫校の違い
種類 | 内容 |
学費(授業料) | 公立中学=無料、私立中学=有料 公立高校=実質無料、私立高校=有料 |
カリキュラム | 公立=学習指導要領しばられる 「先取り学習」をするなら個人で行う必要アリ 私立=学習指導要領しばられない 5年で6年分の授業を行う「先取り学習」が多い 最後の1年は大学受験準備期間にあてる |
中高一貫校の数の推移
出典:高等学校教育の改革に関する推進状況について(文部科学省)
確かに数は右肩上がりで増えています。
併設型が3/4で、大多数です。
高校募集していない学校
以下のように、高校募集を止める学校も増えています。
▼近年、高校募集を停止した学校
高校名 | 停止年 |
浅野 | 1997年 |
サレジオ学院 | 1999年 |
大妻多摩 | 1999年 |
学習院女子 | 1999年 |
立教女学院 | 1999年 |
獨協 | 2000年 |
武蔵 | 2000年 |
暁星 | 2001年 |
光塩女子学院 | 2001年 |
渋谷教育学園渋谷 | 2002年 |
逗子開成 | 2003年 |
実践女子学園 | 2003年 |
清和女子短大付属 | 2003年 |
田園貼付学園 | 2003年 |
東洋英和女学院 | 2003年 |
森村学園 | 2003年 |
品川女子学院 | 2003年 |
浦和明の星女子 | 2006年 |
共立女子 | 2006年 |
東横学園大倉山 | 2006年 |
秀明 | 2006年 |
聖学院 | 2007年 |
吉祥女子 | 2007年 |
穎明館 | 2007年 |
大妻中野 | 2008年 |
横浜英和女学院 | 2008年 |
中村 | 2009年 |
横浜女学院 | 2009年 |
東京都市大付属 | 2010年 |
海城 | 2011年 |
神奈川学園 | 2011年 |
洗足学園 | 2011年 |
東京純心女子 | 2011年 |
富士見 | 2011年 |
攻玉社 | 2012年 |
那須高原海城 | 2012年 |
麹町学園女子 | 2012年 |
東京女学館 | 2012年 |
聖セシリア女子 | 2013年 |
かえつ有明 | 2013年 |
京北学園白山 | 2014年 |
高輪 | 2014年 |
東京学園 | 2016年 |
東邦大付属東邦 | 2017年 |
開智日本橋学園 | 2018年 |
三田国際学園 | 2018年 |
▼そのほか高校募集をしていない有名校
高校名 |
麻布 |
早稲田 |
芝 |
駒場東邦 |
栄光 |
聖光 |
桜蔭 |
女子学院 |
雙葉 |
白百合学園 |
鴎友学園女子 |
頌栄女子学院 |
吉祥女子 |
立教女子学院 |
東洋英和女学院高等部 |
大妻 |
共立女子 |
普連土学園 |
光塩女子学院高等科 |
実践女子学園 |
山脇学園 |
フェリス |
横浜雙葉 |
横浜共立 |
渋谷学園渋谷 |
中高一貫教育のメリット・デメリット
▼メリット
・高校受験する必要がなくなる(高校受験対策時間不要)
・大学までの一貫校の場合、大学受験も不要(内部進学)
・高校受験のための部活動をやめる必要がなくなる
・私立の場合中高6年中、5年で通常カリキュラムを終え、残り1年を大学受験準備にあてる
(公立は学習指導要綱に縛られるので先取り学習はできない)
・特に私立は校風がしっかりしている
・周りの学力レベルが同程度の可能性が高い
・学校にうまくフィットすると能力があがり、偏差値の高い大学に進学できる可能性が高まる
・ママ友付き合いが薄い、遠方からの集まりが多いため
▼デメリット
・レベルが高い学校の場合、ついていけなくなる可能性
・メンバー入れ替えば少ないので合わない場合は6年間つづけるかどうか
・小学5・6年時に遊ぶ時間が減る
・自宅より遠方の学校の場合、通学に時間がかかる
・学校までの距離があると休日に学校の友達と遊べなくなる
・富裕層が多い学校の場合、お坊ちゃんお嬢ちゃんが多い
さいごに
この先、教育に関してセンター試験廃止やプログラミング必修化など、いくつかの変更が決まっています。
少子化で大学全入時代でもあり、以前とルールが変わっていきます。
何かに挑戦するときに、ルールや前提情報を知らないと、スタート時点でビハインドです。
魚釣りをする時に、どこにどれだけの魚がいて、どの道具なら釣れるのか知っているかどうか。
それとともに、だれでも自分の得意分野があり、人よりうまくできることがあると思います。
放置するとマズイのはそれが中途半端で、実際にはたいしたことがない、という状況。
器用貧乏というのも、コレに属するかもしれません。
自分が少しできても、磨いていくとどこかで壁にぶち当たる。
人よりもその部分がなまじわかっているがゆえに、その分野で突出している人のレベルも理解できてしまう。
その時に、まだその分野を突き詰めていくのか、違う場所・分野にスライドするのか。
世の中には一定割合で、次元が違う仕事をされる方がいます。
そうした方と仕事をすると、悔しさとともに本当に学ぶことが多いです。
「自分はたいしたことがなく、スゴイやつはいる」
中学・高校や塾などで、次元の違う人が同世代に1人はいたと思います。
そういう人を間近で見ることは意義がありますし、正面で戦っても勝負にならないでしょう。
また、エースクラスと闘える武器を持っているのであれば、その中でもまれるのも、良い環境といえます。
実際は自分の技量のわずか上の人と切磋琢磨が一番能力が伸びる、ということが研究結果であります。
中学受験はたくさんある人生の分岐の1つです。
それでも、中学受験をするかも含め、真剣に考えるだけの価値がある分岐だと、僕は考えています。
ではでは。
高校募集停止している学校も増えている
近年やこの先も制度は結構も変わっている