モヤっとする途中合流、割り込みは法律違反

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育児・子供観察

自分が並んでいる行列の前に、別の人が途中合流。
モラル的にどうなのか、という論争が昔からあります。
人気テーマパークでは、待ち時間が1時間以上となる状況もしばしば。
そのため、いくつかの人気施設側は、「途中合流禁止」を明記しています。
ただ、厳格に履行されているかといえばグレーでもあり、それゆえいまでも論争ネタなんだと感じます。

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昔からある途中合流(横入り・割り込み)論争

だれしもが知っているように、東京ディズニーリゾートでは、人気アトラクションでは待ち時間が1時間以上のアトラクションがザラにあります。
そこに自分と家族や友人が長時間並んでいたとして、やっともう少しで目当ての乗り物に乗れる。
このタイミングで、自分の前にいた人のところに、ご家族やご友人数名が合流。

その場で、「ちゃんと並んでください」と言える人は、日本人特性を考えると少ないと思っています。
しかし、不愉快な気持ちがあるのでモヤッとして、後で自分の家族で「あれはルール違反」と言いあったり、ネットに書き込んむ。
鉄板ネタの1つとして、昔からあるものです。

こうした途中合流について、テーマパーク側に明確なルールがあるのか。

各イベント施設での途中合流の判断はまちまち

いくつかの人気テーマパークのWebサイトで、途中合流を禁止しているかの記載があるかの一覧が下です。

公式途中合流判断 記載内容
東京ディズニーリゾート 言及せず ーーー
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン 禁止 アトラクションやショーなどを列でお待ちいただく際、列への合流はお断りします。
ハウステンボス 禁止 他のゲストのご迷惑となる行為(危険行為や割込み、列への合流)をお断りします。
富士急ハイランド 言及せず ーーー
よみうりランド 禁止 途中合流はご遠慮いただいております。
サンリオピューロランド 一部許可 待機列への合流はできません。
ただし、保護者(中学生以上)の方が待機している列や場所へお子様(小学生以下)と保護者の方の合流は可能です。
ナガシマスパーランド 言及せず ーーー

明確に禁止と記載がある施設と、そうではないところでまちまち。
ただ、禁止と言っている施設がそれなりにあるのは、その状況・要望があると受け取れます。
どこでも途中合流トラブルは発生しているが、明確に記載するかしないかのお話。

公共施設の「途中合流禁止」記載があるなしに関わらず、日本では「割り込みは法律違反」に当たります。

「割り込み」は「軽犯罪法第1条第13号」で法律違反

個人的な感覚ですが、言葉の響きとして、「途中合流」は正当性を感じます。
これが「横入り」「割り込み」になると、悪い印象が出てくる。
この「割り込み」は「軽犯罪法第1条第13号」で法律違反になります。

公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待つている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者

出典:軽犯罪法第1条第13号

ここまでをまとめると、施設側に「途中合流禁止」という記載がなくとも、法律でNG。
日本国内において公共の場の列に、途中合流はダメとなります。

対策をするのは施設側なのでは

たかだか、遊園地など子どもが行くような場所で、そんな目くじら立てなくても、という言い分も分からなくないです。
そもそも、人気の乗り物やキャラクターに会いに行くテーマパークは、楽しむ場所。
この楽しむ場所として、理想論ですが来場者全員に笑顔になってもらう、というのが施設側が望む状態だと思います。

仮に、入場者同士ので「割り込んだ」「そんなルールはあるのか」のケンカが発生したとしたら。
結果的に、施設側には仲裁や場合によってはケガの対応、周囲の人への不快(悪い思いで)など、大きなコストとなります。
リスクマネー時の観点でも、僕は施設側が対策をすべきだと思っています。

施設側で来場者に分かるように伝える

僕がテーマパーク運営者側だったとして「途中合流禁止を入場者に周知」するとして。
思いつく対策は、ほぼ全員にわかるような告知方法で、「途中合流NG」を伝えるというもの。

具体的には、入り口付近に目立つ看板設置、施設内放送を定期的に流す。
それが、施設の雰囲気を壊す懸念も分かりますが、なるべく多くの人に楽しんでもらう上で必要と考える。

もともと、途中合流をしない人には周知は必要ないですが、この層は告知を聞いて「まぁ普通だよ」と思うだけ。
狙う層は「途中合流禁止を知らなかった、そうれを知っていればそのルールで動いてくれる人」。
知らなかったがゆえ、途中合流してしまっているが、じつは悪意がない。
この層が減れば、大半のモヤっと感が解消されるのでは、と思いました。

「途中合流NG周知」を見聞きしても、受け入れない人は一定数いると思いますが、この層にルールを守らせるのは大変。
仮にトラブルになった場合でも、だれでも分かるようにしていれば、施設側の態度も毅然とできます。
もちろん、強圧的な姿勢で挑むのではなく、訪問者(ゲスト)みなさんが楽しく過ごしてもらうため、という姿勢で挑む。

そもそも、施設側が「途中合流OK」というポリシーであれば、この対策は不要です。
ですが、それは小さなトラブルに目をつむり、大きな炎上になってから火消しにやっきになるような。
リスクマネージとしては悪手と僕は考えています。

途中合流NGの例外

僕が途中合流しても良いと考える状況が、「基本は全員で並んでいて、トイレなどやむを得ない事情の時に一時、列を離れて用事が終わったら速やかに列にもどる」という時。
列を離れる際、施設側スタッフにひと声かけて、前後の人にもそれとなくアピールしておくと、なお良い気もします。

例外は作るべきではないという意見もあるかもしれませんが、僕はこれは例外ではなく、生理現象のようなものは緊急事態。
こうしたことこそ、「思いやり」として許容しあう社会が、閉そく感あふれる現代には必要だと思っています。

小さな子ども長時間待つ、子どもの待つ限界が低いのも当たり前で、僕も実体験で分かっています。
タブレット端末などで、列に並んでいる子どもの気を紛らわしている親も見かけます。
これを「タブレットを長時間見続けてけしからん」などの苦言を呈する人もいますが、僕は周りへの配慮まで考えている、と思う肯定派です。

さいごに

子どもが長時間、列に並ぶことができずにぐずり出したら。
たいていの場合、親は何とか子どもの機嫌を取ったり、気をそらしたりと、試行錯誤すると思います。
それでも、子どもが列に並んでいられなくなったら。

僕は、あきらめて帰れば良いと思っています。

せっかく入ったのに、お金がもったいない、という視点もあります。
厳しい意見としては、それを見越せなかった親側の甘さ、親側の準備の問題でもあります。

自分の問題と捉えず、子どもも一定我慢していたが、コップから水があふれるように、我慢の閾値が超えるだけ。
子どもが「自分が我慢できなかった経験ができる」、と捉えるくらいで良いと思っています。

大人向けの施設に、子どもを連れてきて騒ぐことは、僕はモラル違反だと思っています。
たとえば、クラッシックコンサートで子どもの泣き声はマズイ。
それとは別に、子どもが喜ぶテーマパークなどでは、みんなが少しずつ譲り合って、楽しい思い出を作れると良い。

子どもがコントロールできないことは、子連れであればお互い、身に染みて了承済み。
「あっちも大変そうだなぁー」くらいの温かい目で、見られる余裕を持ちたいと思っています。