「東京と地方の学習環境の違い」を子どもと話すとき考えること

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育児・子供観察

東京都と地方で学習能力差があるのか、という話題があります。
この話題の答えは「ある」というのが現実です。
ただコレはあくまでが学力のお話で、幸せとは別です。
東京だから幸せという考えであれば、どこにいっても同じでしょう。

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所得と学力には相関がある

文部科学省やベネッセなどの所得と学力に関するデータをまず記載します。


出典:学校基本調査(文部科学省)

都道府県別私立中学校の生徒数は東京が圧倒的です。
また人口が多い都道府県が上位を占めています。

 


出典:平成29年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料(国立教育政策研究所)

公立と私立の学力調査結果です。
私立のグラフが右にボリュームゾーンがある、これは私立の方が学力が高いということです。

 


出典:子どもの学力を規定する親の「富」と「願望」 (ベネッセ総合研究所)

小学6年生が、塾に通っているかいないかと学力の関係です。
塾に通っている人たちの学力が高いです。

 


出典:子どもの学力を規定する親の「富」と「願望」 (ベネッセ総合研究所)

親が大卒かどうかと、子どもの学力の関係です。
親が大卒の方が、子どもの学力が高いです。

 


出典:親の収入と高校卒業後の進路(文部科学省)

親の収入が、子どもの高卒後に大学に行くか就職するかのグラフです。
収入が高いほど、大学進学率が高いです。

こまでのデータをまとめます。
大都市圏在住者は通塾者が多い
通塾者は学力が高い。
親の学歴が高い家庭の子どもは、大学進学率が高い。

 

地方出身の同僚のつぶやき

ある同僚がしみじみと、その人の故郷の学校状況について語ってくれました。

自分の故郷は本当に田舎で進路選択肢が極端に少なかったです。
高校進学では、各中学の上位層が集まる進学校が県の中心に1つだけ、あとは地元の高校へ。
地元の高校はヤンキーとかも多く、上位学校に行くかどうかは大きな分岐でした。

その人はその地域の進学校→東京の大学→東京で働いています。
この辺りを単純化として単に図示すると以下です。

上の図では単純に左から右に移動するときに、Aから順に並べただけです。
実際はさまざまな状況があるので、こんな単純移動ではないでしょう。
それでも現実には例えば高校進学時に偏差値という学力別グループ分けされるので、この図に近くなります。

「子どもにレベル分け(階層)なんて」と感情的になる人もいます。
しかし、レベル分けすることは全員のためになる、という以下の研究結果があります。

マサチューセッツ工科大学のデュフロ教授らが、アフリカのケニアの小学校ある実験を行いました。
調査項目は「学習習熟度別にレベル別グループをつくり、結果がどうなるか」というもの。
結論は「(適切な教育が行われれば)習熟度別学習ですべての層の子供が学力を向上した」となりました。

研究結果もありますが、状況を想像してみる納得できます。
自分がまったくついていけないレベルや簡単すぎる授業(環境)で、成長できるか。
教師側視点でも、あまりにレベル差がある状況だと、授業をどのレベルに合わせるか。

当たり前ですが、地方には地方の良さがあります。
自然が多く、その土地の特色や価値観、激しい競争が少ないなど。
すべての人が東京のスピード感が適切とは思えません。

また「生活基盤を作る年齢が早い」という事も、悪く言う人もいますが僕は地方の良さだと捉えています。
一般論として、地方は結婚・出産・マイホーム購入などが早い。
東京だと楽しいことが多く、周りからのプレッシャーも少なく、気がつくと時間が経過しているということが往々にしてあります。

僕自身、20代後半はまさに自由時間を満喫、結婚や出産も日本の同年代平均より遅い時期でした。
いま、過去の自分に言うのであれば以下の言葉をかけると思います。
「若いときの楽しんだ時期が無駄ではないけれど、価値のある時間について考えたほうが良いよ」

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さいごに

重要な点なのでもう一度書きます。
「学力が高ければ幸せになれるわけはない」と僕は考えています。

ただ綺麗事ではなく、学力と収入には相関があります。
大金持ちになりたいと言う人はそれで良いと思いますが、僕はそれを求めていません。
でも「お金は不幸回避するときに最大級の武器」と僕は考えています。

僕の自宅のお隣さんで、ご自身は地方で育ち、いまは東京で高校教師をされている方がいます。
その方のお子さんは、有名中高一貫校→有名大学に入られました。
その方から伺った言葉が、いまも頭に残っています。

「自分が地方で育ち、東京で子育て・教育してみて本当に分かりました。
地方と東京では学ぶ環境・情報がまったく違っていて、ルールが違うと言うレベル。
地方から出て東京に来なかったらそれは分からなかったと思いますが、いまはそれが断言できます。

1人の意見ですが、コレは東京在住の現役高校教師の発言です。
僕も社会人になって、上京して東京と地方の両方を経験しています。

いまは自分の周囲は、旦那さんが海外で働いている人や、国際結婚で海外で住んでいる人が普通にいます。
ちなみに旦那さん不在でお子さんいる完全ワンオペのところは、相当ハードのようで「オツカレサマです」と心から思います。

僕が育った地方では、海外赴任するとか海外に移り住む、という人は周りに1人もいませんでした。
単に環境の違いとも言えますが、もっと大きな点として「あっ、それもアリなんだ」と普通に思えるかということ。

学歴(たぶん日本では入学歴)がすべてではない、という事は簡単です。
僕自身、生きてきて思うのは「学歴より環境、しかし実際にはその環境もある程度学歴と関係している」と考えています。
自分の子どもに「大学って行く意味あるの?」と問われたとき、いまならこんな回答をします。

「自分が将来進みたい道から逆算して、大学に行く必要がある・行きたい大学があれば行くとよいと思う。
違う視点だけど、リベラルアーツは生きるベースになることが多いので、学んだ方が良いです。
でもね、本当に思っているのは、頭がキレるおもしろいヤツが周りにいると、とてつもなく楽しいよ。」

ではでは。

◆今回のまとめ◆東京と地方で環境の違いはある
価値観や時間の考え方も違う
学力が高ければ幸せというわけではない