スイミングプール減少時代だが幼少期に水が好きになれば一生もの

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育児・子供観察

プールで泳ぐ人は減っています。泳ぐ人が減っているから施設が減っているのか、施設数は右肩下がりの流れです。週1回以上、泳ぐ人のその割合は9%と、高いのか低いのか分かりません。スイミングが子どもの習い事の上位に位置し続けていますが、泳ぐ行為は高齢になっても続けられる心身ケアではあります。

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プール人口はここ10年で1/3弱に減少

以下、『レジャー白書』に記載されている、プールでの水泳・参加人口です。

プールでの水泳 参加人口の推移
出典:レジャー白書 2022(公益財団法人 日本生産性本部)

全体の流れは、プールに行く人は減っています。特徴の1つとして、2020年のコロナウィルス流行でさらに大きく沈んでいます。2010年と2021年を比べると、1,400万人が520万人と37.1%になっています。

スイミングプール 余暇市場の推移
出典:レジャー白書 2022(公益財団法人 日本生産性本部)

こちらはスイミングプールの市場で、1つ上のグラフより長い期間の情報です。参加人口と同じく減少傾向は変わらず、2000年がピークで、2010年以降の下落率は低めです。2000年は2,860億円、2021年は1,250億円、前後比45.3%とスイミング市場は半数弱になっています。

日本のスイミング施設数推移は山型

1969年からのスイミング施設数に関するデータが政府統計e-statにあります。施設数(棒グラフ)と人口当たりのプール数(折れ線グラフ)情報が以下です。

スイミング施設数と人口当たりのプール数
出典:体育・スポーツ施設現況調査(政府統計 e-stat)
日本の総人口推移
出典:人口推計の結果の概要(総務省統計局)

棒グラフ(スイミング施設数)と、折れ線グラフ(人口比)の流れはほぼ同じです。真ん中が山になって両サイドが下がっています。施設数も、人口当たりの施設数も1996年が最盛期、施設数は39,981です。グラフ内一番左、1969年はいまから約50年前ですが、一番プール数が少なく人口当たり施設数でも最低数字です。日本では、高度経済成長期からバブル崩壊後までプールが増え、それ以降減っています。

屋内・屋外のスイミング施設数
出典:体育・スポーツ施設現況調査(政府統計 e-stat)

1つ上のグラフは、屋内屋外問わずの合計施設数でしたが、上記は屋内プールと屋外プールの個別推移です。屋内プールは微増、屋外プールは山型で近年は減少から横ばい傾向。屋内と屋外を比較すると、屋内プールが圧倒的な割合です。

週1回以上泳ぐ人は9%

スポーツ施設で泳ぐか泳がないか。2021年に1,248人に実施したアンケート結果がありました。

スポーツ施設での水泳行動率
出典:ココロの体力測定 2021(株式会社ベネクス)

男女比較では、男性の方が泳ぐ人が多い。週1回以上泳ぐ人は、男性では11.2%、女性は6.7%、平均で9.0%です。

年代別スポーツ施設での週1回以上 水泳行動率
出典:ココロの体力測定 2021(株式会社ベネクス)

週1回以上、泳ぐ人の年代別情報です。男性は20代が1位、女性は70代が1位で、70歳代は唯一女性が男性を上回っています。男女どちらも中年期が泳ぐ人が少なく、高齢になると増加しています。

泳ぐ泳がないでの健康満足度
出典:ココロの体力測定 2021(株式会社ベネクス)

上記は、週1回以上、泳ぐか泳がないかでの健康満足度結果です。泳いでいる人が健康満足度が高いわけではなく、泳がない人との差はほとんどありません。不満と答えている人は、泳ぐ人の方が泳がない人より多い結果です。

水中の気持ちよさは一生もの

僕は子どもと、週末に公共プールによく行っています。目的は、子どもが泳げるようになること。他には月並みですが、子どもの健康面や体力強化、水への心理ハードルを下げておきたいもあります。

我が家の子どもは園児の時、スイミングスクールに通って、1か月で辞めました。理由は、子どもがおぼれそうになり、水を怖がってしまったため。正直、スイミングスクール側がプロ意識に欠けると考えており、小さな子どもに対して最もやってはいけない行為だと考えています。幼少期は水に慣れ親しむのが最優先のところ、水を怖がる心理負荷を作ってしまった。起こったことはしょうがないので、当時、プールは夏のレジャープール以外は行きませんでした。もちろん、レジャープールでも深いところには行けず、親がつきっきりの状態です。

子どものおぼれ未遂事件から1年以上経ったころ、リカバリを目指し僕がマンツーマンで一緒にいることを前提に、公共プールに連れ出しました。わが家の近くの公共プールが温水で、浅いプールがあるため、浅いプールのみに行こうというルールです。

プール復帰1回目、子どもは恐る恐る水に入る。何より、本人が心配していると想像したのは、おぼれないか。子ども用の浅いプールに入ってみると水深は子どもの腰上くらいで安心できたのか、その後は怖がらず水に入り続けられました。

1回目は、遊ぶ・楽しむが主眼です。その公共プールには、ビート板が自由に使えるので、ビート板につかまってぱちゃぱちゃする。ビート板が浮くものだと体感させつつ、僕がビート板で波を作ってこどもに浴びせかけてふざける。推奨できない行為ですが、ビート板を水中に沈めて自分がその上に乗ってサーフィン気分になる。水の中も気持ち良いんだと感じてもらう。

1時間程度、プールで遊んで帰路についたとき、子どもにどうだったと聞くと「楽しかった」と答えました。「また行く?」の問いに「うん、行く」の嬉しい回答でした。その後も、予定がない週末は子どもとプールに行くようになり、やがて習慣化できました。プール内で追いかけっこや水中じゃんけんなど遊び色も残しつつ、徐々にトレーニング色を強める。水中じゃんけんは顔を水の中に入れるので、すぐにはできませんでしたが、できた時の嬉しそうな顔も輝いている。

ビート板バタ足から泳ぎの練習を始めても、スタート時点は改善点がてんこ盛りです。身体が曲がっていたり、どちらかの足の蹴りが強かったり、ひざが伸びていなかったり。1つずつ時間をかけて直していく。そうすると、子どもも自分がだんだん泳げるようになり、成長が実感して楽しくなる。「今週は〇〇ができた」と自分の口で言語化しているのを聞くのは、自分事のようにうれしいもの。

子どもが休憩中に、自分が本気で泳ぐと気持ちよく、水中は良さを再確認できます。

さいごに

子どもに付き添っていると、昔、自分ができていたことができるかの確認タイミングが発生します。縄跳びの二重飛び、鉄棒の逆上がり、水泳など。

中年以降、運動していないと、縄跳びをすると自分の身体の重さを口にする人が多い。いつの間にか二重飛びが数回しかできなかったり、逆上がりでおしりが上がらなかったり。

水泳も、社会人になってからや子育て期は、意識しないとやらなくなります。それでも、ケガしにくい水中トレーニングは、高齢時の強い味方であり、なにより水中の気持ちよさはお風呂もそう感じる通り、身近な心身ケアです。