この文章のトピックスは以下です。
・2021年同棲している割合は男性2.5%、女性2.9%
・2021年過去に同棲した経験がある割合は男性3.9%、女性4.6%
・基本は男女とも年齢が高いほど同棲経験は高い
・同棲開始から考えた平均同棲期間で長く続いている同棲開始年齢は男女とも20代が最多
同棲は2000年台前半まで増え、それ以降は横ばい
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚者18~34歳、「現在同棲している」割合推移です。
男性は1987年0.9%、2021年2.5%、前後比+1.6%です。
男性は1987年0.7%、2021年3.6%、前後比+2.9%です。
男女とも緩やかに伸びて、伸び率は女性の方が高い。
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚者18~34歳、「過去に同棲経験があるか」割合推移です。
男性は1987年2.3%、2021年3.9%、前後比+1.6%です。
男性は1987年2.2%、2021年4.6%、前後比+2.4%です。
このフラフの中で男女ともピークは最新年の2021年ではありません。
男性は2005年6.0%、女性は2015年の5.2%が最高値で、2002年以降横ばい。
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚者18~34歳、「現在同棲している」と「過去に同棲経験があるか」合算です。
男性は1987年3.2%、2021年6.4%、前後比+3.2%です。
男性は1987年2.9%、2021年8.2%、前後比+5.3%です。
グラフを眺めてみると2000年代に1つの山がり、2010年頃いったん減少し、その後増えています。
年齢別にみると同棲中の年代は20代後半が高い割合
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚者の男性、年齢別の「現在同棲している」割合です。
年代別順位を見ると2002年は「20~24歳」が1位ですが、それ以降は「25~29歳」が1位になります。
2021年「20~24歳」2.0%、「25~29歳」4.5%、「30~34歳」2.2%。
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚者の男性、年齢別の「過去に同棲経験あり」割合です。
過去の同棲経験なので、年代があがるほど数値が高くなる。
2021年の数字は「20~24歳」1.7%、「25~29歳」6.4%、「30~34歳」6.9%です。
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚者の女性、年齢別の「現在同棲している」割合です。
「20~24歳」がピークは2002年の2.7%、2021年もほぼ同値で2.6%。
2021年の他の区分としては「25~29歳」6.4%、「30~34歳」4.4%です。
グラフ内、特に2021年について、「25~29歳」と「30~34歳」が大きく上昇しています。
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚者の女性年齢別の「過去に同棲経験あり」割合です。
総じて同棲経験は女性の方が男性より高く、2021年「30~34歳」以上では11.2%で10人に一人は同棲経験があります。
他のトピックスとして「20~24歳」は2002年の4.8%をピークとしてずっと下がり続けています。
同棲開始年齢は20代がボリュームゾーン
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚男性の同棲開始年齢から起算した平均同棲期間です。
最高値は25歳9.2年で、25歳から同棲を始めて34歳まで続けたのか、あるいは続いています。
グラフ内のボリュームゾーンは20歳代で、このあたりの平均同棲期間が長い。
ほぼ意味はありませんが、全データの平均は5.1年です。
出典:第16回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)
上記は未婚女性の同棲開始年齢から起算した平均同棲期間です。
最高値は22歳の7.9年で、大学卒業から同棲を始めて30歳前まで続いた、続いている結果です。
男性と同じくボリュームゾーンは20歳代ですが、男性よりもう少し若い年齢である20歳代前半の期間が長い。
全データの平均は4.7年です。
衝突時はあえて敬語を使ってみる
2021年の過去に同棲経験があるのは、男性3.9%、4.6%でした。
このデータを見た時、僕は違和感を感じました。
その理由は、僕の周辺にいる若い方たちは結構な割合で同棲されており、ザックリですが1/3くらいは同棲している。
これは僕が東京在住であるのが大きな要因だと予想しています。
今回のデータでは都道府県別の情報がなかったのでエビデンスはありませんが、都市部に移住してきた若者が一人暮らしを始める。
その後、パートナーをみつけ同棲を始める。
これは二人の意思で実現できそうですが、実家暮らしであれば親の介入で同棲できないシナリオが想像できます。
特に女性の子どもの親は、全員が素直に同棲を許容するとは思えず。
昔の習慣が色濃く残っている地方であれば、「嫁入り前の娘が」のような言葉が出てくるシーンもありそうです。
僕は既婚者でそれなりの期間(いまでも)婚姻関係が続いていますが、同棲未経験です。
よって説得力はありませんが、自分が結婚を続けて思うのは同棲は結婚のトライアルとして良い試金石となる。
育ちが違う大人と呼べる年齢の2人が一緒に住む。
小さなやり方や考え方の違い膨大に出てきますし、中規模認識相違や絶対許せないものもある。
外でデートするだけでは分からない、地味な生活全般においての差が同棲すると見えてきます。
カレーに入れる肉は関西以西の牛肉、中部(東海)より東は豚肉くらいであれば、どちらかが折れられそうですが、どちらが折れるか、どうやって折れるか。
このレベルの課題を軽く調整できなければ、結婚して長く添い遂げるのは難しいと実感しています。
また、これはスタンプカード形式で積み重なるものであり、どちらかがため込みすぎるとどこかで破裂します。
折衷点を見つける姿勢をお互いが持っているのか。
相手を受容(尊重)できるか。
恋愛は感情、結婚は勘定という人がおられます。
同棲は結婚前の恋愛時期なので感情で良いと言われればそうなのかもしれませんが、進化心理学的にも現実的にも理性が徐々に優位になります。
同棲期間中または結婚した後でも、感情論でぶつかる何かが発生したとき。
万能ではありませんが1つの手段として、相手を尊重する姿勢を保つのに、敬語で話し合うと後で後悔するが少なくなると思っています。
さいごに
今回見てきたデータでは、同棲年齢のピークは20歳後半で30歳を過ぎると同棲割合が減っていました。
これも想像でしかありませんが、30歳過ぎると自分の生活パターンが確立されるのがその要因の1つではないか。
自分の生活を大きく変えるのが億劫になり、あるいは適度な距離感での関係性を保ちたいので同棲せず一定の距離感を保つ。
これは良し悪しではなく、結婚した夫婦の「寝室を別々にしたい」と同じ匂いを感じます。