三角食べはいまは重要ではない

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育児・子供観察

出された料理を、順番に食べていく三角食べ。
一昔前は、よく聞く言葉でしたが、いまはあまり耳にしません。
その理由の1つとして、そこにメリットもデメリットもあるのがいまの一般的な考え方のようです。
食事を楽しく食べる、食べたいものを調整しつつ食べる感覚は、いまの主流です。

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ご飯とおかずを交互に食べる割合は77.3%

ご飯やパン、おかず、飲み物を順番に食べていく食べ方の1つ「三角食べ」。
1970年代に日本の学校給食において、食育の一環から始まったらしいのですが、正式に厚生労働省や文部科学省からの通達があったわけではないらしく、それでも昭和末期は学校で普通に使われていた単語です。

それが令和で、一般的なのか。
2022年4月の調査では、以下の結果になっています。
補足情報として、このアンケートは複数回答なので、全体で100%になりません。

「食事」をどのように食べているか、おかずとご飯を交互に食べる
出典:小学4年生~中学3年生 400 人に聞く“食事”の実態と“食”とのかかわり(農林中央金庫)

回答者は小学4年生~中学3年生の400人で、全体平均77.3%が「おかずとご飯を交互に食べる」です。
このアンケートの中で、唯一の三角食べの解答がこの「おかずとご飯を交互に食べる」で、いまの子ども達の大半は、三角食べをしています。
令和時代も、三角食べは一般的と言えます。

「食事」をどのように食べているか、おかずを1種類ずつ食べる
出典:小学4年生~中学3年生 400 人に聞く“食事”の実態と“食”とのかかわり(農林中央金庫)

おかずを1種類ずつ、1皿食べ終わったら次の1皿を順番に食べていく。
三角食べは、1口毎に次の皿に移っていくので、この選択肢は三角食べには入りません。
この「おかずを1種類ずつ食べる」の全体平均は13.0%です。

「食事」をどのように食べているか、おかずだけ先に食べる
出典:小学4年生~中学3年生 400 人に聞く“食事”の実態と“食”とのかかわり(農林中央金庫)

「おかずだけ先に食べる」は全体平均で13.5%、この回答者は食事の最後にご飯だけを食べています。
最後のご飯が炊き込みご飯のようなものなら箸が進みそうですが、白米だけ食べているのか。

「食事」をどのように食べているか、ご飯だけ先に食べる
出典:小学4年生~中学3年生 400 人に聞く“食事”の実態と“食”とのかかわり(農林中央金庫)

最後に「ご飯だけ先に食べる」で、全体平均値は6.5%。
小学生が9.5%、中学生が3.5%で、小学生は好き嫌いが多くご飯しか食べずにおかずを残す子がいる結果なのか。

三角食べはいまは功罪両面

三角食べについて、推奨されているかネット上を眺めてみると、いまの栄養士さんたちはメリット・デメリットがあり、どちらとも言えないのが主流のようです。
以下、いくつかのサイトで三角食べをするメリットデメリットとして挙げられていたものと、僕の個人的判定結果です。

▼三角食べは「栄養素」でみると良い食べ方か
個人的主観の判定=〇
順番に食べていると、途中でお腹いっぱいになり全部食べられなくとも、栄養素バランスがとれている

▼三角食べは「偏食に効果がある」でみると良い食べ方か
個人的主観の判定=△
嫌いなものを食べないで、他の物でお腹いっぱいになるのを三角食べは防げる。
それでも、子どもは嫌いなものに手を付けない可能性は高い。

▼三角食べは「よく噛む」でみると良い食べ方か
個人的主観の判定=△
ご飯が柔らかい食べ物として、肉と一緒に食べるなら硬くなり良く噛むようになる。
しかし、そもそも肉だけの硬さでよい。
また、汁物とご飯を一緒に食べるなどすると、流し込むことで噛まなくなる。

▼三角食べは「口内調味」でみると良い食べ方か
個人的主観の判定=△
ご飯とおかずを口内調味するのは、たいていの人がやっている。
マナー的に見ると、口の中に何か入っている状態でおかず追加は気を付ける点。
また、ご飯と混ざると味が薄くなるため、おかずの味付けが濃くなりやすい。

▼三角食べは「ダイエット」でみると良い食べ方か
個人的主観の判定=×
野菜や肉などを先に食べ、炭水化物を後に食べるとダイエットに効果的。
これは、血糖値を上げない食べ方でもあり、健康には野菜から食べるのが良い。
太りたいのなら、ご飯を先に食べるのは理にかなっている。

特に最後の「ダイエット」項目にある、健康面(血糖値)で見ると三角食べより炭水化物を後に食べた方が良いは、名より実を取る現代的で納得感が高い。
現代風で言うなら、多忙な時代なのでワンプレートや一汁一菜思想もあり、そもそも三角食べするほど、料理数が多くないことはあり得ます。
ちなみに、一汁一菜で汁物の中にたくさんの野菜や肉が入っているのは、三角食べとしても栄養価的にも理想形の1つです。

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三角食べを強制するには無理がある

ここまでをまとめると、完食する前提で、ダイエットや血糖値を考えなければ、三角食べを子どもに強制する必要は薄いと言えます。
主菜、副菜、ご飯、汁物がメニューだったとして、1種類ずつ順番に食べなさいと、親は子どもに言うのか。
少なくとも「自分の子どもの頃は三角食べを強制されたから自分の子どもも三角食べが必要」は、思考停止で説得力がありません。
反面、子どもが嫌いなものを残すようなら、栄養面で良くないのは、理由として成り立ちます。

その上で、たいていの親が想う、自分の子どもにいろいろなものを好き嫌いなく食べてほしい。
自分の知らないおいしさに出会えたり、給食含む外食で偏食なく食べられるのは必須ではありませんが、親としては安心です。
一過性ですが、子どもが幼児期は食べられるメニューは限定されるため、外食時にはお店を探すのも一苦労ですが、就学前後以降は何でもおいしそうに食べる姿は理想です。

食べ方についても、魚離れ時代ですが外食で焼き魚を食べたとき、食後の皿に頭と背骨しか残っていないくらい奇麗に食べられる人はそれだけで評価が変わることもある。
「育ちが良い」は中年以降しか使わない言葉になりましたが、食材に対しての向き合い方、食事を大切にしている姿勢は、よほどのことがない限りプラスにしか働きません。
魚に限らず、周囲への配慮はマナーであり、口を開けてくちゃくちゃ食べる人はやはり敬遠されます。

マナーを備え、食事を美味しくいただく。
一緒に食べる人に不快感を与えることなく、食事自体を楽しくいただく。

現代の栄養士さんたちは、三角食べをあまり推奨しなくなったとネット記載がありました。
メリット・デメリットが拮抗している以外に、管理しすぎない点を指摘する方がいくつかのサイトで見られました。

管理しすぎない、個人を尊重する時代ですが、他に健康に積極的に気を使うのも現代の行動基準になっています。
以下、知り合いの肥満児童とそのママさんの会話の一節ですが、「今日はもうオヤツを食べたから、お医者さんから糖質制限アドバイスを考えると、夕食のご飯は少な目」とママさんは子どもに話しています。
一昔前は、太っている子がいたとしても、糖質を考えたり医者制限はレアケースで、多少太っていても行動制限は行われておらず。
肥満は大人子ども問わず、現代のリスクとして普及しています。

実際に子どもの肥満が大きく増減しているかと言うと、そうでもなく。
以下、子どもの肥満率グラフから分かるのは、平成中期がピークでそれ以降少し下がった程度です。

肥満傾向児の割合の推移 男子 肥満傾向児の割合の推移 女子
出典:令和2年度学校保健統計調査の公表について(文部科学省)

中庸が浸透した時代

三角食べの狙いの1つ、栄養バランスが偏らない。
真逆のスタンスは好きなモノばかり食べるがあり、例えばラーメンやお菓子ばかりを食べる人は、現代は少数派だと予想します。
これだけ健康が日常的に耳に入る時代、一歩進むと法で縛られないかと言えるくらいの状況になりました。
定期的に健康診断を定期的に受けている人は、不健康数値が出ると逃げ場のないレッドカードが突きつけられます。

僕の知り合いでレッドカードが出た人が数人おり、食生活の大幅改善を強要されていました。
メタボが過ぎた人は、ご飯は茶碗に半分以下、外食は1か月に1回だけ。
「このままいくと、早くに死にますよ」の言葉を医者から受けている人達なので、本人も家族も従っています。

偏った食生活の別の例では、一昔前バナナダイエットが流行った時、健康悪化した人も知っています。
一応ですが、バナナダイエットとは、バナナならどれだけ食べても良い、というダイエット法です。
その人は結果、体重は落ちたが、カリウムの値が異常値になりバナナを食べるのをやめても、その後数年、健康診断でも値が戻らなかったそうです。
ここから得られる教訓は、何のおもしろみもありませんが「バランスの取れた食生活」は健康には良い、となります。

とは言え、食べることに楽しみを感じない人は少ないのではないか。
子どもならお菓子、女性ならスイーツ系、若者男性は揚げ物や肉。
好きなものも食べるが、頭の片隅で罪悪感もちらつくときもある。
「自分へのご褒美」はそれを表している、あるいは目を反らすための言葉とも取れます。

昭和時代は、お酒やたばこがいまより消費され、健康診断をバカにする人もいたと聞きます。
それが、令和時代は異常値に対して感度が高く、健康への平均値も上がっているので、不健康な人は指導の対象になる。
以前、僕の身の回りのわずかな観測範囲のお話として、太っちょさんがいなくなったと書きました。
いまの子育て世代は、まだ中年でも若い部類なのか、運動会でパパたちを見ても、お腹が出ている人を見つけるのが難しい。

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自分の健康は、以前は自分の物だったのが、いまは世間の「健康」ルールが優位になりました。
「ただしイケメンに限る」と同じく「ただし健康に限る」は、より力を増しています。

そうであるが故なのか、自分の好きなものが食べたい。
高齢になった方から、それが難しい状況になったのか、たまに聞くフレーズです。

好きなモノを食べるために、健康でいる。
健康でないと、好きなモノが食べられない。

健康を頭のどこかで意識しつつ、食べたいものとうまく付き合っていくのが、現代風です。

さいごに

知り合いでハーゲンダッツのアイスクリームが好きな方がおり、その人から聞いた話。

新メニューが出ると1回は買って食べるらしく、1個300百円前後の商品なのでプチプラでもある。
定番メニューも好きで、スーパーで198円になっている時に、手が伸びてしまうこともある。

自分の好きな食べ物であっても嗜好品として、食べるタイミングを調整する。
また、スーパーで安価な時に1個だけ買うのも、スマートだと感じます。

僕が子どもだった頃、レディボーデンの大きな容器が冷凍庫に入っていて、お腹を壊すまで食べていたのを考えると、隔世の感です。