方向音痴の子どもが地図を読めるようになる方法

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育児・子供観察

知らない土地に行くと、少しの不安と大きな発見があります。
旅でいうなら、ツアー旅行ではなく個人旅行の醍醐味とも言えます。
しかし地図が読めない、方向音痴だとそのハードルは上がるでしょう。
子どもの地図読解能力は育てられるのか。

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久しぶりに道を聞かれた

とある駅から少し離れた場所で50歳代と思われる女性から道を聞かれました。
「○○○(一般的な公共施設名称)に行きたいのですが、わかりますか?」

道を聞かれる、という行為が久しぶりで新鮮でしたが、あいにく僕はその土地は初訪問の場所。
「スイマセン、僕もこの辺は初めての場所ですので、分かりません」と返しました。
その女性は「そうですか」とすぐに立ち去っていきました。

僕はその時、スマホアプリを使って、目的地方向や残りの距離はだいたい把握している状況でした。
僕が自分のスマホを使って、その女性の目的地を調べるということもできました。
ですがその時、僕は急いでおり時間がなかったのもあり、そうなりませんでした。

最近はスマホと地図アプリの普及で、道を聞かれる経験が減りました。
実際、スマホで位置と目的地を確認している方も、街で良く見かけます。

ちなみに、僕に道を聞いた女性の手にはスマホがありました。
多分、地図アプリを使って目的地へ行く、という使い方をご存知なかったのでしょう。
あるいは、地図アプリ自体は使ったことがあるが、うまく使えなかったのかもしれません。

街中でもスマホを上にしたり、自分自身の方向の向きを変えたり、地図と格闘している姿を見ることもあります。
スマホを持っていれば、100%目的地に到着できる、と考えることは多分、違うのでしょう。

方向感覚はどんな能力で何が重要なのでしょうか。

 

地図読解と空間認識能力

子どもが楽しむことが重要

子どもの方向感覚を育てる・鍛えることはできるのか。
『空間認知の発達・個人差・性差と環境要因』を書かれた立命館大学の竹内謙彰教授は以下と言っています。

子どもの方向感覚を育てるには外遊びが良い
外遊びは遊びは自分が楽しくなるためにする主体的な活動という理由から

子どもが主体的に経路をたどる経験が重要
親の後をついていくだけではこの力は養われない
経験を積むと、目印の捉え方、方向の見定め方などが身につく
迷う経験も大切、おかしいなと気づく点、迷うときの傾向が学べる
迷ったときの判断力も養われる

向こうに何があるんだろうと自分で考えて動くと、方位や方角、経路を覚える必要性が出る
こうした経験が、のちの方向感覚を養う基礎になる
親側は子どもがいろいろな場所を探検して帰ってきたら『あっちに何があった?』と聞くと良い
子どもの頭の中で情報が整理され、より地図情報が定着する

強制ではなく、あくまで自然に子どもが行きたがるなどの自発性が基本
地図は6~7歳の子どもにはとても難しい教材
それより幼少であれば「楽しい」という活動が一番

まとめると、子どもが小さなときは楽しめるところに、行きたいように行かせると良い。
道に迷うなどの失敗も含む経験を積み重ねることで、地理読解能力が上がるようです。

 

空間認識能力とは

方向音痴でよく言われるのが「空間認識(認知)能力」が低い、ということ。
IQテストでよくある立体図の向き・大きさ・形状などを、正確に認識する能力のことです。

この空間認識能力は主に右脳の能力。
右脳優位ということで、芸術家やスポーツ、数学・科学分野に有利。
地図を把握する能力もこれに当たります。

男性ホルモンであるテストステロンも空間認識力に影響を与えているという研究結果もあります。
一般的には男性優位といわれていますが、わずかな性差でしかなく、個人差の方が大きいとのこと。
配置や目印を覚えるのは女性優位であり、この能力は空間認識に大きく役立ちます。

 

子どもの空間認識能力を鍛える方法

何よりも、実際の道でさまざまな経験をすることが、よい練習になります。
それ以外に、空間認識能力を鍛える方法は以下のようなものがあります。

  • 積み木・フロック
  • ボール遊び
  • お絵かき
  • 迷路書籍を読む、地図を見る、地図を描く
  • カメラで写真撮影
  • 空間を表す言葉を親が言う、子どもに質問する(大きいとか)
  • 部屋の片付け
  • 目的地までのルートを変える

数学の図形問題で補助線1本引くことで、一気に答えにたどり着くことがあります。
補助線を引く、コレが空間認識能力と関係があるということです。

 

さいごに

僕自身、現在は地図は読めるほうです。
しかし、小学校低学年ではダメだったエピソードがあります。
いまでもその話を母親から笑い話として聞かされます。

僕が小学校1年生の時、学区外、それも相当遠くの場所に、小さな自転車で遊びに行き道に迷いました。
オロオロしている僕を、パトカーに乗ったお巡りさんが見つけ、パトカーで帰宅という始末。

お巡りさんは僕に名前と住所を質問しました。
僕は自分の名前と、自分の家の「住所の町名」までは言えました。
住所の最後の部分、番地以降が答えられませんでした。
そしてお巡りさんがどうしたか。

僕が答えた町名の場所まで、僕をパトカーに乗せて移動。
そこからパトカーでゆっくり移動しながら、以下を連呼したそうです。

「○○君のお母さん、今、○○君を預かっています、出てきてください」

ではでは

◆今回のまとめ◆

地図読解力に影響するのは空間認識能力
この能力は外遊びで強化できる
積み木やブロックも効果的