20代までに約7割が金銭感覚が変わる

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育児・子供観察

20代の約7割の人が、金銭感覚が変化したことがある。
感覚なので主観であり、どのレベルが変化なのかは微妙ですが、変わると感じる人は半数以上の結果です。
金銭感覚は、子ども時代は親の考えがベースとなり、成長とともに特に接触する友人がその変化要因になるもの。
金銭感覚が近い人といるのは処世術でもありますが、長く付き合うコツにもなります。

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金銭感覚の変化を感じる人は約7割

金銭感覚について2022年11月、20歳代1,000名に実施したアンケートが以下です。

20代 これまでに自分の金銭感覚が変化したことがある
出典:20 代の金銭感覚についての意識調査 2023(SMBCグループ)

自分の金銭感覚が変化した経験があるかの質問に、全体では69.8%が変化ありと答えています。
残りが20代まで大きな変化を感じなかった人で、約3割です。
男女比較をみると、女性がやや変化したと感じる人が多い。
男性は65.4%なので、約1/3は金銭感覚が変わっていたと感じていません。

20代 自分の金銭感覚が変化したきっかけは
出典:20 代の金銭感覚についての意識調査 2023(SMBCグループ)

変化のきっかけ1位は「アルバイトを始めた」です。
月に数万円の定期収入が発生するのは、お金に関して子どもから大人への変革期になります。
2位「クレジットカードを作った」、3位「就職した」、4位「一人暮らしを始めた」は、どれも経験すると心境変化は納得。
特に「一人暮らし」は、家賃や食費など、実家暮らしだと意識しなかったことを計算に入れる必要が出てきます。
8位「コロナ禍で家計が悪化した」は、怒りのやり場が難しい厳しい現実を想像します。
9位「子どもが生まれた」は、未来に大きなお金が必要になる覚悟するときです。

金銭感覚の一致は女性が現実的

金銭感覚が近い人と一緒にいたいか。
以下、20歳代の人達が、金銭感覚の違いによって友達になりたいかどうかの結果です。

20代 金銭感覚が異なる人とは友達になりたくない
出典:20 代の金銭感覚についての意識調査 2023(SMBCグループ)

男女全体では「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」を足すと50.6%、約半数が金銭感覚が違うなら距離を置きたい人たちです。
「あまりあてはまらない」と「全くあてはまらない」を足すと21.8%なので、少数派になります。
男女比では、女性の方が金銭感覚の一致を求める割合が多い結果です。

20代 金銭感覚が異なる人とは恋人になりたくない
出典:20 代の金銭感覚についての意識調査 2023(SMBCグループ)

続いて、友達ではなく恋人として金銭感覚の一致を求めるか。
男女全体では「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」を足すと63.0%と、友達の50.6%より高い数字です。
男女比では友達同様、女性の方が一致を求める割合は高く、その差は約1.5倍。
女性の約1/3の38.6%が「非常にあてはまる」と答えています。

金銭感覚が異なる人とは夫婦になりたくない
出典:20 代の金銭感覚についての意識調査 2023(SMBCグループ)

最後に、夫婦になる相手との金銭感覚について。
男女全体では「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」を足すと65.9%と約2/3になりました。
男女比では、現実を見る女性層がさらに高まり、女性の49.0%が「非常にあてはまる」と回答。
「ややあてはまる」を足すと79.2%が、金銭感覚の一致を求めています。
男性の「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」を足すと52.6%で、女生との温度差があります。
男性が未来を楽観視しているのか現実を見ないのか、そのほか何か理由があるのか、

資産満足度は悪化傾向で中年も低い

内閣府の世論調査に、資産の満足度に関する調査があります。
2022年10月~11月、全国18歳以上の1,888人について、資産満足度に関する回答結果が以下です。
各年で100%になっていないのは、「その他」解答があるためです。

資産・貯蓄の満足度 年次推移
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

総論、2020年までは大きな変化がありませんでしたが、2021年から悪化しています。
2021年はコロナウィルス流行時期と合致するので、これが原因と考えられます。
あるいは、だんだん悪化傾向にあったが、インフレなどの社会変化とコロナ過も相まって、資産・貯蓄に不安を抱くようになったのも考えられます。

資産・貯蓄の満足度 2022年度
出典:国民生活に関する世論調査(内閣府)

2022年の各カテゴリ別の結果が上記です。
約3割が満足、残りが不満と答えています。
男女では大きな差はありません。
年齢別はよく聞くニュースの通り、高齢者は満足度が高く、中年が低い。
18歳~29歳も中年より高く、若者が未来に希望が持てない社会といいつつも、中年よりは満足度が高い結果です。

結婚相手の金銭感覚は近似が理想

怒りっぽいとかのんびり屋さんなど、気質ともいえるレベルの価値観が変わるか。
自分を含め周囲を見回してみて、深い部分を変えるならそれなりの時間とエネルギーが必要です。
この点、ルール変化が速い時代なので流動性優位にもなっており、他には世界全体での価値観統一圧力もある。
2023年のいま、G7の中で日本だけがLGBT受容していない国として、批判が集まっているのも1つです。

金銭感覚は、簡単に変わるのか。
架空の想定として、令和の日本で減少している中流家庭があったとして、ある日、父親か母親のメイン収入が失業し、お金に困るようになる。
しばらくは預貯金で食いつなげたとしても、再就職等がうまくいかなかった場合など、一気に家庭が超緊縮財政に移行します。
お金のパワーが強いがゆえ、それがなくなった時の変化率も高い。
結論、金銭感覚は長い年月を経てその人の基本思考になりますが、ある時、変わる可能性がある。

では、長い年月の部分に当たる、子どもに金銭感覚をどう身に着けさせるか、親の悩む点です。
お財布のひもを締めて、分相応や忍耐力強化方向に振るか。
逆に、お金を有効活用して、良さそうな経験には少し多めにお金を出す。
他に、本はマンガなどは娯楽を除いてすべてOKなどの例外ルールも良く聞きます。

子どもにとっては、自分でお金を稼ぐまでは、各ご家庭の考えが子どもの基本指針になります。
「無い袖は振れない」の通り、絶対的に無理なモノはありますが、実現範囲内でどこを落としどころにするか。
僕の身の回りでは、お金で経験を買う割合が自分の幼少期より増えているのは間違いなく。

子ども側もどこかのタイミングで、友達の家と自宅の違いに気づき、ある時それで親子喧嘩になったりもする。
「友達は持っているから買って」「よそはよそ、うちはうち」。
少し前にこのブログで書いた「おこづかい」も典型的な1つです。

現代の子どものおこづかい額、お金との付き合い方
子どもにおこづかいをいつから渡すか。 50年前に比べれば物価上昇しているにもかかわらず、推移でみると子どものおこづかい額はそれほど変わっていません。 お金は人生に付いて回るものであり、お金で自分の人生を豊かにする。 子ども時代に、自分のおこ...

第三者からの影響、たとえば先ほどの子どもの友達は最有力ですが、核家族化が進み他者プライベート介入が減った現在、親の影響が強まっています。
振り返ってみると、僕も自分の親の金銭感覚が、僕の決断ベースにあると感じます。
大人になるにつれ身に着けていく金銭感覚。
だれかと付き合ったり結婚するとき、大きくずれていると一緒にいるのが辛くなります。

自分以外の他者との関係が一番濃密になるものの1つが結婚、現代であればパートナー。
結婚相手・パートナーとは、金銭感覚が近いではなく、近似が理想です。
と言っても、近いくらいの相手とパートナーシップを組み、時間をかけて足並みをそろえるあたりが現実解です。

貯蓄をある程度確保したい人が、いまの不安定な時代、増えています。
日本政府は、老後のお金は自分で用意してほしいスタンスなので、個人側で防衛策はそれに沿った姿勢。
こんな時代、貯蓄より経験と声高に言えませんが、その年齢に沿ったお金の使い方はあると僕は考えています。
極端かもしれませんが、死ぬときに預金ゼロが理想という、以下『DIE WITH ZERO』という本があります。

・あの世にお金は持っていけないので、稼いだお金をゼロするのが理想(最大効率)
・資産は45歳から60歳の間くらいで取り崩す、貯蓄を増やし続けることに意味はない
・良質な経験をできる年齢は限られており、適切な支出をする
・経験は複利で人生を豊かにしてくれる
・リスクを取らないリスクを過小評価しない

ただ、お金を貯めることに意味はなく、新たな経験や余暇など何に使うかは重要で、これも金銭感覚の1つです。
現代は、推し活(自分の好きなアイドルやキャラクターを応援)の言葉を耳にするように、趣味の許容度が向上し、余暇にどのくらいのお金を使っているかもポイントかもしれません。
言うまでもありませんが、相手を管理する発想ではなく、より良い人生を送るためにどこに支出して家族の幸福最大化を目指すか。

ありきたりですが選択と捨象、どこに注力するかは、金銭感覚にも通用する金言です。
出すときは出す、守るべく所はしっかり堅守するなら、それが子どもの金銭感覚になります。

大人になると時間的制約で親しい友人が減り、残る友人は金銭感覚が近い人が多くなる気がします。
対し、20歳代くらいまでは、どんな相手とも比較的自由に接点が持てる。
若い時に、いろいろな人とお話するのも、その人の金銭感覚に大きく影響します。

さいごに

いまは、だれでもどこでもビジネスできる環境が整いました。
僕の知人の一人で、大学時代にCGデザインで一般企業と取引するようになり、学生時代からそれなりの収入を得た人がいます。
現代の副業普及と同じく、ひと昔前では一般的でなかった趣味がマネタイズでき、一般会社員より高い月収を学生時代に獲得できる。

ただ、その人もいまの時代らしく、無駄遣いはほとんどしていないらしい。
稼いだお金で買ったものと言えば、高スペックパソコンと画材くらいで、車や時計などには興味がない。
最近のベンチャー経営者でも、よく聞く話です。

彼らにとって自己顕示欲は、自分のビジネスで満たされているのか、見栄(みえ)を張りたい欲を感じません。
昭和時代に残っていた見栄の風潮は、横並びが大多数ゆえの事象だったのかもしれないと感じます。