子どもにパソコンをいつから使わせるか、現代の親の悩みの1つです。パソコンやインターネットにリスクがあるなか、そのメリットも理解できる。時代の流れとして、学校でのプログラミング教科のスタートも変化の1つとしてあります。この先の社会情勢を考えるとパスコンスキルは有用であり、自分のアウトプット手法としても、獲得しておくと武器になります。
2021年パソコンを持っている人は7割弱
ここ最近のパソコン保有率情報が、総務省の通信利用動向調査にありました。2021年9月、20歳以上の世帯主がいる世帯及び6歳以上の構成員がいるご家庭17,365世帯、44,133人が回答した結果です。
出典:令和3年通信利用動向調査の結果(総務省)
ここ10年、日本のパソコン保有割合は、微減です。このデータ内の最高値は「2013年」の81.7%、そこから緩やかに下がって「2021年」は69.8%。「2021年」は約7割の人がパソコンを保有していますが、最高値の「2013年」に比べると-11.9%になっています。
出典:令和3年通信利用動向調査の結果(総務省)
年齢別にみると、最高値は「50~59歳」の81.3%。「65歳以上」が56.2%は納得ですが、「60歳未満」は若い人ほどパソコン保有率が下がります。
出典:令和3年通信利用動向調査の結果(総務省)
世帯類型別では、1位「大人3人以上+子ども」の85.4%、2位が「大人2人(非高齢者のみ)」の82.2%。「高齢世帯(高齢者のみ)」が46.0%と低いのは前提として、「単独世帯(非高齢者)」が67.9%その次に低い数字。家族人数が多いほど、パソコン保有率は高い結果です。
出典:令和3年通信利用動向調査の結果(総務省)
最後に世帯年収別の結果です。「600~800万円世帯」で85.8%と、これより収入が多い世帯はほぼパソコンを持っています。「1500~2000万円」が96.5%で「2000万円以上」が94.2%と、最高年収分類世帯はわずかですが下がっています。
参考までに、世界のパソコン市場予測が以下です。
出典:PCs – Worldwide(Statista)
伸びは鈍化していますが、微増を続けています。この先、世界全体では人口増加がまだ続き物価上昇も考えると、パソコン保有率は横ばいあたりが趨勢です。
子どもパソコン・タブレット利用率は2割前後
学研の小学生向けアンケート「小学生白書」にパソコン利用状況がありました。2022年9月の結果で、回答者は小学1年~6年の男女各100名、合計1,200名です。
出典:小学生白書 20022年9月調査(学研)
小学生全体で見ると、「家族と共用」パソコン利用の小学生は21.8%、「子ども専用」は4.8%。男女比で大差はなく、学年が上がる毎にパソコン利用率が上がっています。
出典:小学生白書 2022年9月調査(学研)
上記はパソコンではなく、タブレットの利用状況です。パソコンと違いとして、特に「子ども専用」の割合がタブレットでは高くなっています。
出典:小学生白書 2022年9月調査(学研)
いまは学校でタブレットを貸与する子も増えている時代ですが、とは言え実態は2割前後。一番高い数字は、小学校4年生のパソコンです。
子ども専用パソコンを持たせる時期の1位は小学校低学年
マイナビ子育てに、親目線での子どもにいつ専用パソコンを持たせるか・持たせたかのアンケート結果がありました。2022年4月~5月、163人のママが回答した結果が以下です。
出典:子ども専用パソコンはいつから与える? いつから与えた?(マイナビ子育て)
最高値が「小学校低学年」の36.0%、次いで「小学校中学年」の19.0%。この2つを合計すると55.0%、小学校入学から中学年で子ども専用パソコンを持たせる・持たせようと考える親が約半数です。ただし、この文章の1つ上の段落で子ども専用パソコン保有率は小学校全体で4.8%なので、現実と理想の差が10倍あります。小学校高学年になると、小学校低学年から高学年にくらべ9.0%と少し数字が下がり、中学以降と高校以降に15%前後になっています。
このデータでは、未就学児から小学校までを合計すると70.0%になり、小学校卒業までに7割が子ども専用のパソコンを持たせる、持たせたいと親は考えています。参考値にしかなりませんが、2023年時点の僕の身の回り観測では、7割の子どもが自分専用パソコンを持っているとは思えず。マイナビ子育てのアンケート対象者は、教育熱が平均より高い属性の可能性があります。アンケート総数も163人なので少なく、理想値とみるのが妥当かもしれません。ただし1つの理由として、2020年度から小学校でプログラミングが必修化されたことで、その熱は高まったとは思っています。
パソコンは使うもの
パソコンスキルがあったほうが良いと僕は以前、以下の文章に書きました。内容をまとめると僕のスタンスは「あったほうが良いし、その重要度は高いが、無くても死にはしない」です。
パソコンを使いこなせるようになると、世界が広がります。その処理能力を借りて自分の考えを拡張したり、インターネット普及を含めてさまざまな情報にアクセスできる。いまは、世界の有名大学の授業が自宅で見られます。
昭和時代の日本の教育がその典型例でしたが、聞いて真似るだけの時代は終わっています。以下の記事は関連する一例ですが、すでにAIがプログラミングの肩代わりする未来がそこにきています。
ChatGPTがGoogleのコーディング職の試験を受けると年収2400万円のレベル3エンジニアとして合格する
パソコンは、様々な情報にアクセスするとともに、アウトプットの道具になります。調べる、考える、まとめる、発信する。
僕はexcelが神ツールだと考えており、わが家ではexcelで家計収支と未来予測を立てています。僕と僕の奥様が死ぬまでの年齢軸で、過去収支と将来の資産状況を俯瞰する。未経験ですが、一般的なファイナンシャルプランナーの方々はこういうお話を、一般論も交えてやっているのではないかと想像しています。現実の年間収支があり、いまの自分の能力の市場価値を予想しつつ、この先の所得数字を見込む。グッドシナリオではなく、バッドシナリオで目算を立てる(安全側に倒す)。
これらは、頭の体操としても良いですし、見える化できて安心できます。いま流行りの、あと何年働いたら経済的に独立できるか(仕事を辞めても生きていける)の将来の展望も見えます。
合計特殊出生率からの日本の未来人口予測がありますが、日本の人口減少を前提に自分たちの動きをチューニングしていくのと同じ。ファイナンシャルプランナーに頼むのも一案ですが、自分でやるならフェルミ推定のトレーニングとしてもおもしろいネタです。ファイナンシャルプランナー相談時のメリットは他にも多分存在して、プロはたくさんの情報に触れているがゆえの選択眼やアドバイスがあるとは思っています。
「使う物」と「使われるもの」の視点で見た時、パソコンは「使う物」感が強い。パソコンに「使われる」という物言いは聞いたことがなく、パソコンも使って人生をより良くしていく。
パソコンのセキュリティリスクやダークサイトなどの負の面との付き合い方も含め、子ども時代から自分が「使う(使いこなす)」意識が常にある子は、自立に近づきます。
さいごに
僕はこのブログを、パソコンで書いています。数値データを見るのが好きで、自分が子育て中という事もあり、子育ての数字を見て自分の意見をまとめるものが多い。数字はもちろんexcelで整形しています。
いまは動画隆盛で、ブログはオワコンの時代です。僕も何かを調べるとき、動画を見ることも多くなりました。
それでも僕はブログを何年かやってみて、いつまで続けるかは別として、自分にはこのブログがアウトプット形式としてマッチしていました。動画作成や頻繁なSNS更新はハードルが高く感じる僕にとって、ブログは自分と向き合える良い距離感。
何にせよ、自分のアウトプット場所を持っているのは、良いと思っています。