水筒を持つ子どもの登校姿は日常

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育児・子供観察

いまの子ども達にとって、登校時の水筒持参は約8割です。
コロナウィルス蔓延は水筒持参に拍車をかけましたが、コロナ前もマイボトル持参派は約7割でした。
水筒持参すると、荷物が重くなる。
他にもタブレットやノートPC重量増を考えると、いまの子ども達の荷物は筋トレの域に入っています。

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コロナ過でマイボトル利用率が約10%増加

2023年1月に、全国の小中高生の子どもを持つ親1,321名に対し行われた「マイボトル利用動向調査」が以下です。

コロナ禍以降、学校で水道や給水機から直接水を飲むことを控えるような指導があったか
出典:コロナ禍以降の小・中・高生におけるマイボトル利用動向調査(サーモス株式会社)

コロナ禍以降、学校で水道や給水機から直接水を飲むことを控えるような指導があったか。
「指導があった」が28.2%と3割弱、「コロナ前から直接飲まないように指導されていた」56.9%と足すと85.1%。
ほとんどの学校がコロナ過以降、学校で水道や給水器から水を飲むことを控える方針になっています。

コロナ禍以降、学校ではマイボトル持参が推奨・許可されているか
出典:コロナ禍以降の小・中・高生におけるマイボトル利用動向調査(サーモス株式会社)

コロナ禍以降、学校ではマイボトル持参が推奨・許可されているかの質問の回答は、「コロナ禍以降、推奨・許可された」と「感染症対策でさらに推奨・許可された」と「コロナ前から推奨・許可されていた」を足すと84.8%。
1つ上の「学校の水道や給水機から水を飲むようなことを控えさせた85.1%」とほぼ同値で、水筒持参がいまの推奨になっています。

コロナ蔓延前後のマイボトル持参割合
出典:コロナ禍以降の小・中・高生におけるマイボトル利用動向調査(サーモス株式会社)

マイボトル(水筒)を持参するかどうかのコロナ前後の割合が上記です。
コロナ過前、マイボトル(水筒)を持参している(毎日持参+時々持参)生徒は71.3%。
コロナ過後、マイボトル(水筒)を持参している(毎日持参+時々持参)生徒は80.7%。
コロナ過になって、マイボトル持参が9.4%増えました。

何で水分補給していますか
出典:小学生の水分補給と通学時の荷物の重さに関する意識調査(BRITA Japan株式会社 )

どんな種類の飲み物を持参しているか、1位が「お茶」、2位が「水」、3位が「スポーツドリンク」です。
ここまではわかりますが、4位「ジュース」5位「炭酸水」と、学校では許されているのかわからない飲み物となっています。

2010年段階では学校側の水筒持参推奨

2010年と大分古いデータですが、学校側が水分補給手段をどう考えていたかの情報が以下です。

学校での児童の水筒率
出典:水の摂取・利用が健康障害の予防及び健康増進効果に及ぼす影響について(厚生労働省)

学校での児童の水筒(持参)率について、中部以西、特に近畿と中国、四国が水筒持参率が高い結果です。
関東より北は、水筒持参者がいないようです。

学校で児童たちに水筒持参指導していない割合
出典:水の摂取・利用が健康障害の予防及び健康増進効果に及ぼす影響について(厚生労働省)

学校側が水筒持参を推奨しているか。
グラフは濃い色ほど、水筒持参を指導していない、となります。
1つ上の水筒持参率と近く、近畿や四国が水筒持参を推奨しています。

日本の年平均気温偏差の経年変化(1898~2022年)
出典:日本の年平均気温偏差の経年変化(1898~2022年)(気象庁 )

水筒持参するかの判断の1つとして、気温の上昇が考えられます。
上記、気象庁のここ120年の日本の気温上昇データです。

赤色線が長期気温変化を表しており、この120年で日本では1.3度、気温が上昇しています。
参考までに同時期、世界の気温上昇は0.74度です。

この気温上昇が地球温暖化と言って良いのかは分かりません。
ただ、いま日本の夏は「熱中症予防注意報」や「冷感グッズ」が当たり前になりました。
コロナ過時代に学校の水道水を抑制するのであれば、子どもが水筒を持参するのは必然です。

荷物は重くなっている

「ランドセルが重く、子どもの心身が不調」になるランドセル症候群。
日本鞄協会ランドセル工業会に「主な教科の教科書総ページ数推移」情報がありました。

主な教科の教科書総ページ数推移
出典:教科書発行の現状と課題(2017年度版)(日本鞄協会ランドセル工業会 )

小学校1年生、はじめてランドセルを背負った姿を見ると、ランドセルに背負われているイメージすらあります。
そのランドセルに入れる中身の教科書が重くなっている。
ランドセル症候群を見聞きするのは当たり前、親の大半は同意する内容です。

保護者が小学生だった頃と比較してお子様の通学時荷物は重いか
出典:小学生の水分補給と通学時の荷物の重さに関する意識調査(BRITA Japan株式会社 )

上記は2022年に実施された親の主観アンケートですが、自分の子ども時代より今の子どもたちの荷物の方が73.1%が重いと感じている。
以下、通学時の荷物が重くなった原因です。

お子様の通学時の荷物が重くなった原因
出典:小学生の水分補給と通学時の荷物の重さに関する意識調査(BRITA Japan株式会社 )

1位「教科書やドリル、辞書などの教材が増えた」55.9%。
2位「水筒を持参するようになった、量が増えた」53.0%。
3位「タブレットを持っていくようになった」40.7%。
4位「ノートパソコンを持っていくようになった」27.1%。

教材が増え、教科書自体も重くなり、昔はなかったタブレットやノートPCも増えています。

水筒がある日常

学童の一日あたりの水分必要量は、体重1kgあたり約60~80mL(体重24kgで約1.8L)といわれ、この2分の1を飲料水として摂る必要があります(学童で0.9~1.2 L/日)。しかし、飲料水必要量「0.9~1.2L」は、あくまで“基礎補給量”ですので、運動量が増えてくる小学校高学年は、熱中症予防として基礎補給量に加え“運動量(発汗量)”に見合った水分量が必要だと考えています。

出典:水筒だけでは水分補給が足りない!?ランドセル症候群を防ぎつつ、熱中症対策するには?(BRITA Japan株式会社)

上記の通り、小学校生が1日に必要とする「基礎補給量」が1リットル前後。
起きている時間の中で、学校行っている時間帯を約半日とするなら、0.5リットル。
給食で牛乳などの水分もあるため、その分はマイナス換算できる。
それでも運動量の多い子や夏場の高温を考えると、水筒1本を使いまわすのであれば容量は0.5リットル以上が目安になります。
もちろんこれは持参水筒ですべての水分を賄うプランなので、足りなくなったら学校の水道水を飲む手があります。

いま、東京で小学校に通う子どもたちを見ていると、たいていの子が首から水筒をぶら下げています。
大人がオフィスで使うようなシンプルなものではなく、小学生男子はいかにも容量が大きいスポーティな魔法瓶、女子はピンクなどの男子に比べ小ぶりなタイプ。

上記グラフにもありましたが、コロナ過で水道水や給水機からの水分補給が一部で制限されました。
水筒持参を認めない学校もあるため全国でのお話ではありませんが、全体的には一定の強制力を持った水筒持参になっています。

夏場の気温を考えた時、冷たい飲み物を飲みたいなら、プラスチック製ではなく魔法瓶タイプになる。
魔法瓶タイプは重い。
そこに一昔前にはなかった持参物、ノートPCやタブレットなどを持ち歩く。
小学校低学年の子どもが、朝の出発時ランドセルを「よいしょ」と勢いをつけて背負うのが現代です。

重い荷物を持つ子どもを見ると、僕は思わず手を出しそうになります。
「いや、ここで手を出すのは、子どもの力を奪う」と、あわてて手を引っ込める。
過保護・過干渉になりやすい社会環境、親側の自制心は頻繁に試されます。

社会人として「生き残る」のを、どれだけ重要視するかは人に寄ります。
「生き残る」が生きる目的と言う人はいないと思いますが、現実、生存戦略の重みは増しています。
舞台に立ち続けるために健康は前提条件、そのための適度な負荷(運動)は、理にかなっています。
重い水筒や教科書類を小学校低学年から持つ子どもたちは、ナチュラル筋トレ世代です。

さいごに

僕はいま、外出する時、スリムな魔法瓶を持参しています。
子どもと遊びに行く、会社に行くなど、持ち歩く習慣となっています。

僕は東京在住で、東京都の水はそのままでも飲めますが、すこし口当たりがある。
結果、飲料水として飲んだり料理する場合は、浄水器を通した水を使っています。
軽い外出などの時は特に、浄水器の水をマイボトルに入れています。

世界で水道水が飲める国は、ネットで眺めてみると日本を含む9~15か国くらい。
なんだかんだ言っても、日本の水道水はそのまま飲める点を考えると、安心度の高い環境だと感じます。