廃校の感情論よりも1クラス人数減少の方が重要

スポンサーリンク
育児・子供観察

少子化で子どもの人数が減って、大学閉鎖が最近よく話題になっています。
人数が減るメリットの1つ、1クラス当たり人数が少ないほど成績が良いというもの。
では現在の小中学校の1クラス人数はどうなっているのか。
世界の国に比べ日本はどのくらいのなのかも、あわせてみてみました。

スポンサーリンク

1クラス当たりの人数が少ないと学習達成度が高い


出典:最新教育データブック(時事通信社)

上のグラフが「グラス・スミス曲線」と呼ばれる、1982年、アメリカの研究結果です。
コロラド大学のグラスとスミスが、50年間300校のサンプルをまとめたもの。

一目でわかる通り、1クラス当たりの人数が少ないほど、学習達成度が高い。
また、情緒も安定し、教師の満足度も高い、という結果です。

これは普通に考えても、その通りと思うのではないでしょうか。
少ない人数であれば、教師の目も行き届きやすい。
学習進捗度合の幅も狭まり、教師の心理面にも良い。

「グラス・スミス曲線」と同様の、少人数クラス研究は日本でも行われました。
名古屋大学や広島大学、九州大学で実施、やはり1クラス人数が少ない方が有利な結果だったとのこと。

日本の1クラス人数は減っている


出典:文部科学統計要覧 平成30年版(文部科学省)

日本の小学校・中学校の1クラス人数推移が上記です。
1955年に比べ2017年は、4割程度、減少しています。

2017年時点の1クラス人数平均は、小学校=23.6人、中学校=27.8人。
いま子育てしている20代後半~40台の人にとって、自分たちの子ども時代に比べ「だいぶ減っているんだ」と思うのではないでしょうか。

世界で見ると日本の1クラス人数は多い


出典:Education at a GlanceーAverage class size in educational institutions(OECD)

OECDのデータがありましたので、それを並べました。
日本は悪い方(1クラス人数が多い)から3番目という結果。

全体平均からみても、だいぶ人数が多いという印象です。
上位はヨーロッパが多く、ルクセンブルグは良い方から数えて3位。
ルクセンブルグは、1人当たり名目GDPで世界1位の国です。

さいごに

2000年以降、学校の統廃合のニュースを見聞きすることが多くなりました。
実際、僕の通った小学校も、まだ存続していますが、ギリギリと実家の母から聞いています。

自分の母校が廃校になっても、個人的にはあまり感情はありません。
時代の流れは少子高齢化。
実現可否は別として、学校校舎が集合老人ホームとして活用、というような発想は賛成です。

感情論ではなく、現実のお話。
人口が減っていく中、どうやって個人としても国としても生き残っていくのか。

日本より人口が少なく1人当たりGDPが高いあるヨーロッパの知り合いの発言が頭に残っています。
「人が少ないという状況で生き残るために、全員がなるべく活躍できる環境をつくる、という意識がわれわれにはあります。
無駄をなくすことや、向いていないことに時間をかけるより、個人が社会に貢献できる仕組みをみんなで考える。」

とても現実的であまり日本人には馴染みが薄く、実際にはドライな状況も出てくると想像します。
そして日本人はドライとは逆のウェットが重視されていた社会だったと認識しています。

「まあまあ」「どうもどうも」のようなあいまいさは、この先、通用しにくくなると僕は考えています。
自分の母校がなくなることよりも、子どもたちが活躍できる社会環境を、親になって強く考えるようになりました。