物事を途中で止めてしまうと、どうしてもったいないのか。
一定のところまでたどり着いてはじめて分かることがあります。
その最初の達成感と呼べるべき場所までどのような成長曲線なのか。
ただ闇雲にやるだけでは、効果は低いです。
現実ではあまりない成長直線
直線的成長
成長と聞くと、上図のに右肩上がりの直線成長を思い描く方もいますがコレに当てはまることはあまりありません。
現実的な成長の大半は「直線ではなく曲線」となります。
後述しますが、最初に一気に伸びるや、晩成型で大きく花開くというイメージです。
直線的成長の実際
ただ、成長が階段をイメージする際再には、上図のように直線の方が分かりやすいです。
かけた時間だけキレイに能力が上がるということはなく、停滞期(蓄積期)を経て、ちょっと成長を繰り返す。
現実的な成長イメージは曲線
現実にはいくつかのバリエーションが考えられます。
対数的成長
序盤で一気に成長して、後半は成長が鈍化するもの。
たとえば以下のようなものです。
・ダイエット
・スポーツ
・プログラミングスキル
・言語
・難易度が低いノウハウ的なもの
ダイエットも本気で取り組むと、一定までは成果がでます。
一定まで減量したあと、さらに絞るのは難しいです。
言語も最初は少し基礎を積み重ねますが、あるときから一気に成長。
さらには、2か国語から3か国語など多言語化の場合、同じ言語体系であればなおのこと、基礎があるので一気に伸びます。
指数関数的成長
初期段階は横ばいで、どこかで一気に上昇するもの。
・一般的な勉強や研究
・人間の脳や思考
・(成功しつづけている)資産形成
・(成功した)起業
・インフルエンサー(SNSなどで一部の人気があるひと、クラスの人気者なども含む)
・ムーアの法則(半導体の性能が1.5年で2倍になる現象)
この指数関数的成長の最大の特徴・懸念点は、初期に成果が見えにくい時間が続くこと。
「コレ、やっていて本当に成果がでるのだろうか?」という不安の中で、継続する意志力。
一般的な学問や研究も、長い下積み期間を経て、あるとき伸びる。
「福利のマジック」もコレにあたります。
預金など、長い年数を経るといつのまにかスゴイことになる、という資産形成の鉄板法則の1つです。
実感を持つためによく出されるのが以下。
毎月1万円、年利5%、40年間積立て→1,488万円(480万円元金)
元金に対し約3倍、約1,000万円の利益が出ています。
指数関数のわかりやすいイメージが以下の表です。
直線的成長 | 指数関数的成長 | |
最初の数 | 2 | 2 |
1回目の成長 | 4 | 4 |
2回目の成長 | 6 | 8 |
3回目の成長 | 8 | 16 |
4回目の成長 | 10 | 32 |
5回目の成長 | 12 | 64 |
6回目の成長 | 14 | 128 |
7回目の成長 | 16 | 256 |
8回目の成長 | 18 | 512 |
9回目の成長 | 20 | 1024 |
10回目の成長 | 22 | 2048 |
最近のシリコンバレーでは「エクスポネンシャル思考」と呼ばれます。
「エクスポネンシャル」は「指数関数的」という意味です。
ロジティクス曲線的成長
これは上記の[対数的成長]と[指数関数的成長]が合わさったもの。
角度の差はあれど、成長を含む大半の事象はコレに当たります。
最初に基礎を学んでイロイロなことを吸収
あるとき理解が深まり成長が加速する
一定レベルまでいった後、成長が鈍化する
変化が激しい分野の成長
21世紀の特徴を現しているとも言える、2~3年でルールが変わるような変化が早い業界のイメージ。
身に付けた技術が、あっという間に陳腐化するような状況のお話です。
ある技術を身に付けてその分野で活躍する。
数年でその技術を使ったサービスが衰退、次の技術を身に付けるためにまた学びなおす。
例として最新のインターネット業界などがコレにあたります。
「Webサイトで表示される広告」など典型的です。
スマホやパソコンでどこかのサイトを見ていると企業PR画像が表示されると思います。
その技術はとてつもない速度で進化し続けています。
「この人は多分こういう人だから、この広告が最適」という精度がどんどん上がっています。
どうして途中で投げ出すともったいないのか
成長という言葉であわせて使われるのが「ブレイクスルーポイント」。
「あー、そういうことだったのか!」と理解できるようなイメージです。
このブレイクスルーポイントにたどり着く前に止めてしまうことが損失です。
成長はどこかの地点で一気に加速、その前に投げ出しているといえます。
考えてみてください。
難しいことであればあるほど、達成者が少なくなります。(参入障壁が高い)
途中で投げ出す人が多い状況ほど、チャンスという事です。(貴重な人材)
序盤は学ぶ(まねぶ)を淡々と積み重ねていく。
この時点では結果は余り意識しないこと。
成長にはどうしても一定上の時間が必要です。
そして時間以上に重要なのが「質」。
[時間]x[質]=[成長量]、当たり前のお話です。
ただ闇雲にダラダラとやり続けることは、時間を無駄にしているいう意味でマイナスです。
できるなら最大リターンを得るために、どんな方法があるのか最初にシナリオを描いておく。
質を上げるために一番効果が高いのが、その道のプロの指導を受けること。
計画を立てる
↓
まずは学ぶ
↓
少し成果が出る
↓
ちょっと楽しくなる
↓
振り返りと計画修正
↓
もっと学ぶ
↓
まあまあの成果が出る
↓
かなり楽しくなる
ゴールはできる限り見える化、いつまでにどんな状態になっているのか、設定しておくこともポイントです。
ゴールイメージがフワっとしていると、行動も結果も随分変わってきます。
この流れは、一般的に有名な「PDCAサイクル」と呼ばれるモノです。
しかし時代はすでにスピードが重要度を増しており、「DCPA」という思想も出てきています。
どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール
社会がとてつもない速さで衰退を繰り返す状況。
じっくり調査や検討している間に状況が変わってしまうリスクがある。
それであれば、失敗を覚悟の上でDとCを短期間で繰り返す。
そのうち形になるものができあがる、という「まず行動する」という思想です。
ただ、人には向き不向きがあります。
一定のレベルになるまで長期間必要なものなど、自分の性質・性格や、やっていて楽しいかは考えたほうが良いです。
根性論的になんでも我慢してやり続ける、というのは個人的には人生全体で考えたとき悪手だと考えます。
さいごに
この記事を読んでいる方は全員、大きな成長を経験しています。
「母国語(日本語)」の読み書きがそれにあたります。
絵本しか見たことがない小さな子どもは、文字ばかりの小説を読めませんし、文字を書く事ができません。
それが学校での勉強や教科書、イロイロな場所で活字に触れていくうちに、いつしか文字ばかりのものも読め、文字も書けるようになっています。
ディスレクシア(読字障害・読み書き障害)など特殊な事情を除けば、コレはかなり大きな成長といえるでしょう。
ちなみに「読書力」という言葉があるとおり、読むことから得られることは計り知れません。
読書は古今東西、さまざまな英知に触れられるとてつもないものです。
自分には無理だと思ったことでも、時間をかけているうちにいつの間にかできている。
「実際にやってみて考える」というのは真理です。
子どもは飽きっぽく、集中力も低いのが当たり前です。
根気強くうまく経験を蓄積する事で、あるときブレイクスルーポイントにたどり着きます。
少し前までできなかったことが、できた瞬間。
すこし不安げな表情が一気に満面の笑みに変わる。
この瞬間に立ち会えたときの満足感は、換えがたいものです。
ではでは。
まずは最初の成長ポイントまでたどり着くこと
その先は一気に加速する可能性がある