2017年間ベストセラー児童書と出生率低下だが児童書売上は増加というお話

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本・読書

日本出生率が低下していることはあなたもご存じかと思います。
そして日本が出版不況と言う状況も周知の通りです。
この2つの数字がこの10年でどんな推移になっているのか。
2017年の年間ベストセラーTop10とともに調べました。

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児童書ジャンルは10年前にくらべ増加

グラフを見ていただいて分かるとおり、まずは上下の波があることが見て取れます。
2007年や2013年は95%以下と大きく前年割れしています。
2015年(103%)2016年(104%)は前年比で延びています。
出版不況と言われている現代で、児童書ジャンルは増加しています。

ちなみに出版不況と言われるとおり、全体では減少しています。
一番減少しているのが「雑誌」で10年前に比べ約4割売上が低下しています。

 

児童書ジャンルが増加している理由を考えてみました。
・児童書特に絵本は古典と呼ばれるベストセラーが売れ続ける
・ミリオンブックやブックスタートなどの読書推進活動の拡大
・大手出版社の参入により出版点数が増加
・少子化による祖父母・父母の増加によるプレゼント増加

 

次に少子化がどの程度進んでいるのか、というのが上記のグラフです。
凸凹していますが、100%を超える年はわずか。
結論として10年前に比べ少子化は進んでいます
出生数実数では、2007年=108.9万人、2016年=97.6万人で、-11万人(89.6%)です。

 

 

児童書販売数と少子化のグラフを重ねると上記です。
当たり前ですが少子化は進んでいて、児童書は近年伸びているのがわかります。

 

2017年「児童書」年間ベストセラーTop10

2017年の年間ベストセラーが日発販売株式会社(日販)より発表されました。
その中の児童書ジャンルの「2017年 年間ベストセラーTop10」が以下です。

1 ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか
2 続 ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか
3 ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部
〈特別リハーサル版〉
J.K.ローリング、
ジョン・ティファ
ニー、ジャック・ソー
ン/松岡佑子 訳
4 だるまさんが かがくいひろし さく
5 君の名は。 新海 誠 作
ちーこ 絵
6 おしりたんてい  かいとう VS たんてい トロル
7 だるまさんの かがくいひろし さく
8 だるまさんと かがくいひろし さく
9 かいけつゾロリの王子さまになるほうほう 原ゆたか
10 おしりたんてい いせきからのSOS トロル

出典:2017年 年間ベストセラー(日販調べ)

 

 

2017年「総合」年間ベストセラーTop10

児童書を含む全ジャンルの「2017年 年間ベストセラーTop10」が以下です。

1 九十歳。何がめでたい 佐藤愛子
2 ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか
3 蜜蜂と遠雷 恩田陸
4 日本一楽しい漢字ドリル うんこかん字ドリル 小学1年生~6年生 ーーー
5 騎士団長殺し(1・2) 村上春樹
6 儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 ケント・ギルバート
7 伝道の法 大川隆法
8 続 ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか
9 モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット 佐久間健一
10 新・人間革命(29) 池田大作

出典:2017年 年間ベストセラー(日販調べ)

 

 

まとめ

児童書ジャンルTop10では『ざんねんないきもの事典』が1位と2位です。
そして超ロングセラー『だるまさん』シリーズも3冊ランクイン。
作者では「トロル」さんが2冊入っている点が今年のトピックス。

総合Top10では4位の『うんこ漢字ドリル』のインパクトが強かった年でした。
1年生~6年生の6冊、どれも売れているようです。

そして総合1位が『九十歳。何がめでたい』(佐藤愛子著)でした。
著者の佐藤さんは150冊以上の本を書かれている、2017年に93歳になれれる方。
この本は時事ネタについて「いちいちうるせえ」と世の中とメッタ切りする痛快エッセイ集。
毒舌の中にあるあたたかさが、たくさんの読者をひきつけているようです。

2017年の1位はエッセイ集。
他人の目など気にする事なく「言いたいことは言う」という姿勢。

個人的には「閉塞感」が現代日本のいたるところに感じられると思っています。
『九十歳。何がめでたい』は、そんな「閉塞感」に対する一服の清涼剤。

ではでは。

◆今回のまとめ◆

少子化は進んでいるが近年児童書売上は伸びている
児童書1位2位は『ざんねんないきもの事典』
2017年トピックスは『うんこ漢字ドリル』かも