どうやって子育て期の時間配分バランスを考えるのか

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育児・子供観察

子どもが生まれると、絶対的に時間が足りなくなります。
なんとかやりくりして乗り切るというのが一般的でしょうか。
限られた時間をどのように使うのか。
これは企業管理職研修での時間配分と似ています。

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企業研修でよくみる年齢経過にともなう業務配分

企業での管理職研修などで使われる以下の図があります。


年齢が上がると管理職(マネジメント)になって、業務割合が変わるという図です。
若いうちは現場業務が多く、管理職になると管理業務が大半を占めるという内容。

横道にそれますが、最近は管理職になりたくない人や、エンジニアも増加。
管理業務が少ないキャリアを目指す方も増えています。

経験上、コレは1つのキャリア選定として正しい、と僕は思っています。
管理職はだれでもできるとは考えていません。
管理職のプレッシャーも、成長企業などは特に重いです。
本人の向き不向きもありますし、基本は本人意思尊重で良いと考えています。

ピーター・ドラッカーはマネジメントのポイントの1つとして「仕事を人に合わせること」が重要と説いています。

人に成果を上げさせるには、一人ひとりの人を、それぞれに生理的、心理的な特質、能力、限界をもち、独特の行動様式を持つ生きた存在としてとらえなければならない。すなわち、人を人として、それぞれに個性、市民性、仕事の仕方、仕事の量と質に違いのある存在、したがって、それぞれがそれぞれに責任、動機付け、参画、満足、誘引、報奨、リーダーシップ、位置づけ、役割を必要とする存在として理解しなければならない。

日本の組織は役割ではなく仕事に人を当てはめる会社が多いと僕は思っています。
1人1人にあった、正しい役割(と責任)をお願いするといのは、組織でも家庭でも有効です。

夫婦2人ならまだしも、家庭に子どもが生まれると圧倒的に時間が制約されます。
限られた時間をどう配分していくのか。

 

子育て時のリソース配分


子どもが生まれると、子育てに大半の時間が取られます。
家事も手を抜くところは抜きつつ、睡眠時間確保も重要事項になります。
短時間でも良いので休憩をとったりして、心の余裕をできるだけ確保。
と言っても、乳児期や年来が低い時期に寝不足にならないのは、ほぼ無理でしょう。
[家事]の部分を[仕事]と置き換えることもできます。

 


昭和時代は、夫は外で働けば育児を含む家事はほとんどやらない、ということがまかり通っていました。
その分「女性が下支えしていた」ということ。
現在、このような人はあまりいないと思いたいですが、実際はまだいるようです。
twitterのママさん達のつぶやきを見ると、事実であれば目も当てられない状況があります。
特別な理由がなくこの状況なら、産後クライシス(パパは見捨てられる)でしょう。

 


昭和時代の男性に比べ、子育てや家事にパパも少し参加する。
全体の中の、ほんの一部を担っている状態。
この状態では奥様の評価はあまり期待できないでしょう。

 


出産直後、仕事をセーブして、家庭に力を注ぐ。
このあたりが、現代パパ達のがやろうと意識しているゾーンかと思っています。
実際は思ったほど貢献できておらず、とうこともありそうです。

 


男性でも育児休暇を取得する人が、わずかですが増えています。
育休をとって、丸1日の家事・育児を生活を、何日も実践する。
しかもそれを奥様がワンオペで行っていると想像したら。
その大変さが身をもって認識できます。
なので、その後も家事割合に力を入れるというイメージ。

 

いくつかのパターンを出しましたが、状況によっても大きく変わるでしょう。
親のサポートがある、ベビーシッターなどの外部にお願いできる状況。
仕事が好きで、それを夫婦間で納得共有・納得できていて、それぞれの役割を担当している。
リモート環境が整い、在宅勤務ができる。

僕は(奥様が)出産直後、かなりの時間、子育てに時間を割きました。
いま振り返って思うことは、得られたものはあまりにも多きかった、ということ。
子どもが毎日成長していく姿を間近にみられる、かけがえのない時間でした。
そしていかに乳児期が大変かも、腹オチしています。

 

日本国内の家事育児時間の推移


出典:平成28年 社会生活基本調査(総務省)

まずはやはり女性が家事・育児とも、男性に比べ大きく時間を割いていると言う結果です。
家事は女性は横ばい、男性は増加。
育児は男女共に増加。

個人的に目を引いたのが「女性の育児時間の増加」です。
1996年と2016年を比べると、1時間増加しています。

理由が思いつきません。
大きな震災やアメリカ同時多発テロの時期とは違います。
1990年代の女性の社会進出の揺り戻しでしょうか。
幼児教育、特に小さい時期の重要性認知度向上とか。
それとも漠然とした「物質至上主義が何か違和感かも」という感覚の蓄積でしょうか。

 

日本の家事時間と国際的比較


出典:6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児関連時間(1日当たり・国際比較)(内閣府)

内閣府に上の図がありました。

この図はやや恣意的(情報誘導)だと思っています。
ヨーロッパのデータソース(原本)をみると、ハンガリーは日本と同等の7時間33分です。
またヨーロッパは調査した時期が1998年~2001年とやや古いです。

それを踏まえたうえで「日本の妻は欧米に比べ家事・育児時間が長い」となります。
また「日本の夫は欧米に比べ家事・育児時間が短い」です。

この結果は多分、ほとんどの日本人が抱いているイメージと同じでしょう。

 

さいごに

最近は男性も子育てに、自分から関わる方が増えています。
僕の周りにも、男性が子どもの行事参加や、朝の保育園・幼稚園送りなどをやっている方がかなりいます。

そういう人たちが、どの程度家事・育児に関わっているか分かりません。
しかし、子育てにしっかり関わると、間違いなく仕事の能率が上がります。

子育ては時間との勝負。
時間管理やタスク管理、やらないことの選別(何をやらないか)がかなりの頻度で発生します。
そして、関わる人との意思疎通の重要性が発生、調整能力ももれなく向上します。

「バランス」という言葉があります。
意味は、釣り合い、均衡、調和、均整、平静。

英単語では「天秤(てんびん)」とも訳されます。
2つのお皿のはかりである天秤。
天秤のお皿はゆらゆら揺れつつ、どこかで停止(拮抗・安定)します。

人生にはイロイロなステージがあります。
仕事に本気で取り組む時期、育児に注力する時期、趣味に没頭する時期など。

もちろんどれか1つという事はなく、いつも複数の何かをはかりにかけている状態。
一時期負荷が増えたしても、天稟が倒れてしまわないよう、バランス感覚は重要です。

ではでは。

◆今回のまとめ◆管理職では現場と管理の時間配分
子育て期は家事育児と仕事の配分
バランスとしての天秤のイメージも1つ