オンライン飲み会は定着しなさそうだがリアル飲み会も衰退

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ライフハック・節約

コロナ過で一部に広がったオンライン飲み会。
やってみると便利な点もありますが、満足度はそれほど高くない結果のようです。
ただ、そもそも飲み会開催自体が減っている時代ではあります。
飲み会否定も心情的にうなずけますが、飲み会は1つのツールとして活用するものです。

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コロナ後のオンライン飲み会はネガティブ

コロナ過で、物理的な飲み会や会食に一定の制限がかかりました。
並行して、大企業中心にリモート環境が進められ、打ち合わせはリモートでも一定の成果を出せることが実証されました。
個人的には一般的な仕事の打ち合わせは、リモート100%で良いと思っています。

快適なリモート環境前提ですが、日常業務を画面越しで進められると、慣れもあり良し悪しが分かる。
それもあってか、オンライン飲み会も一部の間で普及し、オンオフ問わず使う人が増えました。

オンライン飲み会利用者の、2020年と2021年の比較アンケート結果が以下です。


出典:オンライン飲み会に関するアンケート(日本トレンドリサーチ)

どちらの年も変わらず、参加者割合は15%前後です。
2021年は0.3%減少していますが、誤差レベルです。


出典:オンライン飲み会に関するアンケート(日本トレンドリサーチ)

回数も大きく変動していません。
「1回開催」が1.1%減って、「5回以上」が3%増加しています。


出典:オンライン飲み会に関するアンケート(日本トレンドリサーチ)

まずこのグラフは複数回答結果なので、全体割合が100%を超えています。
トピックスは「職場・仕事関係」が8.8%の増加、「近所友人」が-10.3%です。
仕事でオンライン利用可能な人達は、その流れで使う人が増えたのか。
「近所友人」とオンライン飲み会をやったが、近所なら人数を絞って集まったほうが良いと思い減ったのか。


出典:オンライン飲み会に関するアンケート(日本トレンドリサーチ)

このグラフが一番、差が大きく、コロナ収束後はオンライン飲み会を開催したい人が大きく減少。
オンライン飲み会が、肌に合わなかった人がそれなりにいる結果です。

オンライン飲み会のメリデメ

オンライン飲み会のメリットとデメリットを上げてみます。

▼メリット
・物理的に集合する必要がない(遠隔地の場合は特に)
・コストがかからない(食べ物飲み物は自分で持ち寄り)
・飲食量をコントロールできる
・事前の幹事調整事項が少ない
・精算不要、割り勘の不公平感がない
・ドタキャンの影響度が低い
・アルハラになりにくい
・帰る時間を気にしなくてよい

最後の「帰る時間を気にしなくてよい」は、逆にそれがデメリットでもあり、あらかじめ終了時間を決めておかないとエンドレスになって辛い、という話も聞きます。

▼デメリット
・一人が話し出すと発話はその人に絞られる(大人数は向いていない)
・話しにくい
・ファシリテーターがいないと沈黙など微妙になることがある
・生活感がでてしまう(子どもが入ってくるなど)
・時間設定しないとエンドが存在しない
・全体の雰囲気が見えにくく、参加者のノンバーバル情報がキャッチしにくい
・盛り上がらないと物理飲み会以上に参加者がさめている
・非日常性に出会えない(外食だと知らない料理や雰囲気に出会える)

オンライン飲み会は、サッカー同様、ボールを持っている人が1人です。
ボールを持っている話し手が、うまく次の人にパスできるかは、盛り上がりに影響します。
ファシリテーターがその役割を担うこともありますが、パス回し(感覚)はリアル飲み会以上に肝になります。

また、物理的飲み会であれば、フワッと全体を見て「あの人つまらなそうにしているな」は分かりますが、オンライン飲み会だと、個人個人のウィンドウが小さく見えにくい。
手持ち無沙汰な人を話題に引き入れたいのであれば、あらかじめネタを仕込んでおくのも1つの対策です。

参加者に、あらかじめ最近見たネットニュースやおもしろ動画を1つ出してもらう。
他にも、無条件に100万円をもらえたとして10日以内に使い切るなら何に使うか。
物を買っても良いですし、旅行やサービスに使うのもアリ。

極端にパーソナルにならない、それでいて広がりのあるネタを仕込んでおく。
「最近、はまっていること」も候補になりますが、やや心理ハードルが高い候補です。
あえてそういうところに切り込むの一策ですが、強制力(圧迫感)が低くするのを狙うのは、心理的安全性の発想と同じく現代風です。

飲む頻度は減っている

以下はオンライン飲み会限定の情報ではなく、飲み会の頻度についてです。


出典:コロナ禍で浸透した『オンライン飲み会』今後も定着する?(株式会社LASSIC)

最大のトピックスは、コロナ後の飲み会が減っています。
グラフ内一番右の灰色「参加しない」が男女とも、大きく増えています。
グラフ内一番左の青色「半年に1回以下」が増えていますが、それより短い期間は男女ともにすべて減少。
数か月に1回以上の頻度で開催していた飲み会が、「半年に1回以下」か「参加しない」になっています。


出典:飲みニケーションは好きですか(産労総合研究所)

違う情報元として産労総合研究所に、職場飲み会に関するアンケート結果がありました。
職場飲み会が「好き」と「どちらかというと好き」を足すと31.1%。
約1/3の人が、職場飲み会に積極的な時代のようです。


出典:飲みニケーションは好きですか(産労総合研究所)

1つ上のグラフ「産労総合研究所」で回答した人たちの、コロナ収束後の参加意向です。
「参加したい」と「どちらかというと参加したい」を足すと27.9%。
先ほどの職場飲み会積極参加者より、低い熱量です。

なぜ参加意向が減っているのかここからは分かりませんが、職場飲み会は衰退に向かっています。

 

飲み会は1つのツール

僕の考えとして、頻度少ない飲み会は意義(変化)が大きいので賛成。
オンライン飲み会も、参加者の状況を考えて、選択肢に入れた方が良いと考えています。

僕はいま、フルリモート(在宅勤務)での就業環境です。
飲み会や会合、懇親会など、仕事でも仕事以外でも、オンラインで経験しています。
一応ですが、コロナ過前にリアル飲み会は、オンオフ問わず参加しています。

リアル飲み会かオンライン飲み会のどちらが良いかは、状況次第。
参加メンバーの関係値の深さ、物理的距離、育児中などの時間的制約など考慮すると、オンライン飲み会が適当なこともありますし、仲の良い集まりであればリアルにまったりするその空気感も良い。

僕は、同じメンバーで月に1回などの、単なる飲み会的なものには参加しません。
拒否理由は、マンネリ感がイヤで時間の無駄と感じています。
その会合時間内に「この時間にあれがやれたな」と思ってしまったら、一時も早くその場から離脱したくなる。

自分の中に、敢然と「コスパ思想」が組み込まれているのを認識しています。
仕事で結果を出すとき、育児に本気で向き合ったりする経験があれば、それは当たり前に備わる機能。
ハードな状況を乗り越えると、時間が足りない中で、取捨選択(捨象)能力に磨きがかかります。

一応ですが、同僚と一定の関係性を構築するのは、仕事を円滑に進めるうえで必要と考えています。
人によって、妥当な頻度(距離感)ありますが、僕は飲み会形式であれば数か月に1回で十分。

いつものメンバーでワイワイやるのが人生の最大の楽しみ、というのも生き方なので良いと思っています。
草野球チームに入って身体を動かし、その後の飲み会を含め、大人が本気で笑っている姿を見ると、自分が薄汚れた感じも持ってしまいますが、マッチしている人にはうらやましいくらい理想的な環境のような気もします。

世の中は、飲み会不要論が強まっていると感じます。
僕は「必要」「不要」のどちらかしか投票できないなら「不要」に入れますが、そんな極端な話でもなく。

リアルでもオンラインでも、飲み会は1つのコミュニケーションツール。
そこから良い未来に発展する何かがあれば、参加すれば良いだけです。

昭和時代の会社イコール人生のようなサラリーマン社会が、いまは超個人社会になりました。
会社の同僚とうまくやっていくのが大事な時代に、個人と会社の距離感が変わり、飲み会不要に矛先が向かったような。
コロナ過で物理的接触が減り、飲み会を開催しなくても目先の不便はなさそうという実績が出来上がりました。

成果を出すとき、能力のみが求められる時と、それ以外の何かも影響するケースがあります。
大病を患って手術するときは、医者の手腕(能力)のみ期待しますが、友達や仕事関係では信頼や人間性、愛嬌のようなものが、力を発揮する。

能力と人間力のどちらか一方ではなく、両方大事なのですが、あえて言うなら人間性がベースになるのが人との関係性。
どれだけ能力が高くとも、他者配慮できない人をチームに迎え入れないのは、Google社の採用基準を持ち出すまでもなく。
チームで結果を出すとき、メンバー間の関係値が良い方がアウトプットが大きいのも、研究結果以前に納得度の高いモノです。

良い関係値を築くための1つの方法として、飲み会も活用する。
参加者がやってよかったと思えるような楽しい飲み会であれば、次回開催のモチベーションはが高くなります。

さいごに

外食して、おいしい食べ物やワインに出会う。
「あの店おいしかったな、また行きたいな」と思える店が、だれしもあると思います。
リアル飲み会ではセレンディピティ的な出会いも時にあります。

対し、オンライン飲み会は予定調和になりがち、食べ物や飲み物を奮発してネット購入もできますが、環境は如何ともしがたい。
お店のサービスに感動するようなことは、リモート飲み会では望めません。

オンライン飲み会をやってみると、リアル飲み会の特徴(お店の強み)も自然に浮かび上がってきます。