ごみを片づけて作業場所をつくる

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統計データ

環境への配慮について温度感が高い現代、ごみ総排出量は2000年前後をピークに純減しています。
リサイクル率は意外なのか分かりませんが、ここ10年横ばい。
環境配慮は地球規模で見て大事であり、ごみが散らかっていてはできないこともあります。
必要度が低いものがなくなりはしませんが、物理的にも精神的にも余白をもつのは、人生を楽しむコツの1つです。

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ごみ総排出量は最盛期に比べ2020年は76%

以下、1985年からのごみ総排出量と、1人当たりのごみの情報です。

ごみ総排出量・1人当たりのごみの量の推移
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

全体の傾向は山型で、ゴミの量が多かったのは2000年前後です。
ごみ総排出量の最高値は2000年の5,483万トン、グラフ内最新年の2020年は4,167万トンと76.0%になっています。
1人1日当たり排出量の最高値は1999年の1,189グラム/人日、2020年は901グラム/人日と75.8%です。
エコロジー、リサイクルやリユース、断捨離など時代が進むとともに環境配慮が浸透しているので、グラフが右肩下がりなのはわかります。

グラフ上のピーク2000年前後になぜゴミが増えているのかは不明で、最盛期が1980年代後半から1990年前半のバブル経済時ならそういう時代だったのだろうと予想はできますが、そこからさらに10年間ゴミが増えています。
バブルの残り火なのか、バブル崩壊後の後片付けなのか、祭りの後のごみの散乱をイメージします。

生活系ごみと事業系ごみの排出量
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

上記、ここ10年の生活系ごみと事業系ごみの推移です。
生活系ごみ排出量について、2020年は2011年に比べると92.7%、2019年から2020年は微増です。
事業系ごみはほぼ横ばいですが、2020年のみ少し下がって、2011年に比べると89.3%になっています。

ごみ最終処分量やごみ焼却施設も右肩下がり

ごみが排出されてから、ごみは下記のフローで処理されていきます。

全国のごみ処理のフロー
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

たくさんのブロックがありますが、素人には1つ1つの意味が分からないものもあります。
最後のフェーズの1つ総資源化量が833万トンで、このフローの最初ごみ排出量に比べると20.0%と、1/5が再資源化されています。
他にも最後フェーズの1つ最終処分量は、367万トンでごみ排出量比で8.8%。

最終処分量の推移
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

最終処分量のみの推移が上記で、きれいに右肩下がりになっています。
1人1日当たりの最終処分量の折れ線グラフも、ほぼ同じ傾向です。

ごみ焼却施設の種類別施設数の推移
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

ごみ焼却施設も、減少しています。
2020年は2011年比で-155施設、87.2%になっています。

ごみ焼却施設の規模別施設数
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

ごみ焼却施設の規模ですが、100トン~300トンが最多で全体比37.9%。
この100トン~300トンがどのくらいの規模なのか良く分かりませんが、一番普及しています。
折れ線グラフは2020年に新設されたごみ処理施設ですが、こちらも棒グラフと類似。
建て替えなども含まれているのであれば、同じ傾向になるのは納得です。

リサイクルは進まず、エネルギー効率は向上

ごみとして焼却や埋め立てではなく、再利用する割合についての情報が以下です。

ごみのリサイクル率
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

世間の温度感からは、リサイクル率が進んでいるのかと思いきや、ごみのリサイクル率はここ10年横ばい。
2011年が20.6%、2020年が20.0%と、増加ではなくわずかに減少しています。

ごみ処理量当たりの発電電力量(kWh/トン)
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

エネルギー視点では、ごみから発電する電力量は右肩上がり。
予想でしかありませんが、技術の進歩があったと考えられます。
2011年が213kWh/トンでしたが、2020年が307kWh/トンと、144.1%(約1.4倍)になっています。

ごみ焼却施設の余熱利用の推移
出典:一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について (環境省)

最後に、余熱利用するゴミ焼却施設数の情報ですが、こちらも上昇。
余熱利用している施設割合はグラフ内青色で、2011年が65.3%、2020年は69.9%。
グラフ内オレンジ色の余熱利用あり施設は2011年が39.7%、2020年は52.4%と前後比132.1%になっています。

作業場所をつくっておく

ごみと言うと、最近はごみ屋敷問題を見聞きします。
僕は過去も現在も経験がないので想像でしかありませんが、周囲にごみ屋敷がいたなら自分でコントロールに限界があることを考えると、途方に暮れるのは分かります。
住居の最大リスクが隣人なのは、平穏な状況であってもいつどうなるかは分かりません。

そして、ごみ屋敷と聞いて、僕が思い浮かべるのが葛飾北斎です。
引っ越し回数が93回、その引っ越し理由としてごみ屋敷化があったというお話です。

北斎は同じ絵師の娘と二人で生活していたが、どちらも生活力が乏しく、絵ばかり描いている。
食べ物を買ってきて、包み紙を机の横にぽいぽい捨てて、やがてごみ屋敷化し引っ越す。
絵の技術を磨くために安穏とした日常を忌避し、インスピレーションを得るため同じ場所に居続けることに我慢できず、引っ越しを繰り返すのであればカッコ良いのですが、現実、絵に没頭する姿勢はその通りであっても、自堕落な性格だった点は人間味にあふれています。

1つに没頭して、余人がたどり着けない場所に行く人を歴史に名を残す人だったとして。
僕がそういうものに巡り合えていない、あこがれで見ている点はありますが、隣の青い芝であることも確か。
アンバランスで突き抜けるか、バランスでそこそこを目指すのか、どちらか1つではありませんが目指す先によって戦術は変わります。

僕はいま、僕の奥様・子どもと一緒に住んでいます。
子どもが幼児期は、リビングが台風一過状態、足の踏み場もないような時もありました。
それもある時から、基本は片付いている状態にするように家族全員で習慣化しました。

何かをするときに、作業場所が適切に確保できているかどうかでアウトプットが違う。
台所で料理するとき、まな板を置く場所が確保できなければ、食べる人を幸せにする料理がつくれるのか。
賛否はありデメリットは覚悟の上で、親が率先して子どもの後片付けをしたのが功を奏したのか、いまでは子どもも片づけるのが当たり前という習慣ができたのは良かったと思っています。

他にもわが家では子どもに家族の役割として、ゴミ出しの日にゴミを集める役を任命しました。
同じ時間、親は別の家事をしたり、家の中のゴミ収集を一緒に手伝ったりしていたところ、たいした不満もなく継続している。
子どもが家族の一員としてチーム貢献するのが当たり前と思ってくれているのであれば、大人になっても周囲と協調できる。
それがありふれた人生にしかならないとしても、ウェルビーイング観点で見ると1つの回答になります。

片づけして、余白のある状態を標準としておく。
頭の中も同じで、その日にあった事を整理し抽象化して保存整理し、考える余裕を作っておく。

余力がある状況が常態化できていれば、人生はいろいろ楽しめます。

さいごに

2021年の家庭用不織布マスクの出荷量は49億枚でした。
この不織布マスクは素材にプラスチックが含まれており、いま話題のマイクロプラスチック問題につながります。

だからと言って、コロナ過にマスクしないわけにもいかず、やはり生きているだけでごみは発生します。
他にも、プラスチックストローの方が紙ストローより使いやすい、というのも実感として分かる。

それでも、ごみを減らす方向性はSDGs時代、この先もっと浸透していくのは間違いなく。
多少不便でも子どもの未来を考えると、それも良いかと思っています。