髪の毛の色について、大人社会は大分自由になった気がします。
大人になり職種が接客であれば保守的にならざるを得ないかもしれませんが、一般的には髪の色で何かを言われることはなくなりました。
その流れか、小学生でも髪を染めている子はいますが、消費者庁見解は安全面で控えた方が良いとなっています。
子どもはNGとして、大人は周囲の状況もみつつ、自分の判断で髪を染められる時代になりました。
髪を染めたことがある経験、女性は約3/4、男性は4割
最初は、髪を染めた経験について大人の解答です。
出典:ヘアカラーに関する調査(2023年)(Cross Marketing)
上記は20~69歳の男女が対象のアンケート結果です。
過去に1度でも髪を染めたことがある経験は、女性は76.7%、男性は40.2%。
現在も定期的に染めている人は、女性は60.7%、男性は16.9%。
出典:髪の毛、染めてる?(ポーラ文化研究所)
上記は女性限定で、年齢別の髪を染めているかの状況です。
若い世代ほどカラーリング率(グラフ内・青色)が高く、年齢が上がると白髪染め(グラフ内・灰色)が多くなる。
合計でみると、35~39歳のところに谷がありますが、基本は年齢が上がるほど髪を染めている割合は多い。
35歳~44歳あたりが、カラーリングから白髪染めに移行する人が増えています。
出典:「ヘアカラー」や「ヘアケア」について女性300名にアンケート調査(株式会社はぐくみプラス)
上記は20代、30代、40代の女性各100名に対して、ヘアカラーの色を選ぶときに気にしていることです。
1位は「年齢相応か」で、30代40代が特にこの傾向が高い。
次いで「学校や職場の規約・雰囲気」で、20代はこれが最多層です。
他の解答項目も含め、周囲の反応を加味しつつ、ヘアカラーの色を選んでいる項目が並んでいます。
高校で髪についての校則があるのは約3/4
昔からあった、高校生が髪の色を染めてよいか話題について、2021年2月に以下の判決が出ました。
判決では「脱色禁止は校則にあっても良い」です。
下のグラフは、全国の20代~50代男女、日本の高校(全日制)に通った100名に対して髪に関する高速についてのアンケート結果です。
大人が回答者なので、以前、高校だった頃はどうだったかの回答です。
出典:高校生の髪の校則について(ヘアログ)
髪に関する校則があった割合は77%と、3/4以上。
この回答をした人が私立なのか公立高校なのかはわかりませんが、以前は大半は髪に関する校則があったと言えます。
サンプル数が100と少ない点は留意点です。
出典:高校生の髪の校則について(ヘアログ)
1つ上のアンケートと同じ回答者に聞いた、高校において髪の校則について賛成か反対か。
賛成が68%で、1つ上の髪に関する校則があった割合が77%よりは低い。
このアンケートは2020年に実施されているのそれほど古いものではありません。
その上で、いまでも高校生の髪に関する校則を賛成する人の割合は2/3以上と言う結果です。
子どもの髪染めはリスクがある
このブロックは、小学生が髪を染めるかについてです。
出典:小学生のヘアカラーに関する印象調査(ヘアログ)
上記は全国20代~50代の男女100名が回答した、ヘアカラーしている小学生の印象とその親の印象です。
こちらもサンプル数が100と少ないでです。
良い印象と答えている割合は一桁前半と、少数派。
悪い印象が約2/3で、残りがどちらでもない。
全体では、小学生が髪を染めている、あるいはその親の印象は良くないイメージとなっています。
子どもの毛染めについて、消費者庁の見解が以下です。
毛染めで接触皮膚炎になることがあるのを御存知ですか。
子供の皮膚は未熟なため、化学物質の影響を受けやすいと言われています。最近、髪を染めているお子さんを見掛けますが、子供の毛染めは要注意です。
特に、ヘアカラーリング剤の中で最も広く使用されている酸化染毛剤(ヘアカラー、ヘアダイ等と呼ばれる。)は、他のカラーリング剤と比べてアレルギー性接触皮膚炎を引き起こしやすい成分(酸化染料)が含まれています。すぐに異常が起きなかったとしても、低年齢のうちから毛染めを行うと、酸化染料との接触回数が増え、アレルギーになるリスクが高まる可能性があると考えられています。
安易に子供に毛染めをするのは控えましょう。出典:子ども安全メール from 消費者庁 Vol.267(消費者庁)
安全性を考えるなら、子どもの髪染めは止めた方が良い。
毛染めを開始しても良い年齢は、以下の海外の記事では10代後半からとなっています。
ここまでをまとめます。
・過去に髪を染めた経験、女性は76.7%、男性は40.2%。
・女性35歳~44歳あたりがカラーリングから白髪染めに移行する人が多くなる
・女性がヘアカラーを選ぶとき周囲を気にしている
・髪に関する校則がある学校は約3/4
・髪に関する校則について賛成派は約2/3
・小学生のヘアカラーの印象は約2/3が悪い印象
世の中の受容度は上がっている
わが家の子どもの学校公開(授業参観)に参加したとき、クラスの中に髪を金髪に染めている子がいました。
その子の顔立ちは日本人、毛の根元部分が黒だったので、意図的に染めた子と言えます。
僕が髪の毛を染めている子がいると気づいたのは、授業が始まってからしばらく経ってから。
自分の子どもの挙動、クラス内の雰囲気、授業内容をキャッチすることが脳内で優先事項です。
これらの情報収集が終わって余力が出た頃、「金髪の子がいるんだ」と気づきました。
ピンク色の頭髪の子がいたら、真っ先に注意がそこに向きそうですが、どうやら僕の脳は金髪を日常風景と認識している。
いま街を歩いていて少しくらい奇抜なファッションでも、特別視しません。
多様性受容レベルは自分含め社会全体として向上しており、推し活やオタクが普通になったのもその1つです。
お客様相手商売では難しいですが、オフィスワーカー(内勤)のだれかが金髪にしたとして文句を言う人は、僕が所属するIT業界では想像できない。
「けしからん」と心の中で思う高齢男性はいそうですが、それを口にするのを控える時代です。
子ども達の授業風景を見ていても、いまのみんなのびのび授業を受けている。
子どもが先生に冗談を言ったり、「先生トイレ」も恥ずかしさぶりは皆無、先生も子どもとフランクに接しています。
この延長線として、クラスメイトが金髪でもそれを異常値としない雰囲気を感じます。
僕はこれを良い傾向だと思っています。
大げさな言い方をするなら、規則・ルールは必要ですが自由裁量はできるだけ尊重する姿勢、できるだけ個を認めたい。
小学校から中学校、高校と上がるにつれて、公立であれば規則や校則は増えていきます。
子ども側も、年齢が上がると社会性が身に付いていき、周囲との調和を意識するようになる。
それらになじみ過ぎた結果、無個性となり、自己肯定感の低い人になる懸念を一部の若者を見ていて感じます。
ちなみに、自己肯定感が高すぎる方が社会では生きにくいと思っていますが、低すぎるのもイマイチ。
学校はルールを守ることを覚える場所の物言いがありますが、僕は一部同意ですがそれよりも自分の頭で答えを出す方が重要です。
ルールはだれかが作ったもので、それを思考停止で守るだけでは自立と対極。
なぜその規律ができたのか、その規律がなかったらどうなるのか、不要であれば廃止するなど、最適解は移りゆくものなので考える点は多い。
この辺りを非認知能力と言うには少し無理筋ですが、ルールを守りつつ考えるのは自分の人生を彩るためにも重要。
以前もこのブログで書きましたが、学生時代は「ルールを守る」が優等生、社会では「ルールを作る(創造的活動)」人が求められています。
また社会全体としては、いまは厳しいことを誰も言ってくれない時代です。
僕はわが家の子どもが髪を染めてよいかと聞いてきたら、反対します。
理由は上記の医学的見地からです。
髪を染めるのはNGとしても、本人がリスク受容して社会からの厳しい視線を覚悟しているなら、ある程度は認めたい。
僕が子どもだった昭和は、ルール専制時代でした。
自分が大人になってから振り返ってみると、1クラスの生徒数が多かったなどの環境でしたが、大人側の怠慢の側面があったと考えています。
必要な時間が取れないなら、システムが間違っている。
なぜそれが必要なのかを子どもと一緒に考えるだけでも、たくさんの気づきがあります。
現代の育児は、核家族や求められるレベルから、基本余力はありません。
そして、余裕がないから子どもと向き合わなかった末路は、いまの子育て世代の大半は理解しています。
親子で一緒に考える。
好奇心が燃料ですが、能動的に考える癖を子ども時代からつけておくと、大人になってからも楽しく生きられます。
さいごに
僕が所属する会社のある男性同僚が、それまで白髪染めしていたのをある時、止めました。
曰く「めんどくさくなった」がその理由で、数か月後、頭髪はほぼ白色になっていました。
僕はそれを見て、空気のごとく受け入れられたので「普通に良いと思います」と言いました。
少なくとも僕にとっては、日本人顔の髪の色として黒色、茶色、白色は、年齢問わず普通と認識しています。
あとは、丸坊主も日常風景の1つです。
女性はもっとバラエティに富んでいて、茶色は多数、指し色を入れている人、全体を茶色以外にしている人もいる。
ダイバーシティというには入口ですが、自由な風は感じます。