婚姻件数も婚姻率も減少の一途、婚姻率が高いのは都市部

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統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・日本の婚姻数最高年は1972年の1,099,984件
・日本の婚姻数最低年は2023年の474,717件
・日本の婚姻率は下がり続けており、2023年が最低値で3.9
・都道府県別にみると、平均以上の県は沖縄以外は都心部のみ
・妻の初婚率、29歳未満は大幅減少、30歳以上が微増
・夫婦の平均初婚年齢は2015年まで上昇、その後は横ばい
・初婚も再婚も男性は大幅減少、女性は漸減
・世界的には中国を除いて婚姻率は下がり続けている

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2023年の婚姻数はピーク値の-53.9%

全婚姻件数に対する夫妻の再婚件数の割合 年次推移

日本の婚姻件数 推移
出典:人口動態調査(厚生労働省)

上記は日本の婚姻件数の推移です。
データを見やすくするため10年単位で区切っています。
このデータ内の最高値1970年は1,029,405件、年単位の婚姻数最高年1972年は1,099,984件です。
最低値は2023年の474,717件で、最新年が最も結婚件数が少ない。

1950年と2023年を比べると婚姻数は-240,364件、増減率は66.4%(-33.6%)。
1970年と2023年を比べると婚姻数は-554,688件、増減率は46.1%(-53.9%)。
婚姻数ピーク時1970年頃は団塊世代が結婚した時期、この時に比べ2023年婚姻数は半数以下になっています。

日本の婚姻率 推移
出典:人口動態調査(厚生労働省)

上記は日本の婚姻率の推移です。
(人口千人に対する)婚姻率とは「10月1日現在日本人人口」÷「年間の婚姻件数」x100です。
流れは1つ上のグラフの婚姻件数と同じで、総論は右肩下がりです。
日本人口のピークは2008年で高齢化要因はありますが、2008年頃も減少し続けています。

婚姻率の最高値は1970年の10.0、最低値は2023年の3.9。
婚姻率を1970年と2023年で比べると-6.1、増減率は39.0%(-60.0%)です。
婚姻件数1970年と2023年の増減比は-53.9%で、婚姻率増減比は-60.0%なので、総人口に対して結婚する人がより減っているのが分かります。

都道府県別 婚姻率 2023年
出典:人口動態調査(厚生労働省)

上記は都道府県別婚姻率、2023年の情報です。
全国平均は3.9。
平均より高い県は、東京5.3、神奈川4.3、愛知4.4、大阪4.5、福岡4.1、沖縄4.4。
沖縄以外は都市部で、良く言われるその近辺の若者が集まる都道府県です。

平均初婚年齢は近年横ばいで変わっていない

年齢階級別・妻の初婚率(女性人口千対) 年次推移
出典:人口動態調査(厚生労働省)

上記は、年齢階級別・妻の初婚率(女性人口千対) 年次推移です。
1995年と2023年を比べると、20~24歳は-33.27、25~29歳は-31.46、30~34歳は+1.44、35~39歳は+4.03。
29歳未満は大幅減少、30歳以上が微増です。

夫妻の平均初婚年齢の年次推移
出典:人口動態調査(厚生労働省)

上記は夫妻の平均初婚年齢の年次推移です。
男女とも2015年まで年齢が上がり、そこからはほぼ横ばい。
夫の初婚年齢は、1995年は28.5歳、2023年は31.1歳、前後比+2.6歳。
妻の初婚年齢は、1995年は26.3歳、2023年は29.7歳、前後比+3.4歳。
女性の社会進出が進んだ結果なのか、前後比では女性の方が初婚年齢が高くなっています。

全婚姻件数に対する夫妻の再婚件数の割合 年次推移
出典:人口動態調査(厚生労働省)

上記は全婚姻件数に対する夫妻の再婚件数の割合です。
2015年まで件数は伸びていますが、男性ピークは2015年の19.7%、女性のピークは2015年の16.8%。
それ以降は、わずかですが下がっています。

全婚姻件数に対する初婚・再婚件数 年次推移
出典:人口動態調査(厚生労働省)

上記は全婚姻件数に対する、男女別、初婚・再婚件数です。
婚姻件数全体が下がり続けているのは基本ですが、男性の婚姻数が大きく減少しているのが見て取れます。
女性側も、初婚・再婚問わず減少はしていますが、男性に比べるなら減少幅は緩やか。
夫婦とも、初婚と再婚の差は全体を通して変わっていません。

中国を除いて婚姻率は下がり続けている

世界の人口1000人当たりの婚姻率
出典:OWID based on UN, OECD, Eurostat and others(Our World in Data)

上記は、主に先進国の婚姻率情報です。
アメリカの情報のみ1920年からあり、1950年頃が飛びぬけて最高値になっています。
その後、1970年~1980年に2つ目の山がありますが、以降は減少し続けています。
他の国も同様、データ内最新年の2018年に向けて下がり続けています。

例外は中国です。
データ内では2018年以降の情報はありませんが、そこまでは上昇しています。
このデータが正しいとするなら、中国の若者は他の国に比べ結婚する割合が相当高いと言えます。

結婚に向かい風の時代

結婚しない理由について、以下、上げます。

・経済的な理由
結婚とその先にあるかもしれない育児に多くの費用がかかることを知識として知り、可処分所得が増えず物価が上がる現代では若者が結婚を躊躇する。
年功序列崩壊で収入増加は見込めない、昭和世代は未来が明るかったが、令和の若者にとって未来は不安。
物価上昇が続いており、安定志向というより防御志向に流れやすい世情。
東京のマンション平均価格が1億円超と言われても、多くの若者には現実のお話とは思えない。

・キャリアや自己実現、趣味志向
いつ、どうなるか分からない時代、自分のキャリアは自分で作っていくしかない(自己責任プレッシャー)。
キャリアコースを選ぶなら、社会人になってからある程度の時間は仕事のウェイトが高くなり、結婚を後回しにしてしまう。
仕事はそこそこコースを選ぶ人の一部は、自分(の時間)を大切にする人が増えた。
この層は一部を除いて収入はそこそこで良い割り切っており、1つ上の経済的理由にひっかかる。

・価値観の変化
結婚しないスタイルが許容される時代になった。
日本人にはまだ縁遠いが、西欧諸国では事実婚が増加している。
先進国は個人主義の進行。

・社会的なプレッシャーの減少
結婚しないことに対する社会的なプレッシャーの減少、都心部は特にその傾向が強い。
プライベートの話をすることがへった。不用意は夏厳はセクハラになる。
家名を継ぐ思想や結婚して一人前と考える人が減った。

・出会いのきっかけが減った
昭和時代に結婚のきっかけとして大きなウェイトを占めていたお見合いは、令和時代はほぼ消滅。
会社の同僚との結婚はいまもきかっけ最上位だが、それでもセクハラ・パワハラリスクにより以前に比べ減少。
学生は友達の輪を崩したくないため、仲間内でカップルを作らない発想。

少し前に、マッチングアプリが結婚のきっかけとして上昇しているニュースが話題になりました。

夫婦の出会いのきっかけ 1年以内に結婚した夫婦回答では「マッチングアプリ」が25.0%で1位タイ。

出典:「いい夫婦の日」に関するアンケート調査(明治安田生命 )

「マッチングアプリ」が「職場の同僚・先輩・後輩」と並んで結婚相手の出会いのきっかけの1位です。
僕はマッチングアプリを利用したことがなく想像ですが、出だし段階でかなり精査が入る出会いだと思っています。
年収、年齢、身長など、自分の希望した人のみフィルターされ、ザックリ上から順番にカップルになっていく。
嘘のプロフィールでなければ、結婚してからトラブルになりにくい点はメリットですが、シビアな選択だと感じます。
それでも出会いのきっかけは時代とともに変わるので、それがいまはマッチングアプリになったと言うだけではあります。

結婚しない理由として、相変わらず社会問題と分類されている若者の都市部への流入はあります。
女性が都市部に出て、その後地方(の地元)に戻らず、地方は男性余りで婚姻率が下がる。
2024年8月に都心部から地方へ結婚移住する女性へ支援金を出す施策を打ち出し、すぐに撤回したのは記憶に新しいニュースです。
政府として人口減少の歯止めがかからない状況をなんとかしたいのは分かりますが、なかなかに浅慮ネタでした。

結婚移住に支援金、事実上撤回 女性限定に批判相次ぐ―自見地方創生相

ここまでの情報を眺めてみると、結婚に対しネガティブ要因が以前に比べ増えており、この先も結婚する人は減っていくとしか思えません。
冷静に判断する思考が標準となっている若者世代が、自分の親のを見ているのも含め、「結婚のメリットって何があるの」とメリデメ思想になっても違和感はありません。
そんな彼らに既婚者の僕が結婚を薦めるかと言われても悩ましく、少なくとも僕が若い時代とは選択肢が多すぎて同列に語れません。
そして、個人判断の究極である結婚について、個人の思い込みを一般化して押し付けるならそれは老害です。
僕には高齢者が「何で若者は結婚しないんだ」という物言いを見ると、状況を理解しない自己中の遠吠えに聞こえます。

それでも僕は結婚して良かったと思っています。
たまたま、うまくいっただけではないかと言わるとそんな気もしますが、自分なりに家族チームの生き残り戦略を練って闘ってきたのは、やりがいがありました。
自分以外の他者と調和していく生き方は、自分が見えなかった(見ようとしなかった)ものが見えるようになるきっかけの1つです。

さいごに

僕は結婚して「自分が死ぬことについて、独身時代とは考え方を変えないといけない」と思うようになりました。
一応ですが僕は希死念慮を持っていない(つもり)です。

僕の場合、独身時代は自分が死んでも影響範囲が小い状況でした。
対し、結婚して子どもがいるのであれば、父親・母親・子どもいずれであっても、死ぬと残りの家族チームメンバーへの影響が大きいことを認識しました。
「子どもの自立」と「定年退職」のライフイベントを越えた後であれば、家族への影響度は下がりますが、それまでは「死なない方が良いよな」と思っています。

結婚に義務を持ち出すのは妥当か分かりませんが、僕は結婚してから何か判断時、独身時代より少し安全側に倒すようになりました。