この文章のトピックスは以下です。
・ここ10年の出火件数推移は約-15%
・出火件数と火災による死者数はほぼ同じ割合で推移している
・建物の出火件数は49年で-45.5%に減っている
・都道府県別出火件数の上位は人口密集地域
・11年で消防職員は+4.7%、消防団員は-14.9%
・2024年の出火原因の1位はたばこ
・住宅用火災警報器設置率は2025年時点で84.9%
建物の出火件数は半世紀で半分に減少

出典:令和7年版 消防白書(総務省消防庁)
上記は建物の出火件数と火災による死者数です。
出火件数(左軸)2014年43,741件、2024年37,141件、前後比-6,600件(84.9%)。
火災による死者数(右軸)2014年1,678人、2024年1,451人、前後比-227人(86.5%)。
総論はどちらも減少しており、その割合も近い結果です。

出典:都道府県・市区町村のすがた(社会・人口統計体系)(e-stat)
総務省統計局に建物の出火件数の、長期間データがありその結果が上記です。
1975年38,455件、2023年20,974件、前後比-17,481件(54.5%)。
約半世紀で見ると、日本の建物の出火件数は半分に減少しています。
都道府県別 出火件数 2023年
出典:
(e-stat)
上記は都道府県別出火件数です。
上位は人口密集地域が並んでいます。
それ以外、出火件数は西高東低やどこかの地方にかたまるような要素はありません。
消防職員は増加、団員は減少

出典:令和7年版 消防白書(総務省消防庁)
上記は消防職員数と消防団員数の推移です。
消防職員数(左軸)2015年162,124人、2024年169,730人、前後比+7,606人(104.7%)。
消防団員数(右軸)2015年859,995人、2024年732,223人、前後比-127,772人(85.1%)。
職員数は増加、団員数は減少しています。
地域のつながりは減少しており、消防団員数減少も時代の流れです。

出火原因1位はあいかわらずたばこ

出典:令和7年版 消防白書(総務省消防庁)
上記は2024年の主な出火原因と件数です。
1位はたばこで、昭和時代から変わらずいまでも出火原因のトップです。
2位はたき火で、いま東京ではたき火を見かけなくなりましたが、原因では上位陣です。
他に気づく点として、マッチ・ライターが下位に位置付けています。
たしかに現代でマッチは絶滅状態、ライターも安全機能として相当力が必要で子どもが簡単に使えないツールになりました。

出典:令和7年版 消防白書(総務省消防庁)
上記は住宅用火災警報器設置率です。
2011年に設置率が大きく上昇しており、その理由は消防法改正による設置義務化期限が2011年6月だったためで、その駆け込みのため設置率が上昇しました。
それでも2025年の数字は約85%と、100%までまだ15%残っています。
発火要因は時代とともに変わる
上記データの通り、日本の火災件数は長期的には減少してきました。
その理由として挙げられるものが以下です。
・住宅用火災警報器の普及
・建築物の耐火性能向上(コンクリートの建物の増加)
・家電・電気製品の安全性向上(安全装置Siセンサーの義務化)
・防火教育や消防活動の充実
そして、直近数年、件数は横ばいになっている点はあります。
昭和時代にはニュースで普通に聞いていた「放火」が近年は大きく減少しました。
そこに防犯カメラの普及、LED街灯の整備、地域防犯活動などが功を奏していると言えます。
あとは冷静に考える人が増えたのもあるのかと思います。
他人の家に放火するような恨みを持つ関係性が希薄化、それとともにいたずらに対しての意識レベルが昔と今では違います。
放火は最重要犯罪であり、そこまでするような関係性は減少しています。
逆に増えているのは高齢者の死亡割合です。
避難能力が低下している高齢者の一人暮らし増加はこの先も続くため、死亡割合はしばらく減ることはなさそうです。
昔はたばこの不始末やストーブやガスコンロが火事の原因として最上位でしたが、喫煙率減少でこれは下がってきている。
対し、最近増えているのは電気火災の増加です。
飛行機持ち込みモバイルバッテリーの発火は身近なものになり、他にも現代人は電気機器に囲まれて暮らしています。
以下のようなものが火災の原因として増えています。
・コンセント
・配線
・延長コード
・リチウムイオン電池
猛暑も火災発生の要因にもなり、エアコン使用増加は電気負荷増加であり、バッテリー温度は上昇します。
あとは、森林火災も普通に聞くようになりました。
気候変動の影響、林野火災懸念は現代の課題であり、高温・少雨・強風で山火事の危険性は高まっています。
この先、家事件数はどうなっていくのか。
家事発生要素としてこの先増えていくものは以下の機器です。
・EV(電気自動車)
・蓄電池
・太陽光発電
・家庭用バッテリー
これに対しそれを検知するシステムは進化すると予想できます。
・AI煙検知
・IoT火災センサー
・スマート火災警報器
・高齢者見守りシステム
火災は他人ごとではなく、仮に自宅でリスク回避要素を積み上げていても隣家からの延焼や、確率は低くとも放火のようなケースもあり得ます。
あとは、われわれ人間は全員高齢になるのも確定しており、高齢者対策も他人ごとではありません。
さいごに
この先、日本は人口減少とともに空き家増加します。
試算では2030年代に日本の全住宅の約30%が空き家になる。
人が住んでいなければ火事は発生する可能性は低そうですが、極端な話ネズミなどが古い電気配線をかじる「トラッキング現象(漏電出火)」で火事となるリスクはあります。
あるいは雷から火事が発生しても、だれも住んでいなければ対応が遅れ付近一帯を焼く。
これに対し、すでに対策は進んでいるようで、ブレーカーやコンセントにセンサーを内蔵し電流量の異常を検知して自動遮断するスマートホーム技術などがそれにあたります。
また、人口減少で消防団員が不足する地方において、ドローンによる上空からの早期消火確認や、ロボットによる危険な場所での消火活動するなど。
人口減少・高齢化社会は確定路線なので、テクノロジーで解決していくのが最有力です。
