少子化時代でも学習塾売上高は20年で約2倍に伸長

スポンサーリンク
統計データ

この文章のトピックスは以下です。
・学習塾の売上高は20年で約1.9倍
・授業料収入と教材売上高を比べると授業料収入の増加率が高い
・19歳未満人口は23年で-24.4%
・学習塾の受講生数は20年で+49.9%
・学習塾の事業所数は伸びていたがピークは2020年
・近年事業所総数にくらべ割合は僅かだが倒産件数は増えている
・学習塾の講師数のピークは2021年

スポンサーリンク

学習塾の売上高は20年で約1.9倍

学習塾 売上高(単位=百万円)
出典:学習塾(経済産業省)

上記は学習塾の売上推移です。
2004年307,826百万円、2024年593,397百万円、前後比+285,571百万円(192.8%)。
20年で1.9倍強まで伸長しています。
ニュースで少子化にもかかわらず特に首都圏での中学受験率が過去最高のニュースを聞きますが、その裏付けとなる情報です。

学習塾 受講料収入と教材売上高(単位=百万円)
出典:学習塾(経済産業省)

上記は学習塾売り上げの分類、受講料収入と教材料売上高です。
受講料収入は2004年283,733百万円、2024年555,475百万円、前後比+271,742百万円(195.8%)。
教材料売上高は2004年24,092百万円、2024年37,922百万円、前後比+13,830百万円(157.4%)。
売り上げ全体に比べ受講料収入が微増、教材料売上高は減少です。
教材はそれほど伸びていないのは子どもの人数が減っているのを指しており、ここからも少子化が読み取れます。

少子化にもかかわらず学習塾受講生数は20年で1.5倍

学習塾 受講生数
出典:学習塾(経済産業省)

上記は学習塾の受講生数です。
受講料収入は2004年9,445,570人、2024年14,154,736人、前後比+4,709,166人(149.9%)。
受講生数は20年で1.5倍になっています。

19歳未満人口
出典:人口推計の結果の概要(総務省統計局)

上記は19歳未満人口です。
受講料収入は2004年26,008百万人、2024年19,667百万人、前後比-6,341百万人(75.6%)。
19歳未満人口は23年で約1/4になっています。

学習塾事業所数は20年で+70.7%

学習塾 事業所数
出典:学習塾(経済産業省)

上記は学習塾の事業所数です。
受講料収入は2004年6,444、2024年11,001、前後比+4,557(170.7%)。
学習塾の事業所数は20年で約1.7倍になっています。
ただ、ピークは2020年11,602でそれ以降、わずかですが減少フェーズに入っています。

学習塾 倒産件数
出典:「学習塾」の倒産動向(2025年、速報)(帝国データバンク)

上記は学習塾の倒産件数です。
近年、学習塾の倒産件数増加をニュースなどで見聞きするようになりました。
全体の事業所数に比べて倒産件数割合は僅かですが、その数は増加しているようです。

 

学習塾 講師数
出典:学習塾(経済産業省)

上記は学習塾の講師数です。
受講料収入は2004年59,847人、2024年136,571人、前後比+76,724人(228.2%)。
学習塾の高指数は20年で約2.2倍と、1つ上のグラフ学習塾事業所数の約1.7倍にくらべ増加率が上回っています。

学習塾をどう使うのか

学習塾業界は、2026年時点では売上増加を続けてきました。
その理由として考えられるものは以下です。
・子ども1人あたりにかける教育費の増加
・特に人口密集地域の中学受験・高校受験ニーズ
・中学受験加熱
・「個別指導」へのシフト
・授業料単価の上昇(物価高、施設利用料の上昇に伴うものを含む)
・学校教育の難化と補完ニーズ

その一方、事業所数は2020年をピークに減少期に入っています。
その背景を上げてみます。
・少子化による生徒数減少
・個人経営塾の廃業
・大手塾への集約、M&Aによる統合
・「AI・EdTech」を活用したハイブリッド経営

今後、塾として伸びる分野を、大人の塾も含めて考えると以下です。
・個別指導、その子に適したカリキュラム
・AI教材・EdTech
・オンライン塾
・プログラミング教育
・英語塾
・社会人向けリスキリング教育

個人にあったカスタマイズされたものはこの先、どの分野においてもニーズが高まります。
あるいは特化型もニッチではあるが、多様化時代、その専門性から一定の需要が見込まれる。

反面、人口減少は塾経営にマイナスへ働きます。
人口減少はそのまま母数減少を意味し、その状況で存続は難しくなる。
過疎地域の自治体存続が危ぶまれていますが、それと同じです。

あとは、近年の課題として階層化の固定(2極化)のワードが頭をよぎります。
学習塾単価が上がって可処分所得が下がっているなら、学習塾に通える子どもは高所得家庭の子どもに偏ることになる。
結果、お金持ちの子どもは学習塾で勉強し中学受験で私立中学に入り、偏差値レベルの高い大学に進学し大きな会社に就職する。
大企業就職の意味が薄くなったとはいえ、現実、年間給与や生涯所得総額について大企業と中小企業を比較すると大企業に軍配が上がります。
大企業に所属できた一部の人は、その周辺で結婚しパワーカップルとして子どもを産み、学習塾のお世話になる。

僕は学習塾に対して、ポジティブでもネガティブでもない立ち位置で見ています。
ポジティブ面では、一定の詰め込み教育は考え方のベースを作るうえで有効と考えており、人生のどこかのタイミングで、集中して勉強する経験はその後も必ず活きてきます。
この意味で、学習塾は理にかなっている。

ネガティブ面は、特に小学生が長時間、勉強づけになる。
10歳頃に、たくさん遊ぶ機会と経験が減ってしまう。

残念ながら2026年の世情、子ども1人あたり年間100万円の塾費用が出せるご家庭は減っていると思っています。
限られたご家庭の子どもが、その経験を積めるという現実はある。
と言っても、やりようはあって、大手進学塾のテキストを市販で購入し独学で積み上げる手法はある。
ただ、独りで黙々と進められる子は限られており、強制的に塾のような環境でやらざるを得ない状況にするのは、環境を作る意味では効果的です。

塾に通うかどうか、一番大事なのは子どもがそれを望んでいるかどうか。
・塾に入るかどうか決める時に、親子でしっかりと話し合う
・生活がどのようになるのか
・塾に入ったときのメリットとデメリットを並べる
・学習塾に行くなら失うものはなにか
・偏差値や大学がどういうものか、現実のドロドロした仕組みを説明する
・どのくらいの費用が発生するのか、親のサポートがどれくらい必要なのか

やったことがないことについて、満額回答はできないのは当たり前。
シミュレーションして、覚悟を決めて塾に行くのならそれは本人の意思です。

早い段階から学ぶ楽しさと学び続ける意味を知ったら、その子の未来は明るいと言えます。

さいごに

一般的には、中学受験開始時期は小学3年生の2月からです。
小学6年生の2月が本番で、3年前から開始するので中途半端な時期から始まります。

僕の身の回り観測なので一般論ではありませんが、それ以前からたとえば小学2年生から中学受験の準備をする子ども(正確には親)が、わずかですが存在しています。
余計な心配ですが、早い段階からの塾通いで遊ぶ時間がどの程度削られるのか。
遊びから学べることはたくさんあります。
とは言え、塾に行かなかった自分の子どもの頃を思い起こすなら、無駄な時間が多かったのも事実。

塾にも通うし、友達とも遊ぶ。
僕が子どもの頃よりいまの子ども達は、メリハリを求められていると感じます。