この文章のトピックスは以下です。
・救急搬送件数と人数は21年で約1.5倍に増加
・実数では救急搬送人数は+269万件、搬送人数は+223万人
・救急出動件数の2/3は急病
・18歳未満、18歳~64歳、高齢者で比較すると高齢者の救急搬送人数増加が高い
・熱中症による救急搬送人数は7年で約4.5万件増加で増加率は約1.8倍
・熱中症による救急搬送死亡者数は7年で72人増加で増加率は2.5倍
・熱中症救急搬送される成人は7年で約1.7倍、高齢者は2.1倍
救急搬送件数・人数は約21年で約1.5倍

出典:「令和7年版 救急・救助の現況」の公表(消防庁)
上記は救急出動件数と搬送人数推移です。
救急出動件数2004年503万件、2024年772万件、前後比+269万件(153.5%)。
救急搬送人数2004年474万人、2024年677慢人、前後比+223万人(142.8%)。
21年で約1.5倍に増加しています。
救急搬送人数に比べ救急出動件数増加割合が高いので、実際に現場に到着して搬送の必要がないと判断された人が増えています。

出典:「令和7年版 救急・救助の現況」の公表(消防庁)
上記は2024年の救急出動件数、事故種別です。
1位は急病で約520万件、67.3%と全体のほぼ2/3がこれにあたります。
2位は一般負傷で122万件、3位は転院搬送で58万件。
この3つで全体の9割を占めています。
高齢者の搬送人数は10年で約1.3倍に増加

出典:日本子ども資料年鑑(社会福祉法人恩賜財団 母子愛育会 愛育研究所)
上記は18歳未満の救急搬送人数、10年の比較です。
この10年で軽傷-27.5%、中等症+9.3%、重症+4.7%。
最も搬送人数が多い重症は少し増加、軽傷は減少です。

出典:日本子ども資料年鑑(社会福祉法人恩賜財団 母子愛育会 愛育研究所)
上記は18~64歳の救急搬送人数、10年の比較です。
この10年で軽傷-21.5%、中等症-2.4%、重症-7.0%。
最も人数が多い重症が-7.0%と減っています。

出典:日本子ども資料年鑑(社会福祉法人恩賜財団 母子愛育会 愛育研究所)
上記は65歳以上の救急搬送人数、10年の比較です。
この10年で軽傷+9.6%、中等症+50.7%、重症+34.4%。
65歳以上は軽傷・中等症・重症すべてで増加しています。
また65歳未満に比べ中等症が一番件数が多い特徴が見て取れます。
熱中症搬送人数は7年で1.8倍強

出典:日本子ども資料年鑑(社会福祉法人恩賜財団 母子愛育会 愛育研究所)
上記は熱中症による救急搬送人数・死亡者数の推移 (各年5月~9月)です。
搬送人数2017年52,984人、2024年97,578人、前後比44,594人(184.2%)。
死亡者数2017年48人、2024年120人、前後比72人(250.0%)。
グラフでは2021年に谷ができていますが、コロナウイルス渦による外出現象が要因としてあります。
増加率を見ると、近年の酷暑の証拠となるような割合です。

出典:日本子ども資料年鑑(社会福祉法人恩賜財団 母子愛育会 愛育研究所)
上記は年齢階層別 熱中症による救急搬送人数です。
少年以下2017年8,175人、2024年9,390人、前後比1,215人(114.9%)
成人2017年18,879人、2024年32,222人、前後比13,343人(170.7%%)
高齢者2017年25,930人、2024年55,966人、前後比30,036人(215.8%)
少年以下は周囲の大人たちが気を付けているのか、それほど上昇していません。
しかし成人約1.7倍、高齢者約2.1倍と、大人たちの熱中症搬送人数は増加しています。
限られた資源の配分問題
まず今回見てきたデータのトピックスは以下です。
・救急搬送は増加し続けている
・搬送対象者は高齢者が増加
・猛暑で熱中症の搬送人数増加
どれもニュースで見聞きする内容で、実数値でもそれを示していました。
ニュースで話題となっている他の話題として、病院収容時間が延伸している点があります。
2024年の全国平均では通報から現場到着約9.8分、通報から病院収容が約44.6分のようです。
今回見たデータで分かる通り、救急出動が増えていれば、タイミングによっては救急車到着が遅れる。
また、人手不足や医師・看護師の働き方改革で、受け入れ先が減っている面もある。
これらを考えれば、救急搬送時間が長くなるのは当然です。
高齢化社会で高齢者の搬送人数が増加するのも、いまで使い古された予定調和の一環。
とはいえ僕も順調に年齢を重ねており、いずれは救急車のお世話になるだろうと思っています。
だれでも高齢になれば病院に頼る可能性は高まり、社会全体で解決策を模索していくべき課題です。
以前このブログで書きましたが、僕は生涯で10数回、救急車に乗車しています。
自慢になりませんが、多分これは普通より多いだろうと予想しています。
救急車乗車原因の内訳ですが、大半は人の付き添いで、自分が原因だったのは2回で、いずれも自転車乗車時の事故でした。
大人になってから救急車に乗る機会があったのは、スポーツでけがをした人の同乗時と、わが家の子どもの搬送。
大人のけがは後遺症にならなければたいしたことはありません。
やはり気持ち的に動揺したのが、わが家の子どもが小さい時、1度、救急車のお世話になった時です。
夜中に子どもが異常な状態になり、それに気づいて少し様子を見る。
様子を見ながらスマホで症状を検索して、どの程度緊急性があるのか検索結果ページをめぐる。
とはいえ、表示されたページの情報が正しいのかも分からないので、結果として専門家に電話する。
僕はその当時「救急安心センターの電話番号#7119」を認識しており、まずはこの番号に電話してみました。
夜中にもかかわらず1コールで電話がつながり、状況を説明すると「大事はなさそうですが救急車を呼んでください」とアドバイスいただきました。
電話先の方は、丁寧かつ分かりやすくこちらの情報を引き出してくれ、判断されました。
夜中にもかかわらず、ずいぶんこの電話1本で安心した記憶が残っています。
ちなみに救急車は10分未満の素早さで到着し、搬送先もすぐに決まりました。
振り返ってみると、自分が子どもの頃にこうした社会システムが存在したのか。
多分なかったのではと思っています。
当時の親は不安だけど見守るような、眠れぬ夜を過ごす人が多かったのだろうか。
世の中の核家族化の流れ通り、わが家は自分たちしか一緒に暮らしておらず、親へ相談するなどもできません。
この状況で実際に「#7119」にお世話になってみて、このシステムは現代の社会に有用だと感じました。
わが家の子どもは結果救急搬送されましたが、救急搬送不要と判断されたなら、救急車出動回数が減ります。
救急救命に限らず限られた社会リソースをどう活用するのか、この先の日本では考えるステージにきています。
2026年時点では夢物語ですが、各家庭に人体の数値が検知できる高度なセンサーが普及したなら、救急の流れが変わる未来が思い描けます。
呼吸や脈拍、体温、酸素飽和度などから、病状や緊急度をAIが判定して、しかるべく場所へ連絡する。
あわせて、いまそこでできる救急処置の指示もする。
この先、日本は人口減少社会と高齢化が確定しています。
限られた救急資源を本当に必要な人に集中させるのは、自分がもしものときの防衛策です。
それとともに病気になりにくいからだ作りであったり、未病発想も大事だと感じます。
さいごに
僕の知人の知り合い消防士さんで、救急業務についている方がいます。
その人が救急業務に就く理由は、手当てが追加されるため(給与が増える)。
彼は新築の家を購入したばかりで、少しでも早くローンを返済したいらしく、その気持ちは納得できるものでした。
消防士さんなので身体が丈夫、体力があり深夜業務もこなせる。
とはいえ不規則な就業時間は、圧倒的に大変なのも想像できる。
そんな彼ら彼女らの力もあり、いまの社会は成り立ってはいます。
自分が救急のお世話になると、特に実感できます、
そんな消防士さんや救急救命士さんは、社会にとって縁の下の力持ちだといつも感じています。
