結婚をする意味というのは人それぞれあるでしょう。
フワっとした理由や、外堀を埋められるような環境など。
それとともに子どもを授かったあとの家族のかたちは当たり前ですが十人十色。
僕はその家族をチームと捉え、その目的は全員の幸福最大化だと思っています。
ケンカが絶えない夫婦のご家庭
ある知人宅でのお話です。
そのご夫婦は、大学で出会ってつきあい始め、数年後結婚、現在子どもが2人という状況です。
そのご夫婦は、面と向かって、あるいは自分達の子どもに向かって、お互いの否定言葉を発します。
「お父さんのようになっちゃダメ」「お母さんはダメだねー」という、ありがちな内容。
それを見て思うのが「それを聞かされている子どもがキツイなぁ」ということ。
呪いの言葉(ネガティブワード)が日常で飛び交う環境、言葉は言霊(コトダマ)として力があります。
こうした状況が良くないとご本人達も分かっているのでしょうが、現実は抑えられない何かがあるのでしょう。
子どもができる前まで
僕自身、振り返ってみると、子どもができるまで、家族についてそれほど深く考えていませんでした。
結婚した後、大人が2人(最近は同姓パートナーも)、それぞれの趣味も持ちつつ一緒に住んでいる感覚でした。
その後、子どもが生まれたのをきっかけに「家族」というコミュニティーについて、考えるようになりました。
考えるようになったというより、ならざるを得なかったとも思っています。
・絶対的にやることが増え、日常をまわす事でいっぱいいっぱいになった
・自分以外のことを考えることが増えた(子どものこと、奥様の体調のことなど)
・待つ時間が増えた(=考える時間が増えた)
・人生の残り時間という、思考を持つようになった
子どもが22歳になるまでを一区切りと考え、その時の自分の年齢を出してみる。
初老というか老人という年齢であり、残された時間も見えてきます。
また、子どもを持って圧倒的に増えたのが「待つ時間」。
公園に子どもと遊びに行って、遊具や砂場で子どもが飽きるまで遊ぶのにつきあう。
かなりの時間、立ち止まって考える時間というものが強制的に発生しました。
この時、僕にとって考える対象のキーワードは「時間の使い方」でした。
僕は実利的に考えるクセがあるので、どうすれば最大メリットを獲得できるかを考えていました。
こういう手順にすればもっと効率化できる、ココでお金を使ってこうしたリターンを得るとか。
なぜそのメリットを求めるのか。
僕にとっては「家族というチームの幸福最大化を目指すため」という答えでした。
僕が心がけていること
独身時代は、自分のことを考える時間が大半。
趣味や仕事など、自分の思い通りに時間が使えます。
結婚。
自分以外にパートナーのことも考えるという発想になります。
2人という最も重要な関係となる、最小メンバーのチームになります。
その後、子どもを授かる。
子どもはまだ幸福というのが微妙なので、図では点線。
夫婦にとって、新たなメンバーを迎え、幸福総量が増える。
しかし実際は、家事・育児・仕事で日常が高速で過ぎていく。
自分の趣味や深夜のテレビ視聴などの余暇に、好きなだけ時間を使うのは難しい状況。
まずはどうやって睡眠時間を確保するのかなど、現実課題に追われます。
それでも最終的に目指すゴールは、チームメンバー全員の幸福量が増加している状態。
それは子ども1人だけの増加や、妻や夫だけ増加でもなく。
全員が「なんか良いねぇ」と思えるような状況なのではと、僕は考えています。
格言で言うのなら
「真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である」ナポレオン・ボナパルト
「無能な味方よりも有能な敵の方が役に立つ」マキャベリ
ナポレオンは有能な敵は、自分達が成長するきっかけになると考えていました。
現代社会で例えるなら無能な味方とは、仕事で意味のないことばかりする上司など良い例でしょう。
「頼むから邪魔しないでください」という経験は、働いたことがあればだれでも経験するもの。
1+1=2以上。
家庭でも組織でも、目指す基本はコレだと思います。
夫婦がお互いの足をひっぱっていては、2以上の結果は難しい。
いかにお互いの長所を生かして、戦い抜いていくのか。
得意不得意もお互いに認め、敬意を持って接する。
僕もできていませんが「いつもアリガトウ」は魔法の言葉。
掃除、炊事、洗濯、食事、育児、仕事、趣味、休息。
すべてのスキルを上げるのは難しいかもしれないので、できる範囲で、その範囲をなるべく広げる。
基本姿勢は「夫婦どちらか手が空いている方がやる」。
現代の3種の家電製品である「ドラム式洗濯機、食洗機、ルンバ」も活用するのも効果的。
核家族で共働き、ギリギリの状況を改善するのに、外部委託もひとつの手段です。
その際は、捻出した時間を何に使うのか、というのも考えたほうが良いと僕は思っています。
さいごに
この話、あくまで「家族」というコミュニティーの抽象的なお話です。
もう1点の視点として「夫婦」の関係があると僕は考えています。
子どもはやがて巣立つ。
その時また2人に戻る。
子育てで大変な時期に、2人でゆっくり話し合う時間をとるのは難しいです。
その時間があれば、家事ができたり、日ごろやりたくでできない難所の掃除ができたり。
それでも、立ち止まって二人で話し合う時間は重要だと思います。
特に大きな転機や重要なことの場合は、ほかを差し置いても時間を確保すべきでしょう。
引越し、転職、子どもの生き方や教育方針。
実際、僕はある転機の時、時間預かりで子どもを預かっていただいて夫婦会議を数回、行いました。
家族全体への影響が大きそうだったので、方向性の意識合わせが必要と考えました。
いま振り返ってみても、やはりそのタイミングで意識合わせを怠ったら、あとあと爆弾になったかもと思っています。
できれば、こうした時間は週に1回・土曜の夜など決めて、定期的に開催するのもアリでしょう。
お酒を飲みながらリラックスした状態でお話しする、というご夫婦のお話も聞いたことがあります。
意外とマズイのでは「小さな不満」をため込んでしまっている状態。
自分のやり方と違うのでちょっと違和感だが、忙しいとか小さいので放置。
こういうのが積もると、後の大爆発につながります。
「あれって何でああいう事をやっているの?」とまずは相手の考えを尋ねる。
自分が知らない状況や、思いもよらない発想がベースになっている可能性を確認。
その話を聞いてもやっぱりモヤっとするようであれば、自分の意見を希望として伝えるなど。
「スタンプ型ポイントカード爆弾」は導火線が長いうちに消すことが肝要です。
ある本に書いてあったスゴイ夫婦は、毎年『アクション年表』をつくっているそうです。
毎年1回、昨年1年の目標と結果を振り返り、今年1年の目標を設定する。
今年は何月にこんなイベントがある、という見えているものの確認から、見えにくい数年先のやりたいことなどについて今年はココまで、などの夫婦間共有。
こういう「見える化」をやったことがある方はご存知かと思います。
やるかやらないかで、圧倒的に実現度が変わってきます。
人間の脳は、思い描いたイメージにどんどん近づいていく習性があります。
「家族も含め、自分以外はみんな宇宙人だと考えれば、なかなか伝わらないのが普通」
少し極端ですが、家族を含め周りの人たちを宇宙人と考えると、ちょっと楽しいです。
ではでは。
集まったメンバーの目的はチームの幸福最大化
味方の能力を引き出す