大人も子どもも、現代の日本では平日6時台起床が多い。
それが週末になると少し遅くなり、7時台になっています。
時代ならではの現象として、スマホやパソコンを使用する時間が長い人は起床時間が遅くなっている。
子育て期は時間確保のため必然、起床時間が早くなりますが、朝方タイプになっておくと、少しだけ子育てが楽になります。
子どもの起床時間は6時台が最多
はじめに、大人は含まれていない、子どもだけの起床時間について学研の小学生白書からの情報です。
データの調査時期は2022年9月、小学校各学年男女100名、合計1,200名の結果です。
出典:小学生白書(学研)
2022年、小学生の起床時間ボリュームゾーンは「6:01~6:30」が30.4%、「6:31~7:00」が38.0%。
「6時~7時」の合計が68.4%と、2/3強がこの時間に起きています。
次点が「7:01~7:30」の18.3%ですが、始業時間を考えると学校の近くに住んでいる人たちが予想できます。
ほか「6時以前」に起きる小学生が約10%います。
年次が上がる毎の変化はそれほどなく、わずかに起きる時間が遅くなっている程度です。
出典:中学生白書(学研)
中学生になっても、小学生と大きくは変わらず。
「7:01~7:30」が小学生にくらべ、増加していますが、ボリュームゾーンは「6時~7時」。
まとめると、いまの小中学生は6時台起床者が大半、年齢が上がるとわずかに起きる時間が遅くなっています。
起床時間は平日より週末が遅い
次に10歳以上から老人までの起床時間について、令和3年社会生活基本調査に情報がありました。
これは国勢調査を基にしたデータ約91,000世帯、約18万人の解答結果なので、アンケート調査としては最大規模の1つです。
出典:令和3年社会生活基本調査(総務省統計局)
10歳以上の全年齢、男女別の結果が上記です。
平日は早起き、週末は30分~45分程度遅くまで寝ています。
男女比較では、女性の方が早起きです。
出典:令和3年社会生活基本調査(総務省統計局)
年齢5歳区分別の情報が上記です。
「20~24歳」が一番、起きるのが遅く、その前後も次いで遅い年齢です。
10歳代後半から20歳代は、規則正しい生活と縁遠いのは頷けます。
「10歳~14歳」と、「50歳以上」は起床時間が早い。
老人は早起きという言葉があてはまりますが、さらに高齢の85歳以上は起きる時間が遅くなっています。
わずかな差ですが、80歳以上は女性が男性より遅く起きています。
出典:令和3年社会生活基本調査(総務省統計局)
都道府県別の起床時間が上記です。
東京と大阪、福岡が、起床時間が遅い。
そのほか、神奈川や京都が次点になっています。
起床時間が早いのは、青森県、岩手県、秋田県、長野県、山口県、宮崎県。
人口密集地域が、起きる時間が遅い結果です。
出典:令和3年社会生活基本調査(総務省統計局)
スマートフォン・パソコンなどの使用時間と起床時間の情報が上記です。
総論、デバイス使用時間が少ないほど起床時間が早い。
また、「使用しなかった」人たちより「1時間未満使用」した人たちの方が、起床時間がわずかですが早い点は興味深いところです。
節度を持ってデバイスを使う人たちは、起床時間についても規則正しい可能性を感じます。
日本の睡眠時間は世界で最下位
世界睡眠医学協会(World Association of Sleep Medicine)というものがあります。
この教会によって「世界睡眠デー」が制定されており、3月の第3金曜日がそれにあたります。
2023年の「世界睡眠デー」は3月17日(金)です。
この協会は「睡眠は大事ですよ」という啓発を発信しており、この協会の発信内容に関わらず睡眠の重要性はすでに現代の常識になっています。
起床時間ではありませんが、OECDに世界の睡眠時間の情報があったので、以下グラフ化しています。
出典:Gender data portal(OECD databese)
世界平均が508分(8.47時間)、日本は最下位の422分(7.37時間)です。
下から2番目の韓国の471分(7.85時間)と比べても、49分短い。
「日本人は睡眠時間が少ない」と良く言われる根拠となる数字です。
早起き習慣は子育て期にも有効
青年期は、朝が苦手で遅刻もたまにする。
中年期は、眠い目をこすりながら現実を回すために、自分の欲望と逆らい無理やり早起きする。
老年期は、自然と寝る時間と起きる時間が早くなり、睡眠時間は短くなる。
晩年期は、昼間も夢うつつ。
子育て期について考えると、子どもが3歳くらいから小学校低学年くらいまで、大人より早起きして暴れ出す話は身近でもよく聞きます。
休みの日、大人はいつもよりゆっくり寝たいと思っても「ねぇ起きて、遊んで」モードで子どもが寝ている大人の上に乗ってくる。
それが小学校高学年ころから「いつまで寝ているの」と、のび太のお母さんばりの親の雷が落ちるようになります。
自分を振り返ってみると、少年期は朝起きが苦手でした。
学校に遅刻はしないまでも、マンガのパンをかじりながら学校に走って行くような堕落ぶり。
社会人になりたての頃も、遅刻はしませんでしたが定時ギリギリに出社する余裕のない状況でした。
その後、周囲のメンバーのことを考えて動く必要が出てくると、日中は自分の時間が取れなくなる。
僕は、試行錯誤した結果、早起きして人より早く出社し、だれにも邪魔されない時間で自分のタスクを片付けるようになりました。
早朝出社のメリットの1つは、通勤ラッシュ時間に当たらないもあります。
朝早く起きるようになり、7時間睡眠を確保するなら、前の晩の就寝時間が早くなる。
10代~20代、夜更かししてテレビを見ていた時期もありましたが、そうした時間がなくなります。
この喪失に対し、自分が損した気になるのかと思ったのですが、マイナス感情はほとんどなく。
優等生的発言で鼻につきますが、早寝早起きした結果、全体のアウトプットの質が良くなりました。
それでも、たまたま、自分は体質的に早起きができたと思っています。
いまの研究では、人間は体質的に夜型も存在するとされているので、夜のパフォーマンスが高い人が無理やり浅型に変えるのは悪手です。
僕は社会人になって数年経った頃、月間で100時間以上残業を、ずっと続けていた時期があります。
夜の遅い時間でも、頭の回転が落ちる感覚は薄かったのですが、気持ち的にはなんだかなぁと考えていました。
あとは「仕事時間が長い、自分は頑張っている」自己満足感に浸っていた面もあったと思っています。
振り返ってみると、深夜残業は惰性感がひどい。
周囲の同僚を見ても、オフィス内でお菓子を食べながらや、現代ではありえませんが飲酒しながらもちらほらいる。
これを続けて、身体に良い訳がありません。
自分の仕事をする時間確保のために朝方に変えたのですが、それは子育て期にはプラスに影響しました。
幼少期の子どもは早起きで、動き出したらそのエネルギーはとてつもない。
子どもに付きあう覚悟があるなら、自分のエネルギー量をいかに多い状態を保っておくのは、子育て期を乗り切る1つのコツです。
可能であれば、子育て期前から自分の生活パターンを朝方にしておくと、比較的楽に子育てできると経験則で感じます。
さいごに
僕の周囲には朝、早起きして登校前に塾の宿題を終わらせる子どもがいます。
塾通いが日常となった現代、学校が終わった後、友達と遊ぶ時間を考えた結果、朝、宿題を終わらせる方式にたどり着いたらしい。
昔も朝から勉強する子がいたのかもしれませんが、僕の身近にはおらず。
1日全体を通して時間の使い方を考えるレベルが、現代は上がっているのは確かです。
自分の子ども時代が、いかに野生児だったのかを再確認できるお話です。