見えないからより聴く

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ライフハック・節約

コロナ過で普及したものの1つ、リモートでの打ち合わせやセミナー。
プライベートでも、リモート飲み会やリモート披露宴も開催されるようになり、いままでになかった形式です。
やってみた結果、オンラインで良かったもの、リアルの良さが見直されたものなど、見えてきたことは多い。
大事なのは相手の話を聴く姿勢で、それはリアルでもリモートでも変わりません。

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セミナーにオンラインはメリットが多い

現代のオンライン接続ツールはたくさん存在、ZoomやMicrosoft Teams・Skype、Google ハングアウト、Slackなどがあります。
ビジネス界隈でよく使っているのがZoomとMicrosoft Teamsで、これがいまの2強ですがどちらも基本機能は変わらず。
両方を使ってみましたが大差なく、そもそも使う機能はわずかなので、ITリテラシーが低くとも普通に使えます。

そんなオンライン接続ツールを使って、僕は何度か(オンライン)セミナーに参加しました。
結論として、セミナーはリアルよりオンラインに分があると感じます。

▼オンラインセミナーのメリット
・場所確保が不要、コストがかからない
・講師と参加者のやりとりがしやすい、途中でもテキストで質問を投げられる
・参加者単位(たとえば参加者のうち2人ずつ)で個別セッション(部屋)が作れる
・遠方から参加できる
・資料印刷コストがかからない
・入退出が気兼ねなくできる
・周囲の環境で不快な思いをすることがない

▼オンラインセミナーのデメリット
・最低限のIT知識とネット接続環境が必須
・会場の温度感が掴みにくい(講師側も受講者側も)
・受講者側はリアルに比べ、緊張感に欠ける
・隣の人がイメージできない
・(リアル会議と同じく)雑談に発展しにくい
・表情や体のリアクションが大きくしないと伝わらない

リアルで集合してセミナーを受けると受講者の雰囲気が掴め、あくびをしている人が多いようなら多分、セミナー自体に問題があるなど分かりますが、オンラインだと難しい。
逆に、対面コミュニケーションが苦手な人にとっては、渡りに船。
最低限の接点で、自分が得たかった情報をキャッチできる、オンライン賛成派になります。
リアルセミナーでは、開始前に会場入りし席に着いたあと、隣の席の人とどの程度お話するのか。
話好きな人にとっては苦もないことですが、苦手な人はこれが理由でギリギリまで会場入りしない。

いま、セミナーを受講するならリアルが良いかネットが良いか、軽くネットで調べてみましたが、該当情報はみつけられず。
少なくとも僕の周囲は、「オンラインで十分」が多数派ですが、日常がフルリモートワーク環境の人たちなので、ネット慣れしている人たちの意見ではあります。

メラビアンの法則

それなりに有名なメラビアンの法則というものがあります。

アメリカUCLA大学の心理学者/アルバート・メラビアンが1971年に提唱した概念。人物の第一印象は初めて会った時の3~5秒で決まり、またその情報のほとんどを「視覚情報」から得ていると言う概念。メラビアンが提唱する概念において、初対面の人物を認識する割合は、「見た目/表情/しぐさ/視線等」の視覚情報が55% 、「声の質/話す速さ/声の大きさ/口調等」の聴覚情報が38%、「言葉そのものの意味/話の内容等。」の言語情報が7%と言われている。

出典:メラビアンの法則(コトバンク)

聴覚情報(Vocal)=38% 声の大きさ、温室、話す速度、身振り、振る舞い
視覚情報(Visual)=55% 外見、視線、表情、体の動き
言語情報(Verbal)=7% 発言や画面に表示されている文字や言葉

上記のアルファベットの頭文字のVから、「3Vの法則」と言われますが、3つが矛盾しているかも留意点。
笑いながら叱るのような状況では、視覚情報>聴覚情報>言語情報の順番に優先されるというのがメラビアンの法則。
言うまでもなく、褒めるときには褒める、叱る時にはしかるべく配慮して叱るのは言うまでもなく。

この法則、上記の心理学者メラビアンも「良く誤解されている」と評しているので、一応補足します。
メラビアンが調べたのは、上記の聴覚・視覚・言語がそれぞれ矛盾している場合、人は何を優先判断するか。
単純に視覚情報が55%で、見た目に気を付けましょう、という結果ではないとのこと。

オンラインセミナーでは、視覚情報がほぼなくなるため、矛盾が起こりにくくなります。
結果、これまで以上に、話し方や資料などの精度が求められます。

1対1のケースでは

2021年に僕はリモートセミナーで「リモートでの1on1の進め方」を受講しました。
内容はリアルとリモートの1on1の違いや気を付ける点で、やはり視覚情報が低くなる点が重要ポイントでした。

セミナー内のワークでは、どのくらい聞き手が無関心だと、話し手に不安感を持たせるのか実践。
1対1で最初の30秒、聞き手は自分のスマホを見たり視線を合わせなかったりする。
やってみると、リアルの時以上に、相手の無関心さにより、話しにくくなりました。
リアルでは、部下から相談を受けるとき、キーボードから手を放して相手側に身体を向けるのは必須、というのがありますが、それ以上。

30秒経過後は真逆の姿勢として、相手に目線を合わせ、相手が話しやすいように、あいづちを入れたりオウム返ししたり。
オンラインのメリデメを頭の中で想像はしていても、体感するのは血肉になりやすいと感じるセミナーでした。
他にも箇条書きで、オンラインの注意点を上げてみます。

・聞き手は話すタイミングに注意する、相手の話を遮らない(リアル以上に注意する)
・話すスピード、声の大きさ、高さも注意
・笑顔で聴く、オーバーリアクションが適当
・できるだけうなずいたりして、聴いていますよ感を受け取ってもらう

カウンセリングテクニックとして使われる、相手の言葉をオウム返しするとき、同じ温度感ではなく1.1倍以上を目指す。
この辺りも、リアルより音声重視になりがちなリモートでは、必要性は高そうだと感じました。

他にもリアルでの話しやすい環境づくりのテクニックの1つ、正面に座らず斜めに座るというものがあります。
オンラインで1対1で映像オフの時は、これと同じ状況になる。

普段、自分の意見をあまり発さない人と話すとき、オンラインで映像オフは1つの良策です。

話しやすい環境づくりは変わらず

質問しても、フワッとした返事しか返ってこない。
メンバー育成を考えるときに、上記のような挑みがいのある対象は、必ず存在します。
メンバー側が本心で「変わりたくない」「あなたに話したくない」というのは置いておきます。

原因を考えてみると、メンバー側起因としては、人と話す行為・自己開示が苦手、そもそも考えたことがないので何を話して良いのか分からない。
上司側起因では、上司の人格やこれまでの態度、あるいは実績が悪いなど、会話の場として成り立っていなかったり。
後者は論外なので、ここでは前者のメンバー側が、リアルの場が苦手だったとします。

実際、リモートで映像オフにして1対1で話してみると、リアルで会議室で話している時よりも、発話が多い人がいる。
チーム全員での打合せ時は、自発的に話すことはほぼなく、自分のプライバシーを語るのは皆無。
それが、1対1のリモート環境で映像オフだと、自分はこう思いますとか、過去こんなことがあったのですが、などなかなか聞けなかった単語が出てくる。

言い訳ですが、僕は日本で生まれ育ち、いまだに人と目を合わせ続けて話すのが苦手です。
欧米人と話していて、彼らがまっすぐこちらの目を見て話してくると、どこかでこちらが目を反らしてしまう。
この点と少し近い話として、リモートで映像オフにすると、こちらとしても気持ちの余裕ができます。

そのうえで、リアル以上に気を付けているのが、相手が話しやすい状況をつくる。
「ちゃんと聴いています」と伝わるように、さまざまな工夫を凝らす。
大げさに笑ったり、フランクな言葉を使ったり。

雑談しつつ、その人のパーソナルな部分まで話が及ぶのも、良い状況だと僕は考えています。
時代的にはコンプライアンス違反に当たりそうですが、正直、知ったことではなく。

テクニックは使っても、それにおぼれず。
「先週末こんなことありました」を普通に聞ける関係性づくりは、やりがいのある高難易度タスクです。

さいごに

相手の話を聞いていて、この先はこうなるだろうと先読みしたり、この人はこんなタイプの人だと自分の中で決めつける。
人間が主観動物である限りゼロにはなりませんが、人事考課の注意点として「自分の色眼鏡で世界を見るのはやめましょう」と口酸っぱく言われます。

リモートでやり取りすると、視覚情報が減り不用意な思い込みをしなくても良い点はメリットです。
視覚情報に頼らず、相手の言葉に集中できる。

子どもとの関係についても、自分の色眼鏡や、だれかの意見に引っ張られることはあります。
フラットに子どもを見る、子どもの話を聞くのは、親側の大事なスタンスです。