睡眠時間が短いと太るという研究結果が、各方面で出ています。
出産後の特に授乳期は、ほぼ間違いなく睡眠不足の子育て。
これは出産前に比べ、出産後は太りやすい環境と説明できます。
日本の年齢階層別睡眠時間や、世界の睡眠時間を調べました。
睡眠不足だと太る理由
最初に「睡眠不足が肥満につながるという」いくつかの情報を引用します。
①睡眠時間の短縮は、夜間のエネルギー消費量の増加にもかかわらず、1日のエネルギー消費量や脂質利用量には影響を与えませんでした。
②3日間の睡眠時間の短縮には食欲抑制ホルモンであるPYYの減少や、1時間ごとに測定された空腹感の増加などの食欲への影響が明らかになりました。
③直腸で測定された深部体温は、睡眠時間の短縮によって有意に低下し、深部体温の日内リズムに影響することが明らかになりました。出典:睡眠時間の短縮が肥満リスクを増加させるメカニズムを解明(早稲田大学 スポーツ科学研究科)
1.レム睡眠量が減少すると、ショ糖や脂質など、太りやすい食物の摂取量が増加する原因の一端を見出しました。
2.前頭前皮質の神経活動を抑制すると、レム睡眠量が減少してもショ糖の摂取量は増加しませんでした。一方、脂質の摂取量は、前頭前皮質の抑制の影響を受けることなく増加しました。
3.レム睡眠が不足しているときに、肥満につながる食物を摂取したくなる欲求は、前頭前皮質が直接的に制御している可能性が示唆されました。出典:寝不足はダイエットの敵 睡眠時間が足りないと甘いものがほしくなる理由(筑波大学)
断眠によって脳の活動に変化が生じ、その変化が、高カロリー食品に対する欲求と関連していることが判明した。
この新知見は、睡眠不足と肥満の結びつきを裏づける疫学的証拠について新たな見解をもたらすものといえる。出典:【肥満】睡眠不足になると高カロリー食品が欲しくなる(Nature Japan)
能科学的に見ても、睡眠不足が肥満に繋がるという説明がつきます。
「正しい」などの判断をするのは脳の「前頭葉」部分
↓
睡眠不足になるとこの「前頭葉」機能が低下する→判断力が低下する
↓
結果、普段ならストップできることができなくなる
小さな子どもを持つ授乳中のお母さんは、夜中に授乳や夜泣きで起こされる。
ふと小腹が空いたかも、と思い何か食べたくなる。
時間は深夜。
フラフラと台所へ行き、甘いものを食べたり、食べだして止まらなくなる。
判断力がしっかりしていれば、制御がかかる可能性が高い、深夜の飲食や過食。
これが止められないのは、睡眠不足による判断力低下からきている可能性があるということです。
日本人の睡眠時間
子どもの睡眠時間については以前以下の記事にまとめました。
今回はコレとはべつに、子育て期の睡眠時間を含む情報があったのでグラフ化しました。
出典:平成28 年社会生活基本調査(総務省)
・小学生時代以外、すべての階層で女性が男性にくらべ睡眠時間が短い
・年齢が若いほど睡眠時間は長い
・子育て期が一番睡眠時間が少ない
個人的に違和感があるのが、「子育て期・末子が就学前」の時間が7.6時間という長さ。
実際は、もっと睡眠時間が短いのでは、と思ったためです。
データが就学前なので、この数値になるのかもしれません。
それでも僕の身の回りでは子どもが0歳~2歳くらいの時は、目を真っ赤にしてフラフラのママさん達がいたと感じています。
ここ20年くらいの、日本人全体の男女別睡眠時間が下記です。
出典:平成28 年社会生活基本調査(総務省)
・女性のほうが男性に比べ睡眠時間が短い
・男女とも近年ほど睡眠時間がやや減少
・男性のほうが減少幅が少しだけ大きい
OECD28か国の中で日本は最下位
OECD(経済協力開発機構)28か国の睡眠時間データが以下です。
28か国と見出しに記載していますが、ハンガリー情報がないため実際は27か国情報です。
出典:Balancing paid work, unpaid work and leisure(OECD)
・1位はエストニアの9時間弱
・日本は最下位の7.37時間
・全体平均は8.42時間
日本人は睡眠時間が少ない、という結果です。
確かに電車の中を見渡すと、寝ているサラリーマンが目に付きます。
彼らが電車内で睡眠補充しているのかは分かりません。
さいごに
ネットでもよく検索されているのが「出産後に体重を戻す」というキーワード。
体質的に太らないという女性ではなければ、出産前体重は1つの目標値なのでしょう。
出産後に職場復帰されたママさんの中でも、出産前より痩せている方もまれにいます。
ご本人は「母乳ダイエットができました」などと明るくお話されますが、実際は陰の努力があったのかもしれません。
睡眠時間が短いと死亡率や疾病率が上がる、という研究結果は世界各国で出ています。
長生きが良いかは人それぞれですが、生きている間はできるだけ健康でいたい、というのは大半の人が考えることでしょう。
子育てには体力勝負という面があります。
うまくバランスを取りつつ。
最後にもう1つ。
現代の成功者と呼ばれる方々の睡眠時間が以下です。
ティム・クック[アップル社] 7時間(21:30~4:30)
ジェフ・ベゾス[Amazon社] 7時間(22:00~5:00)
ビル・ゲイツ[マイクロソフト社創業者] 7時間(24:00~7:00)
ウォーレン・バフェット[投資家] 7~9時間
リチャード・ブランソン[実業家] 5~6時間(24:00~5:00or6:00)
イーロン・マスク[実業家] 6時間(25:00~7:00)
上記の方々は睡眠時間をしっかり確保しているようです。
ちなみにスティーブ・ジョブズさんはショートスリーパーで4時間睡眠。
ショートスリーパーは人口の5%強とのことなので、やはり一定時間の睡眠は重要そうです。
睡眠については、アレコレたくさんのさまざまな研究結果もあります。
それでもつまるところ「その人にあった睡眠がてきているか」が現代科学の結論です。
今の睡眠が自分にあっているかは、人生に大きな影響を与えます。
ではでは。
日本では男性より女性のほうが睡眠時間が短い
日本人の睡眠時間は世界で一番短い