子どもの動画視聴時間が伸びることが問題ではない

スポンサーリンク
育児・子供観察

子どもがYouTubeを見続けてしまうのが心配。
コロナウィルス禍でstay homeが推奨され、自宅でテレビやスマホ、タブレットで動画接触機会が増える。
定額動画配信サービスの普及もあり、いまは魅力的なコンテンツへのアクセスハードルが低い時代です。
脊髄反射的に動画はNoという人もいますが、現実に即して適応していくのは普通です。

スポンサーリンク

コロナ過で家にいる時間が増える

コロナ過で推奨された、不用意な外出を控える。
スーパーや大手衣料品店などでも、大人数で買い物に来ないで、オフピークを活用して、買い物中は会話を抑えて、などの店内放送が流れる時代です。

その反動か天気の良い日の公園は、以前より人が集まってきています。
体感値ですが、大規模駐車場があるような大型公園でも、地域密着の小さな公園でも、雨天でなければ休日の日中は親子連れをコロナ過以前より大人数見かけます。

雨が降ると、公園に行けない。
週末の土日、天候が悪かったとして、子どもと1日中家にいる。

ショッピングモールに行く選択肢もありますが、密集を避けるとすれば不適切な場所。
電車移動を含む繁華街に行くのも、屋内型テーマパークもリスクがある。

終日家にいて、子どもとどうするのか。
テレビを見たり、タブレットでYouTubeなどの視聴時間が伸びるのは、現実に即していると思っています。

スクリーンタイムの是非

動画視聴が増えることを心配する親は、世界中にいます。
英語圏では「スクリーンタイム問題」として取り上げられており、米国小児医療学会(AAP)は、子どものスクリーンタイム制限時間について、以下を推奨しています。

18か月未満は、ビデオチャットを大人と一緒の時のみ
18~24か月は、大人と一緒に教育番組限定
2~5歳は、教育以外のスクリーン時間を平日1時間、週末3時間に制限
6歳以上は、健康的な習慣を奨励し、スクリーン視聴時間を制限する

具体的な数字時の指針なので分かりやすいですが、別の意見として「そもそもスクリーンタイムが子どもへ悪影響と結び付けている証拠はない」というHarvard Pilgrim Foundationの記事もあります。

日本の一例ですが、僕は地域の保健士さんに「タブレットやスマホを子どもにどれくらい見せてよいとお考えですか」と質問してみました。
相手はある地域の保健士さんで、1人の個人の意見です。
その方の解答は「小学校就学前なら1時間くらい」でした。

現代では、1日1時間ならば許容と考える親は多いと思います。

動画視聴の是非

動画を見ることの是非について、悪い点を羅列してみます。

・視力が悪くなる
・体を動かさない
・偏った情報の刷り込みの懸念
・過激な動画や悪意あるサイトなどを見る悪影響
・人気のある動画に一極集中

テレビやYouTubeなど、基本が受け身なので、娯楽として良くても自分で考える余白が少ない。
自分で試行錯誤して、何かを生み出す楽しさを知ると、受動的なモノとの距離感が変わってきます。

反対の良い点は以下。

・単純におもしろい(娯楽)
・親側は仕事や家事の時間が取れる
・調べ物として動画の方が分かりやすい
・教育的な面もある、理系分野においては理解が一気に進む
・世界が広がる
・自分の興味のものがマイナーであってもピンポイントで分かる
・そこから興味が派生する

僕は以前、アメリカの長編ドラマを集中的に見ていました。
良く練られたシナリオに引き込まれ、一度見だしたら簡単に抜けられないのを知っているので、いまでも不用意に見始めないように注意しています。
娯楽の時間として、とても楽しい時間でした。

娯楽は必要ですが、知らないことを知る1つのツールとしての動画もある。
そこから自分で考え、未来へつなげる楽しさを、子どもに気づいてほしい親のエゴが僕にはあります。

スマホも同じだった

現代病の1つ「スマホ依存症」。
公式に認められた病気ではありませんが、たいていの大人は何を指すのか知っています。
また、依存症になる危険度があることを知ったうえで、気をつけてスマホを使っている人が大半。

では、子どもがスマホやタブレットを見るのはどうなのか。
親子で話し合って、節度を持って入れば、時間の長短関係なく問題ないと僕は考えています。

たまに、1日の許容時間を過ぎて見てしまって「たくさん見ちゃったので明日はナシ」も、経験になります。
いつの時代も、何かの懸念が出てきて、だれかが声高に危険と叫び、マスコミがあおる。
流される人もいますが、内容が薄いので、すぐに忘れ去られます。

自分の頭で考え、言語化できるレベルまで落とし込む。
それができている人は、スマホ病にもなりにくいし、スクリーンタイム問題も「まぁ、その危険性はあるよな」で終わる。

わが家では、YouTube動画視聴のとき、キッチンタイマーを使って、時間を制限しています。
これは子どもと相談して決めたことで、ダラダラ見てほしくない親の意図と、区切りがあった方が分かりやすい子どもの折衷案です。

社会に出て、結果を出し続けている人達の共通点の1つは、区切り意識が強い点。
ダラダラやることが悪い結果につながるのを、知っています。

何かにとりかかる前に、どのくらいの時間が必要なのかの見通しをつけて、目安を立てる。
それが、間違っているなら見積もりが甘い。
徐々にチューニングして、自分の能力や性格も加味して、精度を上げていく。

危険な可能性があるものをすべて排除するのではなく、どこがどの程度危険なのか考える。
子どもに自分で考えてもらう経験も必要ですし、たくさんの失敗もするのが子どもです。

アフターコロナでも変わりはない

子どものテレビ視聴やタブレット利用について、賛否意見はいくらでもあります。
僕は専門家がどんなリスクがありどのくらいの割合でそうなるか情報以外は、これが正しいと言えるものはないと思っています。

大切なのは、個々の子どもと親の状況をみて、妥当なやり方を一緒に模索する。
一定の年齢までNGにして、徐々に開放、見るものにも制限をつけるなどを、子どもと一緒に決めるなど。
親側の都合も入るのも当たり前で、両親が在宅ワークだった場合に、終日子どもが家にいたら動画育児になる時間帯もある。
それは現実的な選択で、大人側が気に病むことでもなく、調和点を考えたらそうなっただけです。

子どもの性質やパーソナリティ、親のしつけたい方向性(願望)、家庭や子どもの精神状態が安定しているかなど、たくさんのパラメーターがあるものに、どこかのだれかが自分の経験ではこうだったからコレが正しいと人を誘導することは無理筋です。

コロナ過で動画視聴時間が伸びたニュースは、散見しています。
いま、家でテレビやタブレットを見る時間が増えているとして、コロナ終息後にコロナ以前に戻すのか。

そんなことは、その時考えるお話で、各家庭、それぞれの状況に適応しながら生きていくだけ。
戻す必要があれば戻し、変化メリットが多ければそちらに針が振れる。

今回のコロナ過は、世界中の人が未体験の状況を生きています。
何か起こったとき、考える対象について、自分達の家族チームで話し合って乗り越えていく。

コロナ以前、コロナ中、アフターコロナ、やることは同じです。

さいごに

いまの子ども達は、いま子育てしている親世代より、小さいうちからスクリーンに接していくのは時流です。
一例として、学校の教科書が、物理的な本からタブレットになるのも時間の問題。

危険だからといって、IT機器を子どもに触らせない選択もあります。
ご家庭ごとの方針なので他人がとやかく言う事ではありませんが、そのメリット・デメリットを子どもに言葉で説明しているのかは気になります。

ITリテラシーは現代では有用度が高いもの。
パソコンを使えるのは当たり前で、新たなテクノロジーを試すなども含め、いつまでも学び続ける姿勢は普通に求められる時代です。

タブレットやスマホなど、単なる1つのツール。
そのツールを操る側なのかツールに操られる側なのか。

いまのスマホを使っている大人たちを見るのも、子どもには参考になります。