ホスピタリティあふれる対応は有効な武器

スポンサーリンク
育児・子供観察

AIに仕事を奪われるという記事を、最近よくみかけます。
ではAIに奪われにくい仕事とはどんなものなのでしょうか。
日本は第3次産業のボリュームが最多、ホテル業はその最たるものの1つ。
あるホテルの対応に、AIに奪われにくい対応というものを感じました。

スポンサーリンク

現代の日本は第3次産業が最多

まず最初に、現在の日本の第1次~第3次産業の、就業者割合です。
以下のグラフの通り、日本は周知の通り、第3次産業の就業者数が圧倒的です。

第1次産業は農業、林業、漁業(水産業)など。
第2次産業は製造業、建設業、電気・ガス業、鉱業など。
第3次産業は小売業やサービス業などの無形財。


出典:変化する産業・職業構造(総務省統計局)
出典:平成27年国勢調査(総務省統計局)

なぜ産業分類を持ち出してたかというと、荒いですがこの先求められる能力について、考慮視点として近似点があると思っているからです。
AIに奪われる仕事の要素としていわれる「定型業務」。
第2次産業に分類される産業は、全部ではありませんが、一定のルールがあるものが多い。
対して第3次産業のサービス業は、状況がかなり不確定になりやすい。
世の中がモンスタークレーマーばかりではないですが、ユーザー対応などはイレギュラーも多いと考えたためです。

第2次産業の衰退ですぐに思いつくのが、高速道路の料金支払い。
いまでは大半が、人からETCに置き換わりました。
電車に乗る時にも昔は「切符切り」という人がいましたが、いまは自動改札。

機械に置き換わりやすいものとして、人から機械に置き換えて採算が合うモノから順番に置き換わっています。
では、置き換わったあとどうなったか。
別の仕事も発生していることも、一般的でしょう。
先の「切符切り」が電子決済に代わって、電子決済関連の仕事が生まれました。
置き換わった後の仕事は、ゆらぎがある業務であったり、専門性が高いものになっている気もします。
ゆらぎ、それは対人間向けとしてはキーワードの1つでもあり、世の中にはイロイロな人がいます。

個人的には「介護」は、全AI化が難しい産業だと思っています。
一部の会話や、被介護者ができれば人にたよりたくない下の世話などはロボット化は進むと思っています。
しかし、それより先の人が人に対して求める「対話」のようなものは、AIでどうやって作り出すのか思いつきません。

たとえるなら「ロボット犬 aibo」が近いかもしれません。
購入者にはとても満足してと思うので、それを否定しているわけではありません。
しかし、実際の生身の犬を飼って日々一緒に暮らしたくさんの思い出ができ、やがて看取る。
それをAIで実現するには難しいのではと思うと言う事です。

あるホテルの対応が見事だった

あるホテルに宿泊したときのお話です。
状況としては、宿泊日は大型台風が直撃する、平常時とはすこし違うシチュエーションでした。

今回の宿泊では僕側に少し特殊な事業があったので、ホテルに確認のため電話をしました。
電話向こうのホテル担当者はその事情をすぐにくみ取ってくださり、問題ないとのこと。
対策案もいくつかあり「今回は、これでどうでしょう」という提案を受けました。
提案内容はこちらも予測しており、希望内容と一致していたので、予約をお願いする旨、伝えました。

するとすぐに予約完了とはならず「予約の前に、いくつか確認させてほしい」とのお話を受けました。
先ほども記載しましたが、その日は大型台風が直撃する予報で、交通機関の麻痺も考えられるとのこと。
仮に到着できたとしても、ホテル自体は自家発電があるので大丈夫だが、周辺の停電などの不便となる可能性がある。
宿泊自体は問題ないが、状況が不確定なので、キャンセルは当日午前中まで無料、などのお話をいただきました。

それは僕が予想しているより、何倍もその時の状況を想定しおり、消費者側に立ったホテル側不利のお話でした。
その対応に「そこまで考えてくれるんだ」と思いつつ、特に支障がないので予約をし、宿泊しました。

宿泊中も電話予約の時に感じたプラス評価感情は加点。
フロントでチェックインから、そのほかレストランなど各ポジションの従業員の方と接しましたが、総じて従業員の方全員が提案型のサポートをしてくれました。
台風の状況案内は当然、傘の手配から、仮に台風で何かあった場合の緊急時対応まで。

一応ですが、1泊5万円以上するような高級ホテルではありません。
1泊1万ちょっとの普通レベルのホテルのお話です。

言葉としては好きではないですが「全従業員教育がしっかりしている」という言葉も当てはまります。
ホスピタリティあふれる、という言葉がしっくりくる心地良い滞在でした。
こうした相手側に立った対応は、この先社会で重要な素養になると僕は考えています。

いまの子ども達はどうすべきなのか

2020年、大学入試が変わる予定です。
センター試験廃止で、1次の筆記はありますが、2次以降が変わります。
一言で言うと、記憶発露型から思考や判断やコミュニケーション力を評価するとのこと。
完全に世界からは周回遅れの日本の教育ですが、やっと動き出すというお話です。

2次の筆記試験のかわりに、グループ課題などが考えられるとのこと。
たとえばたくさんの利害関係者がいる架空の状況で、どうやって着地点を出すのか。

出題課題で僕が予想するのが、PTA役員をやりたくないという「PTA組織問題」など。
学校担当者、PTA賛成派、PTA反対派、教育委員会、子どもなどに立場別に考え、PTAの未来をどうするのか考える。
利害関係者がたくさんいるなかで、定型回答がない問題について、直地点を見いだす。

日本大学や早稲田大学のような、受験者が大勢いる学校がどう対応するのかも興味深いです。
だれがどういう基準で判定するのか。
切り替え当初は大きく基準がぶれそうな気もします。

ありえそうで怖いのが、変わりたくない教師の抵抗勢力。
教育現場という閉鎖社会で、いままで通用していたから変更する必要がないという発想。
教師側も「ゆとり教育」や「アクティブラーニング」など、文部科学省に振り回されている不満もあるでしょう。
実際に部活問題も含め、教師への負担が以前より大きくなっているのとも思っています。
それでも僕は、いまの日本の一般教育は世界的な競争環境では負けていると考えています。

昭和時代の教育を産業分類に当てはめるなら、第2次産業的の要素が強いものでした。
定型業務を正しくこなす、教えられたことを受け入れそのままテストに記載するルーティン型。
コレが通用しないのは、いまの日本の凋落ぶりをみれば言わずもがな。

定型回答がない事象に自分で考え答えを出せる事、コレはいまの社会・会社で、普通に求められることです。
自分の子どもには「自分で考えて行動できる人」になってもらいたい、と心の中で思っています。

さいごに

自分で考えることが苦手で、レールが敷かれればかなり上手に対応する人はどうするのか。
少なくとも、収入的には低い状況にならざるを得ないでしょう。
お金が人生のすべてではないので、あくまで収入が低いポジションや職業に就く可能性が高いというお話です。

それでも、自分で考えて答えを出さないと一定猶予後に解雇となる外資コンサルには向いていないことは確か。
そのような環境にいて精神的につぶれるのであれば、人生全体で考えると戦略ミスだと感じます。

楽しく続けられ、自分の武器と思い込めるものを、できるだけ早い段階で見つけて磨く。
不得手なものは、一定まで練習してダメそうなら切り捨てる、もしくは手を出さない。
ふんぎりをつけて「撤退する経験」は、できるだけ早い段階から、たくさん経験することも子ども時分に経験することは重要でしょう。
でないと、いつまもでダメな環境に身を置いて、本来ある良い状態に移動できなくなる。
「撤退経験での怖さ」はだれしもが持つものであるがゆえ、早くたくさん経験しておくことは人生の財産になります。

日本だけではありませんが「村社会」というお化けに縛られた人はいます。
人は環境に影響される生き物。
自分がお化けにならないよう気を付けなければ、と思います。