子どもの学校行事に親が参観する。
昔から母親の参加率は高かったように思いますが、最近は父親がいる光景が日常になりました。
コロナ過で学校行事が中止になったものもありますが、時代はイベントを大事にする方向に傾いている。
子どものいまを観て、気づくことはあります。
コロナ過で学校行事が中止
2020年からのコロナの影響で、中止になった学校行事情報が以下です。
出典:学校生活と行事に関する調査(スタジオアリス)
スタジオアリスのアンケート結果ですが、1位は「授業参観」で68.9%、2/3が授業参観を取りやめています。
自分が学校運営側だったとしたら、クラスター回避のために中止を選びます。
個人的には「入学式(入園式)」と「卒業式(卒園式)」は、どんな形であっても開催に1票入れます。
室内での密集を回避するなら、天気をみつつ校庭での開催にしたり、最悪リモートでも良い。
それは本人の気持ちの区切りというか、節目としての通過儀礼として重要と考えているためです。
上記のグラフ、下から3つ目に「中止になった行事はない11.1%」があります。
これはこれで、どんな環境だったのか、興味深いところです。
クラスター発生させるとニュースに取り上げられるご時世、人数が少ないのか、そもそも行事がなかったのか。
学校行事の中で、規模的に最大のものが運動会や発表会(お遊戯会含む)です。
上のグラフでは「運動会 47.3%」「合唱コンクール 28.4%」と中止されています。
ウィルスでイベント中止という歴史的レアケースなので、将来、振り返った時の話題性・インパクトはあります。
これらのイベントが嫌いな子にとっては渡りに船かもしれませんが、良くも悪くも集団生活の醍醐味の経験喪失にならないか。
そうした子どもの行事への父兄参加率は、以下の通り高い数字です。
母親の行事参加率は98.7%
先日、僕がわが家の子どもの、行事に参加したとき、見慣れた風景ですがコロナ過を再実感しました。
事前に3密に対しての注意事項が運営側から発表、マスク着用、並ぶときは間隔を開けて、クラス単位の入れ替え制など。
2021年以降、どこででも行われている対策で、いまではマスクしていない大人を見る機会がほとんどなくなりました。
僕はイベントに参加したとき、いつも父親参加率を観察しています。
背景には、自分が浮いていないか、周りが母親だらけだとちょっと、という気持ちがあるためです。
今回のこの文章を書くにあたり「父親の参加率のデータ」を探したのですが、見つけられず。
それによって、自分の行動が変わるか部妙ですが、世の中の父親はどのくらい行事参加しているのか知りたかったのですがかなわず。
参考までに、以前僕が書いた父の日向け参観日行事の結果は以下でした。
父親の参加率が見つけられませんでしたが、小学校1年の母親の授業参観参加率が以下です。
出典:父親のかかわり、母親の周囲とのかかわり(ベネッセ)
「よく行っている」と「ときどき行っている」の2つで98.7%と、ほぼ全員参加です。
アンケート集計元がベネッセなので、教育に関心のある母親属性が多いと予想でき、その結果の98.7%と見ても良いかもしれません。
実際のところは、「行かない母親」もいると思っており、そういう人がこのアンケートに答える可能性は低い。
出典:平成27年度全国学力・学習状況調査(文部科学省)
少し古い2015年の別のデータですが、都道府県別の「小学生保護者の学校行事参加率」が文部科学省にありました。
全国平均=96.6%で、こちらも先ほどのベネッセアンケート結果(98.7%)よりはわずかに低いですが、近い数字です。
こちらのアンケート対象は「小学校の保護者」なので、父親も含まれているのかもしれません。
1位は栃木県の98.3%、最下位=京都府の94.4%ですが、グラフ内の区間を90%~100%区間にしているため見た目ほどの差はありません。
中学校の学校行事参加率は83%
ここまでのグラフは小学生が対象でしたが、以下のグラフは中学生が対象です。
出典:平成27年度全国学力・学習状況調査(文部科学省)
「よく来る」と「時々来る」を合わせて83.5%。
小学生に比べると、1割程度少なくなっています。
自分の記憶をたどっても納得感はあり、ある程度の年齢になると、親が一緒ということに恥ずかしさを感じるようになる。
中学生と言えば反抗期の時期とも重なり、親に近くにいてほしくない子どももいます。
とは言え、自分の家だけどちらの親も参観にこないとなると、淋しさも感じる。
アンビバレントですが、「母親が参観に来る」は、良い落としどころとしてころです。
このアンケートの「家の人」とは「兄弟姉妹を除く」なので、祖父母の可能性はあります。
とは言え、中学校の学校行事に祖父母が顔を出すのもなじみが薄く、ほぼ両親と考えられます。
ここまでをまとめると、学校行事参加率は高く、いまはさらに上がっている気もします。
行事参観を楽しむ
親が学校行事に参加する理由として、家庭を大事にする思想の定着が、身の回りを見ていても増えていると感じます。
昭和時代の父親は仕事優先でしたが、いまは共働き家庭が2/3以上で、家庭全般を協業する時代。
保育園/幼稚園に送り迎えも、父親の姿が半数までは達していない気もしますが、3割程度はいます。
単なる一例ですが、僕の父親は、僕の学校行事に参加したことは1度もありませんでした。
僕の周りを見ていても、当時は異常値でもなく、父親が参加している方が少なかったと記憶しています。
それが、いまは平日イベントでも、父親が僕以外いないことはありません。
スーツを着た男性が、子どもの行事参加している姿を見ると、その後職場へ向かうのだと予想できます。
余談ですが、僕が所属する会社では、管理職向けに「育児中社員への接し方セミナー」も開催されていますが、
正直、高価は微妙だとは思っています。
子育ては本気で向き合ってはじめて分かることが多いと僕は考えていますが、それでもそんなものがある時代です。
父親が(わざわざ)平日に仕事を休んで、子どもの行事に参加するか。
以前は、眉を顰める人も多かったのかもしれませんが、社会全体の許容度が上がってきていると感じます。
子どもの学校行事に参加したから、育児参加しているわけではありません。
日常で育児・家事に参加した先に、子どもの行事がある。
仕事でも結果を出すためにメリハリをつける。
子どものイベント参加も、その1つです。
僕は子どものイベントはなるべく参加したいと考えていて、実際、父親が参加してもおかしくなさそうなものは顔を出しています。
それは、僕の奥様への育児やってますよアピールではなく、単に自分の楽しみのためです。
さいごに
知り合いのパパさんと、ある参観日について雑談しました。
そのパパさんは、わが家の子どもの仲良し友達の父親で、ここではAさんとします。
その日、Aさんは参観日であったことを忘れていて仕事をいれてしまい、前日に参観日に気づきました。
幸い、参観日が午前中だけだったので、午前中の仕事を調整して参観日に出席。
参観の合間に、抜け出しては仕事の電話しているのを、僕も横目で見ていました。
そのAさんは、子どもとかなりの時間を過ごすのを僕は知っており、Aさん奥様からも育児参加認証を受けている人です。
仮に参観日を欠席したとしても、小言はあったとしても許容される人でした。
僕はAさんに「なぜ、仕事を調整して参観日に出席したのですか」と聞いてみました。
「仕事はいつでもできます。でも子どものいまは、いましか見られません。
あとで奥様から話を聞くこともできますが、その場の空気は自分でしか分からない。
運動会であれば、かけっこの順位もありますが、その順位に対する姿勢も見たい。
メイン部分以外に、待ち時間にどうだったかなども、子どもを観る点では重要です。
自分の調整ミスで、そういう機会を逃したくありませんでした。」
お話を聞いていて、野菜を作る時の育成状況をみて水や肥料を調整するのと近いと感じました。